目次:
1、どうすれば乗り越えられる?
2、ペットロス症候群の克服方法
3、ペットロス症候群の相談窓口
家族の一員として愛されている犬たち。子供のように大切に思っているからこそ、愛犬のペットロス症候群から立ち直るためには長い時間と根気が必要になります。
現に私自身も、愛犬バーニーズマウンテンドッグを2020年4月に亡くし9カ月以上が経過しますが、実は未だにどうすれば完全に乗り越えられるかが分かっていません。
そこで今回は、自分だけでなく同じような状況で悩んでいる飼い主さんたちにも情報共有ができるよう、ペットロス症候群の体験談や無料相談窓口などの総合情報をまとめてみました。
なお、ブログの前半は少し暗い内容が多いのですが、興味がある方は【ペットロスブログ】も参考にしてみてください。お読みいただく場合は、時系列(日付の古い順)に読んでいただくと分かりやすいかと思います。
目次
1、どうすれば乗り越えられる?
ペットロス症候群に悩む方の多くは深い悲しみに襲われ、どうすれば苦しみや悲しみを乗り越えることができるのか考えることがあるかと思います。
私もその一人で、愛犬が旅立ってからは本当に生きた心地がしないような日々が数か月間続き、以降は残された愛犬たちのために、また自分を励ますために、気持ちを上へ上へと持ち上げる努力を行ってきました。
今思い返してみると、愛犬が旅立ってから数か月は、まるでぽっかりと穴が開いた空白のような時間でした。
不眠症や毎晩のように続く睡眠障害(金縛り)、過剰な身体のだるさや度重なる吐き気を中心に、体にも様々な症状が・・。色々な病院で検査をしましたが、体には異常がないという診断結果。そのため、日頃からお世話になっている心療内科の医師にも相談することにしました。
結果、恐らく体に出ている症状は自律神経の乱れによるものだという見解。
残された愛犬たちのために、どうすればペットロスを乗り越えられるか?毎晩そんなことを考えていましたが、時間が経過した今考えると、乗り越えられるかどうかではなく、どのように辛さや悲しみを薄れさせることができるかが重要だった気がします。
時間が経過した今でさえ、完全に乗り越えることができるかは分からない。しかし、愛犬が生きていた頃の後悔や辛い思い出で頭がいっぱいだった時期を抜け、9カ月近く経った今、幸せな思い出が頭や心の大部分を占めるようになりました。
幸せな思い出によって、後悔や辛い思い出が少しずつ薄れていくような感覚です。
そこで、今では「どうしたら乗り越えられるか?」ではなく、姿は見えなくてもいつも傍にいてくれる愛犬の魂と共に(幸せな思い出と共に)どうしたら上手に生きることができるのか?そんなことを考えながら、日々生活をしています。
2、ペットロス症候群の克服方法

ここでは、実際に私が行ってきたペットロス症候群の克服方法についてご紹介致します。完全に乗り越えることが出来ずとも、気持ちがだいぶ緩和されることもあるので、ご自身に合うと思う方法を是非試してみてください。
2-1、誰かに話す
ありきたりな克服方法ですが、誰かに話すということは本当に大切なことです。
そして、何より話す相手を慎重に選ぶということが重要。私の場合、人を選ばずに話すことによって、悲しみや辛さがより深くなってしまったケースもあったため、人を選んで話すことをおすすめします。
自分にとって大切だと思っている人、または仲が良い人であっても、「自分の気持ちに寄り添うことができる人」だとは限らないということを学びました。
同じようなペットロス症候群を経験している人やペットロスから克服した経験がある人、気持ちをシェアし合える人に話すのが理想的だと個人的には思います。
2-2、専門家に相談する
心療内科やカウンセラーなどの専門家に相談するのも良いでしょう。
医師やカウンセラーによって、自分に合う合わないがあるかもしれませんが、ペットロス症候群に強い病院を選ぶと失敗しにくでしょう。
私の場合は、かかりつけの病院で相談したため、ペットロス症候群に強い病院ではありませんでした。
しかし、日頃から何でも話してきた医師ですので、聞いてもらうだけでも(一時的ではあるものの)気持ちが穏やかになります。また、専門家の場合は「聞き慣れている」という安心感があります。
あまりに不眠症を中心とした体に生じている症状が重度の場合、睡眠薬などが勧められることもありますが、しっかり自分の体と相談して医師と一緒にペットロス症候群の治療方針を決めていくと良いでしょう。
2-3、本やブログを読む
私の場合は、友人に話をすること以外に、ペットロス症候群に陥った方の本などを読むことで、「同じ思いをしている人がいるんだ」と自分を励ましたりもしました。
本であっても、「共感できる人の存在を近くにおく」ことで心強さを感じることができます。
本が苦手な人は、ペットロス症候群について書かれているSNSブログなどを見てみるのも良いのかもしれません。
私の場合、幸い愛犬と同じ犬種(バーニーズマウンテンドッグ)の飼い主さん友達が多かったため、同じ悪性腫瘍で愛犬を見送った方々のブログを読んだり、直接話を聞いてもらう機会を設けることができたのが大きな救いでした。
2-4、信じる気持ちを持つ
これは自分自身のマインドコントロールが必要になりますが、信じる気持ちを強く持つことで、ペットロスによるネガティブな感情が一時的に緩和されるケースもあります。
私の場合、愛犬の体とお別れしてから長いこと(今でも時々)「死」について考えていました。体がなくなってから魂はどこに行くのか?だとか、魂は何もない無の状態になってしまうのか?なんていうことを考えます。
何だか宗教的な話になってしまいますが、どこかの宗教に属するという話ではなく、ペットロス症候群を克服するためには「自分の信じる中核のようなものを持つことが大切」なのだと私は思っています。
例えば、私のケースでは「愛犬は体がなくなっただけで、魂は常に傍にいる」ということを強く信じる努力をすることで、気持ちを安定させることが多々あります。
その他にも、愛犬が7歳まで生きることができなかったという辛さから解放されるために「彼女の犬生は長さが重要なのではない、短いぶんQOLが高かった。幸せな犬生だったはずだ」と、幾度となく自分に言い聞かせてきました。
自分の気持ちに不安が生じるときは、愛犬の遺骨ペンダントを首にかけて出かけたりすることで気を紛らわすような日も。
骨壺をベッドの傍に、(自宅で仕事をしている人に限られてしまうが)仕事のときはデスクの傍に置くなどして、物理的に彼女を傍に置くことで近くに感じることもあります。
「死後の世界」なんていうものは様々な宗教で様々な格好で存在しますが、実際のところ日本だけで考えても181,810もの宗教があるといわれています(文化庁の宗教年鑑平成27年版)。
そのため、何が本当かが分からない。ペットロス症候群を克服するためには、「自分が信じたいように信じること」、「信じるように自分に言い聞かせ続けること」が大切なんだと感じています。
正解がないのならば、自分で正解を作ってしまえば良い。とにかく自分の気持ちを楽にしてあげるために、強く信じるということが大切なのではないでしょうか。
その他、私は愛犬日記を長年つけていましたが、気持ちがこぼれそうになる度、途中で白紙になってしまったページに愛犬への手紙を書いていました。
書かずともきっと届いているはずの気持ちですが、目に見える形で愛犬に思いを伝えることで、自分の気持ちが緩和されて不眠症が少し改善した日もありました。
2-5、ペットロス関連の専門書を読む
これは個人的にとても役立った方法で、ペットロスに関連する心理学などの専門書を読むことで「自分自身を冷静に見る」ために役立ちます。読書が好きな方にはおすすめです。
ペットロスに関する専門家の見解を知ることは、自分を第三者の目で見るために有効で、結果的に自分の状況を比較的冷静に判断できるようになります。
本を読むのが苦にならない方は、自分に合いそうな本を探して試してみると良いかもしれません。
2-6、何かに依存する
「依存」という言葉は比較的ネガティブな意味として扱われますが、あえてこの言葉を使用したいと思います。
私の場合、趣味を見つける程度では気持ちが緩和されなかったため、とにかく執着できるものを必死に探しました。
依存する対象が「人」である場合はやや問題が生じますが、ずっと続けられる好きなことを探すこと、多少無理をしてでも「消えない執着できる何か」を探すことは、時間の無駄ではないと思います。
愛犬が亡くなってからは料理や運動(ジョギングやバドミントンなど)で気を紛らわすことが多かったのですが、結局辿り着いたのは仕事でした。
ペットロス症候群に陥って、悲しくて仕方がない、寂しくて仕方がない。または、辛くて仕方がない・・。
そんな感情を無理に消し去ることはないと思いますが、もし私のように、不眠症が重度であったり、生きているのが辛いと思うほど症状が重い場合は、何もせずにいるより多少無理してでも何かを見つける努力をすることも大切なのではないか?と、個人的に感じています。
2-7、自分の心に従う
少し難しい話になってしまいますが、家族との死別やペットの死(対象喪失)に人が直面したとき、悲観の心理的プロセスは5段階あるという話があります(Kübler-Ross modelの喪失の5段階)。
この5段階とは、死別を経験した際に
①「否認(愛犬の死を認めれれない等)」が生じ、次に②「怒り」、その次に③「取り引き(愛犬のケースであれば「何でもするから愛犬を返してほしい」等の神仏にすがるような気持ち)」、その次に④「抑うつ状態」、そして最後に⑤「受容」という感情の流れが生じやすいといわれています。
人によって多少異なるものの、このように「ペットロスを乗り越えるためには必要な心理プロセス」があるので、自分の心に従うことも大切だということです。
泣きたいときはしっかりと泣く。「涙や感情を外に出すこと=自分の心に従うこと」は、ペットロス症候群克服にはとても大切だと感じています。
私の場合は残された愛犬たちがいたので「彼らに心配をかけたくない」という思いが強く、車で隠れて泣くことが多かったのですが、いずれにしても「自分の気持ちに従って感情を外に出す」ということは、ペットロス症候群を克服するための大切なプロセスなのだと思います。
3、ペットロス症候群の相談窓口
ペットロス症候群に陥ってしまっても、家族に心配をかけたくないなど、何かしらの理由で身近な人に相談できない場合、または相談しても解決されない場合は、相談窓口で話を聞いてもらうのも良いかと思います。
人によって異なるため一概には言えませんが、案外、知らない人に話す方が素直な気持ちを打ち明けられるというケースもあります。
ペットロス症候群の相談窓口<有料>
ここでは、一例としてペットロス症候群について相談ができるカウンセラーが在籍する団体を紹介させていただきます。
電話カウンセリングであっても、自分に合うカウンセラーを見つけることが大切ですが、不眠症を中心に身体に生じている症状が重度の場合は心療内科の医師にしっかりと診てもらうことをおすすめします。
電話カウンセリングの『ボイスマルシェ』
ペットロスに対応可能なカウンセラーを探すことのできる女性専用サイト。メールアドレスや名前、電話番号などが非公開で相談可能です。
https://www.voicemarche.jp/advisers?q%5Badviser_topics_topic_id_eq_any%5D=85
ペットロス・カウンセリング相談 『ペットロス110番』
日本ペットロス協会のカウンセリング。ペットを失った方への悲嘆ケアなど、幅広く相談可能。電話や来談を受け付けています。
http://www5d.biglobe.ne.jp/~petloss/110.htm
ペットロスカウンセリングサロン『cher ange』
メール相談や電話相談、対面相談やセッションを受け付けているペットロスカウンセラーです。
自分に合ったペットロス症候群の克服方法を試そう!

ペットロス症候群から完全には乗り越えられていない私ですが、それでも9カ月以上経過した今と、生きているのが辛いと感じた過去では随分気持ちに変化が生じました。
急いで克服する必要はないと個人的に思いますが、やはり体に何かしらの症状が起こっていたり、生きる気力を失ってしまうのでは日常生活に問題が生じてしまいますので、色々試した上で、自分に合った克服方法を探すことが大切なのではないでしょうか。
ペットロスで深い悲しみに陥ったとき、どうしても「こんな気持ちはだれにも理解できない・・」と塞ぎこんでしまいがちですが、同じような思いをしている人は必ずいますので、一人で悩まないことがとても大切です。
※【愛犬のペットロスブログ】をお読みいただく場合は、日付の古い順から読んでいただくことをおすすめします。

犬たちの幸せ(=飼い主の意識の向上)を目的とし情報提供サイトを開設。犬の管理栄養士や救命士、トレーニングアドバイザー、介護士資格など多数保有。他社の記事監修・作成も請け負う。
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