保護柴、脱走を試みる Vol-1

我が家でお預かり中、保護犬みーたん。2週間ほど経過し、少しずつ素の顔が見えてきました。大抵の場合、その保護犬の過去は分からないので、あくまで憶測でしか語れないけど恐らくお嬢だった彼女。

ご飯は色々試したがすぐに飽きてしまい、継続して食べるのはアカナのグラスフェッドラムだけ。オヤツは大抵食べるが、総合栄養食はすぐに「いらないです」になってしまい、取り急ぎ与えた我が家の愛犬たちのこのドライフードだけは、継続OKサイン。

色々な検査を行い、現状では皮膚以外は健康に問題ないとのことだから、多分、食欲云々じゃなく前の飼い主さんに味の濃いオヤツばかりもらっていたんだろうね・・。そして、室内の生活に慣れていて甘え方や遊び方もよく分かっている。多分、まぁまぁ甘やかされてたお嬢だったのかな?

お庭ではフェンスの外ばかり見ているので、柴犬あるあるの脱走犯ではないかと・・。かなり遠くから来て、長いこと野良犬生活をしていたのでは?甘やかされていた感じがするから、飼い主さんも探していたに違いない。これは、私の希望含む推測。

そして先日の朝。みーたん部屋に行くと、ドアが空いている!サークルの中にもいない!!一瞬血の気が引き、部屋をぐるっと一周見渡すがやっぱりいない!実は室内脱走は2回目。よくよく見たら、ママの昼寝用の毛布に包まって寝ているではないか・・。

毛布の色が茶色で、みーたんの毛色と若干同化していて寝ているのに気づかなかった。一度目の脱走はサークルの上から。二度目の脱走は同じくサークルの上から。一度目の脱走時、愛犬が使っていないサークルを屋根にしてゲージ風にしたのだが、それを頭で押し上げて脱走したらしい・・。

ケージの屋根部分は、頑丈な木製のもので人が持ち上げるのにも力がいる。今回は、サークルから脱走して、さらに部屋のドアノブを開け、二部屋使って有意義な時間をお過ごしになった様子。ぐっすり眠っていて、私がいることにも気づかなかった。

幸いリアルな脱走には繋がらなかったけど、室内脱走は室外脱走に繋がるので、本当に危険・・。我が家の場合は敷地外に脱走するためには、1.サークルから抜け出す 2.1つ目の部屋の木製ドアを開ける 3.2つ目の鉄の重いドアを開ける。4.庭に出てからドッグランのフェンスを超える。の4つをクリアする必要がある。

みーたんは、見事に2つクリア・・。先日から昼間も2ヶ所のドアの鍵を閉めることに・・。さすがに、鍵は開けられないだろう・・。ママの頭脳勝ちかな?デンデン(以前預かっていた保護柴)が脱走のダの字も感じさせなかったので、柴犬の脱走癖を甘く見ていた。

今回は、本当に脱走には細心の注意を払わなきゃ!脱走中に車にひかれただとか、見つからないだとか・・、不幸な話をよく耳にするが、私が当事者になってしまったら一生立ち直れない気がするので、それだけは本当に避けなければいけない・・。

そして、昨日はようやくみーたんをお風呂に!!保健所から我が家に来て、はじめてのお風呂。本当は獣医師さんに週1目安といわれているのだが、日常に追われて昨日までできなかった・・ごめんね・・。

シャンプーは、本当にありがたいことにSNSを見てくれた仲良しのバニ友さん(愛犬が縁を結んでくれたバーニーズマウンテンドッグ友達)が大量に送ってくれた。数年シャンプーには困らないくらいシャンプーゲットしたみーたん。感謝感謝!ありがとうなんだわん!

過去が分からない保護犬たちに関しては、本当に慣れるまでが葛藤の毎日。吠えや夜泣き、粗相や破壊行為、脱走、病気・・・。だけど、環境が変化して大変なのはお互いさま。むしろ、お犬たちの方が理由も分からず、見知らぬ場所に連れて来られて大変だよね・・。

私だって実際くじけてしまいそうなことが多々ある・・凹むこともあるし、辛い時間もある。だけど、彼らがニカニカ笑顔を見せてくれるから頑張れる。心が繋がる瞬間があるから救われる。だから、愛だとか色々なものを共有するために、人間が生活環境の工夫をしたり、歩み寄ったりすることが大切なのではないかな?

過去は分からないにしろ、一時的であっても辛い経験をした彼ら・・。悲惨な場合は虐待を受けていることだってある・・。我が家では、現状は私の経済的理由や精神的理由から保護犬を家族にしてあげることができない。

期限はないものの、お預かりして第2の犬生を探すお手伝いをすることしかできない。だけど、彼らにとって私たちと過ごす楽しい時間やこの場所が、体だけじゃなく心のリハビリができる空間であることは間違いないはず・・。

ともあれ、室内脱走を繰り返したみーたん。可哀想だけど、庭ではフェンスを乗り越えないようリード着用になってしまいました・・。かなり心苦しいけど、室内フリー時間が多いから外では我慢してもらいましょう・・。

そして、ちょっと変な恰好になってしまうけど・・。耳が聞こえないから、ハンドシグナルでお座りを覚えたみーたん。ゆっくり色々覚えていこうね!!


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その犬、本当に殺していいですか?

我が家で預かっていた一頭の柴犬、デンデン。ご存じの方も多いかと思いますが、悲惨な状況で捨てられ殺処分寸前だった一頭の犬。2019年9月にしずおかセラピードッグサポートクラブに保健所から引き出され、永遠の家族に出会い、幸せな第二の犬生をつかむことができました。

正式譲渡後、静岡県でもコロナ感染者数が増え、緊急事態宣言。同じタイミングで愛犬バーニーズマウンテンドッグちょこの悪性腫瘍転移・死が重なり、どうしても会いに行くことができなかった・・。元気だということは何度か耳にしたが、ようやく自分の目で確かめることができた・・。

(右)しずおかセラピードックサポートクラブ会長 笠井さん

私の顔を見るや否や、まっ先に小走りで走ってきてくれたデンデン(今は、三代目ころちゃん)。純粋にすごく嬉しかった・・。そして、何より嬉しかったのはデンデンの笑顔の質が変わっていたこと。私と一緒に暮らしていた時も可愛い笑顔をたくさん見せてくれたけど、違う顔になっていた。

変な表現になってしまうけど、良い意味で緊張感のない顔、気の抜けたような顔になっていた。やっぱり、犬は人と過ごす中で一時的な家族と永遠の家族の違いを感じ取るのだと思う。

そして、私には見せなかったワガママな一面も見せてくれた。些細なことだけど、良い意味で自己主張も強くなっていた。今まで人間にひどいことをされてきた(デンデンの場合あくまで推測)犬には、溺愛されてワガママになるくらいがちょうどいいと個人的に思う。

そして飼い主さんとお話をしている中で、ワガママ含めデンデンの全てを受け入れる包容力を感じて感動した。お話を聞いていると、お出かけはほぼ一緒な感じ。毎日のお散歩はもちろん、一緒にお花見したりドライブに出かけたり・・。「この子は本当に車で出掛けるのが好きでね~」なんて嬉しそうに話す飼い主さんを見て、幸せがこみ上げる。

面白いエピソード話含め、デンデンについて語る一言一言に愛情を感じる。長時間に渡りデンデンの話を聞かせてもらい、帰り際にデンデンママが「私たちはなにも、特別なことをしているのではない。普通の暮らししかさせてあげられないけど・・」なんてボソッと言った。

それを聞いて、犬を自分の意志で飼ったにも関わらず、そんな普通のことができない人間が多すぎる世の中で、普通の幸せが保護犬たちにとっては何よりもの幸せなんだとふと思った。自分の永遠の家族が毎日当たり前のように傍にいて、頭を撫でてくれる。ご飯をしっかりと食べさせてくれて、お散歩に連れて行ってくれる。

室内で安心して眠ることができる。昨日は、デンデンの気の抜けた(良い意味で)笑顔を見て、この子にとって普通の生活はすごくスペシャルなことなんだって感じた。自分に愛してくれる家族がいるだけで、すごく特別な毎日。彼らが一番欲しいものは、人の愛情・・。

デンデンには本当に色々教えてもらったけど、最後の最後まで多くを学ばせてくれた。こんな生命力に満ちた笑顔を見せてくれる犬が殺処分寸前だったなんて、誰が思うだろうか?たとえ人獣共通感染症の可能性(デンデンの場合)があろうが、凶暴な犬であろうが、何かしら理由をこじつけて犬の命を奪っていいのだろうか。

どんな状況下に置かれた犬であっても、もっとギリギリまで捨て犬たちの可能性を信じて、人間が頑張るべきではないだろうか・・。これは保健所がどうこうという意味ではなく、犬を愛する全ての人に聞きたい・・。「本当に殺していいですか?小さなことでもいいから、何かできることがあるんじゃないですか?」と・・。

私自身、犬の保護に直接密にかかわったのはたった2回・・。寄付は長年してきたけど(笑っちゃうくらい少額)、はっきりいってそれ以外は経験も浅く期間も短い・・。今回も経済的理由を中心に、とてもじゃないけど私一人の力ではどうにもならなかった・・。小さな力がたくさん集まって、ようやく一頭の柴犬が幸せを掴み取ることができた。

一人で多くの命を救える人もいるけど、そんな人は本当に数少ない・・。だからこそ、動物保護には私みたいな小さな力がたくさん集結することが大切なんだと痛感・・。あくまで個人的な意見だけど、募金箱に10円入れるだけだって立派な保護活動だと思う。

幼児や子供を含む為あまり現実的な数値ではないかもしれないが、日本国民が令和2年4月1日の時点で1億2596万人(総務省統計局の概算値)。みんなが月に一度、10円玉を募金箱に入れたらどうなるだろうか?犬のことが好きな人に限って募金したとしても、相当な額になると思う・・。

SNSを中心に、毎日のように見かける捨て犬・・。もしも目に止まるような犬がいたら、「誰かがどうにかするだろう」じゃなくて、本当に殺していいですか?と自分自身に問いかけてみてほしい・・。

https://true-dog-lover.com/top-page/love-dog-blog/shiba-inu


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ご報告。保護犬デンデン、第2の犬生掴み取る!!

柴犬デンデン、本日午後正式に『幸せな第2の犬生』、永遠の家族を掴み取りました!!このような嬉しいご報告ができるのも、本当に皆様のご支援のおかげです。

先週、3/22(日)から室内飼育で可愛がってくれる里親希望者様のもとで、トライアル。実は1週間経っていない段階で「正式譲渡希望」ということでお話はいただいておりました。しかし、トライアルは1週間続けてもらい判断してもらうお約束でしたので、正式譲渡はお待ちいただき本日無事「永遠の家族」に!

実は私、デンデンを混乱させないよう本日は会っていないので、我が家の愛犬写真を。

さておき、里親希望者様である「永遠の家族」にデンデンが出会ったのは、去年12月に沼津市で行われた譲渡会。デンデンに興味を持ってくださり、譲渡会では頻繁にデンデンの様子を見に来ておられました。
以降、ずっとデンデンのことを気にしてくださっていたのです。

柴犬を長年飼っていて、保護犬含め犬と過ごしてきた経験が長いご夫婦です。自宅には大好きな柴犬グッズがたくさん。以前飼われていた愛犬が亡くなり、ペットロスを経験。「そろそろ新しい子を家族にしてもいいかな?」という気持ちになり、譲渡会に来ていただいたようです。

お庭もあって、お散歩コースも本当に良い環境です。ご夫婦は介護・看取り経験もあるため、老犬を安心して託すことができます。

「でんちゃん、アタチだよ。開けてくだしゃい!」。
少し時間が経たないと、デンデンが「あれ?迎えきた?」なんて思うかもしれないので、外で物資を渡して医療の引継ぎのお話をさせて頂きました。とても会いたいけど「一緒に帰るでしゅか?」って顔でデンデンに見られたら、その方が辛いので・・

シャンプーやケア用品など、トライアル時に引渡したものが多いので、今日は残りを。皆様からいただいた物資と医療関係の情報など書いた愛犬手帳。ペットシーツなど大きな物は後日になります。

今回、本当に皆様の力なしでは、デンデンはここまで幸せな犬生を掴み取ることができなかったと思います。そして、デンデンにいただいた医療費支援の寄付金ですが、実は・・・余っています。本当にデンデンは幸せものです。まさか余るほどのご支援をいただけるとは・・

デンデン寄付金(91,000円)- 医療費(41,878円)
= 残額 49,122円

寄付金に関しては本当に多くの方にご協力いただき、ありがとうございます。寄付金なしでは、デンデンは十分な医療を受けることができませんでした。また、私個人としましても不安が多い中、医療費に関する心配をせずにデンデンのお世話ができたので感謝してもしきれません。もちろん物資の支援も含めてです。
今回の残額に関しましては誠に勝手ながら、医療費(41,878円)を上回る寄付をいただいた方に、払い戻しを含め残金使用用途に関してご相談させていただきました。

人数が多く、全ての方に個別連絡できず申し訳ございません。ご回答と致しまして、「必要な所で使ってください」と判断を委ねていただいたため、今回寄付金残額に関してましては、デンデンを引き出し、医療や里親探し含め全面的にサポートしてくれたNPOしずおかセラピードッグサポートクラブ様の、今後保護される犬たちの医療費に使用。そのまま全額寄付という形をとらせていただきたく思います。

こちらでは、取り急ぎご報告まで。また、バニ友様中心にデンデン支援に大きく関わってくださった支援者様には、デンデンの可愛い写真を送らせてくださいませ。

私も、2019/9/6~2020/3/22の199日一緒に過ごしてきたので寂しくなりますが、グッとこらえて時が解決してくれることを願います。
デンデンには、本当に毎日笑わせてもらい、色々なことを勉強させてもらいました。デンデンとの経験が今後の保護犬たちに活かせるよう、何かしらの形でこれからも保護活動に携わることができればと思います。

重ねましてこの度は、デンデンの命を救っていただき、皆様本当にありがとうございました。取り急ぎご報告まで。

「でんちゃんのお散歩コースに、アタチのおちっこの匂い残してくでしゅ」。「これで寂しくないでしゅ」。



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