犬の口腔内メラノーマや眼球メラノーマ〔獣医師監修〕

目次:
1、犬の腫瘍「メラノーマ」とは?
2、悪性メラノーマについて
3、口腔内メラノーマと眼球メラノーマ
4、口腔内メラノーマの食事管理や自宅ケア

悪性腫瘍の中でも転移率が高いといわれているメラノーマですが、口腔内に発生した場合は手術での全摘出が困難であったり、食事を与えるのが難しくなったりと様々な障害を伴います。

今回は、犬のメラノーマに関しての検査や治療などの基本情報に加えて、食事方法や自宅ケアについてご紹介致します。なお、メラノーマの治療に関する詳細情報は【犬のメラノーマ|免疫療法や放射線治療など】をご参照ください。

1、犬の腫瘍「メラノーマ」とは?

ここでは、犬のメラノーマに関しての基本的な情報や発生しやすい部位などをご紹介致します。

1-1、メラノサイトにできる腫瘍

メラノーマ(悪性黒色腫)とは、犬のメラニン色素を形成している細胞である「メラノサイト」にできる腫瘍です。メラノサイトは、犬の皮膚や粘膜に存在するメラニン産生細胞で、犬の場合は良性腫瘍のメラノーマと悪性腫瘍のメラノーマがあり、ある程度発生部位によって良性か悪性かを判断することができます。

また、メラノーマに関しては口腔内と目に発生するケースが多く、色素の濃い犬が多く発症しやすいと考えられています。腫瘍の色が黒いのが特徴ですが、メラノーマであっても稀に黒色でないこともあります。

2-2、メラノーマの発生部位

良性メラノーマは、一般的に被毛がある場所(皮膚)に発生。対して悪性メラノーマの場合は、犬の唇や眼球の上下を覆って角膜を保護している皮膚などの粘膜接合部、爪周辺部(爪下)、口腔内などに発生します。

口腔内メラノーマに関しては別途説明しますが、全摘出においては手術が困難になるケースが多いのが特徴です。ただし、必ずしも良性と悪性の発生部位が分かれるわけではありませんので、メラノーマを疑うときは、必ず獣医師の診察を受けるようにしてください。

2、悪性メラノーマについて

ここでは、悪性メラノーマの検査方法や一般的な治療方法についてご紹介致します。治療に関しては、獣医師とよく話し合って決めていきましょう。

2-1、悪性メラノーマの検査方法

悪性メラノーマの検査は、最終的には腫瘍を摘出して組織の病理組織検査によって行われます。組織の病理検査では、犬のメラノーマの悪性度や進行状態、転移や再発にとどまらず、犬が化学療法や何かしらの治療を行った際の効果や予後などの推測ができます。

そのことからメラノーマに関わらず、腫瘍を摘出した後は大抵の場合は病理検査を行います。腫瘍によっては病変部の広がりを確認するために、摘出手術をする前にCT検査やMRI検査などの詳しい検査が必要になることがあります 。

2-2、悪性メラノーマの治療方法

悪性メラノーマでは、通常大きめに腫瘍を切除しますが、犬の口腔内に腫瘍ができてしまった場合は完全に切除しきれないこともあったり、肢の先端部にできてしまった場合は獣医師に断脚手術を勧められることもあります。

術後は抗がん剤治療や放射線治療を行うケースもありますが、転移する可能性が高いがんなので注意が必要です。しかしながら、初期に発見して早期治療ができれば根治を目指した治療が可能な場合もあるので、病気の早期発見のために日ごろから愛犬の口腔内や目、肢先などのチェックも行っておくと良いでしょう。

2-3、悪性メラノーマの転移

悪性メラノーマは局所浸潤性が高く、また犬のがんの中でも転移率が高い腫瘍といわれております。

がんが発生した部位周辺に広がっていき、リンパ節や肺など多臓器に転移しやすいと考えられていますので、犬のがんの中でも悪性度が高いといわれています。その他、老犬の場合は目に発生したメラノーマに関しては比較的大きくなりにくいのが特徴です。

3、口腔内メラノーマと眼球メラノーマ

ここでは、メラノーマの中でも多くみられる口腔内メラノーマと眼球メラノーマについてご紹介致します。

3-1、犬の口腔内に発生するメラノーマ

犬の口腔内に発生する主ながんは3種類あるといわれており、代表的なものがメラノーマ。その他に、扁平上皮癌と線維肉腫があります。

犬の口腔内に腫瘍ができてしまうと、唾液が多くなる、口臭がきつくなる、出血などの症状が生じて、腫瘍が大きくなってしまった場合は食欲不振や(※1)嚥下困難などを中心に様々な症状がみられます。口腔内の腫瘍の場合、残念ながら手術で完全に摘出することができないケースが多いのが特徴です。

(※1)嚥下:口から入った食事を喉の奥へと飲み込んで、さらに食道から胃へと送るという一連の流れ

3-2、犬の眼球に発生するメラノーマ

眼球に発生するメラノーマは、猫では転移率が高いのに対し、犬の場合は転移の確率は僅か2%以下であるといわれています。腫瘍は黒色で、若い犬の場合は短期間で腫瘍が大きくなりますが、比較的年齢を重ねた8才以降の犬の場合はそれほど大きくならないケースが多い腫瘍です 。

なお、犬の眼球に発生するメラノーマの転移確率に関しては、文献(参照データ)によって差が生じることがあります。


4、口腔内メラノーマの緩和ケア方法

メラノーマだけでなく、犬が悪性腫瘍を発症すると緩和ケアが必要になるケースが多くあります。ここでは、口腔内メラノーマを中心に食事方法や自宅ケアについてもご紹介致しますが、がんにおける緩和ケア全般の内容に関しては、【①必要性や方法】【薬や治療法】をご確認ください。

4-1、がん性の疼痛の緩和ケア

口腔内メラノーマを中心に腫瘍を全摘出できないような場合、どうしても愛犬のQOLを維持するために緩和ケアが必要になります。

メラノーマによる痛みの緩和ケアは犬の状況によって異なりますが、一般的には必要に応じて「非ステロイド系の抗炎症薬」が使用され、さらに激しい痛みが生じている可能性がある場合や非ステロイド系の抗炎症薬では痛みの緩和が十分でない場合、口腔内腫瘍によって犬の口からの薬投与が困難な場合は「オピオイド製剤」が使用されることがあります。

また、メラノーマをはじめとした犬の口腔内のがんにおける出血や腫瘍の腫れがある場合、(緩和)放射線治療で症状を軽減することができるケースも多く、メラノーマに関しては多かれ少なかれ腫瘍を小さくする効果も期待できるようです。

がん性の疼痛を中心とする犬の緩和ケアに関しては、犬の状況や痛みの程度(推測)、腫瘍の状況などによって大きく異なるので、緩和ケアにおける治療のリスクなども踏まえた上でしっかりと獣医師と話し合った上で決めていきましょう。


4-2、口腔内にメラノーマができた場合の食事方法

口腔内にメラノーマができてしまった場合は体重減少がみられることが多く、食事の方法に悩む飼い主さんが多くいます。悪性腫瘍によって、ただでさえ食事の消化吸収能力が妨げられますが、それに加えて口に腫瘍がある場合は物理的に犬が食事を摂れない(摂りにくい)状況に追い込まれます。

そのような場合、少量で栄養補給できる高栄養缶などの流動食を喉から流し込む方法が考えられますが、動物病院で栄養チューブの装着を早期段階で勧められることもあります。

また、数年前にアメリカで犬用食欲増進剤(エンタイス)が販売され、日本国内の動物病院でも取り扱っているところもあるようですので、物理的に食事が摂れる犬の場合は副作用を含め獣医師に食欲増進剤に関して相談してみると良いでしょう。

4-3、口腔内メラノーマの自宅ケア

薬の投与を中心とした緩和ケアは動物病院でお願いできますが、口腔内にメラノーマがある場合は自宅でのケアがとても大切になります。犬の状況によってケア方法は異なりますが、口の中が汚れしまっていたり乾燥していたりすると粘膜感染を進行させやすくなります。

そのため、ガーゼに水を含ませて犬の口の中が潤うよう定期的なケアを行うことが大切です。また、食後も口の中を清潔に保つために水を与えるなど、愛犬の口腔内ケアをしっかりと行いましょう。

口腔内ケアに関しては、腫瘍ができている部位や状況によってケア方法が異なることがあるので、愛犬に合った適切なケア方法を必ず獣医師に確認してから行ってください。


参考文献
・小動物腫瘍科専門誌 Veterinary Oncology No.22,インターズー,2019.
・動物臨床医学研究所 山根義久,イヌ+ネコ家庭動物の医学大百科,パイインタ-ナショナル,2012.
・田中茂男,犬の医学,時事通信社,2011.
・矢沢サイエンスオフィス,もっともくわしいイヌの病気百科,2007.


WRITER Profile

記事作成者:  望月 紗貴

犬たちの幸せ(=飼い主の意識の向上)を目的とし情報提供サイトを開設。老犬介護士、ペット看護師、犬の管理栄養士を中心に多数ペット資格を保有。他社の記事監修・作成も数多く請け負う。


記事監修者:  (獣医師)西原 克明

動物病院の院長を務めながら、様々なペット関連業界で活躍。腫瘍外科や椎間板ヘルニアを中心に「特殊外科」の執刀を得意とし、腸内細菌や口腔内細菌の研究を行い予防医療にも注力している。


犬のがんの緩和ケア|必要性や方法〔獣医師監修〕

目次:
1、がんの緩和ケアとは?
2、がんの緩和ケアの必要性
3、犬のがんにおける痛みの緩和ケア

手術や抗がん剤治療、放射線治療などの医療技術を使いながら愛犬のがんと闘っていても、緩和ケアに切り替えなければいけない状況下に置かれることがあります。また、これら治療を行いながらがんの緩和ケアが必要になることもあります。

1、がんの緩和ケアとは?

1-1、緩和ケアとホスピスケアの違い

獣医療においてもホスピスケアという言葉を耳にするようになりましたが、厳密にいうとホスピスケアに関しては、他に治療法がないような余命の短い犬(人)に提供されるのに対し、緩和ケアは抗がん剤など何かしらの他の治療を行いながら緩和治療を行う場合も含むのが特徴です。

いずれにせよ、薬による痛みの緩和(ペインコントロール)を中心に、愛犬のQOL(クオリティー・オブ・ライフ)改善のために用いられ、犬に極力苦痛のない余生を過ごさせてあげるためにはとても大切な治療です。

1-2、緩和ケアは獣医師と家族が協力する

緩和ケアにおいては、獣医師の薬の処方など西洋医学を中心に行いますが、家族(飼い主)が協力して行うことがとても大切です。個体差もありますが犬は痛みを感じていることを隠す傾向にあり、ましてや言葉を話さない動物ですので、日々愛犬と接する中で行動の変化(目で分かる変化)をしっかりと観察して獣医師に相談することが大切です。

感じている痛みの度合いはがんの進行度合いや発生部位などによってある程度は予測できます。しかしながら、ペインコントロールは飼い主が痛みの発生を中心に小さな変化に気づいてあげることがとても大切です。痛みの改善だけでなく予防として薬が処方されたり治療が行われたりすることもあるので、しっかりと獣医師と話し合って緩和治療について決めていきましょう。

【がん|緩和ケアに使われる薬】

1-3、痛みの緩和だけが緩和ケアではない

WHO(世界保健機関)による緩和ケアの定義を前提に考えた場合、緩和ケアはQOL向上のために身体的負担の軽減だけでなく、心理的、またはスピリチュアル的負担に対しての苦痛の予防・軽減が含まれます。

そのため、犬の体の負担軽減は獣医師の緩和治療が主になりますが、精神的負担の軽減も非常に重要。動物病院に連れていく回数が減るよう自宅でできるケアを飼い主自身が行ったり、生活する中で起こりうる犬の不都合などに対して対策を行ってあげることも緩和ケアの一環です。

2、がんの緩和ケアの必要性

2-1、体と心の痛みのケア

がんの種類によっては薬剤を利用して痛みを緩和できないものもありますが、それでも獣医療で緩和ケアが取り入れられるようになってから、がんを発症した犬たちが快適に余生を過ごすことができる可能性が随分広がりました。

一昔前では安楽死を迫られたケースであっても、現在ではがんに伴う体と心の痛みを和らげて動物病院でなく家族と共に自宅で穏やかに過ごすことができる犬も増えました。犬が家族の一員として大切にされる現代では、がんを発症している犬にとっては緩和ケアは無くてはならないものです。

【犬のがん|愛犬のために飼い主ができること】

2-2、家族の心のケア

がんに苦しむ愛犬の緩和ケアをすることは、家族(飼い主)の心のケアにも役立ちます。可愛い愛犬が苦しむ姿は誰だって見たくはありません。ただでさえ、がんという重い病気と闘う犬。極力痛みを取り除き、穏やかに過ごさせてあげることは家族の心のケア(喜び)にも繋がるのではないでしょうか。

2-3、愛犬の心のケア

がんを発症している犬の場合、痛みだけでなく発生部位によっては呼吸が苦しくなったり吐き気や食欲低下、身体のだるさなどのストレスによって精神的な負荷もかかることから、QOLが低下しやすい状況になります。身体のストレスは必ず心のストレスに繋がるので、少しでも体にかかる負荷を減らしてあげることで心も同時にケアしてあげましょう。

その他、体の緩和ケアと同時に、優しく撫でたり声掛けをするなど、愛犬とのコミュニケーション方法を見直すことも大切です。最近では針灸などの東洋医学、メディカルアロマなどの治療を取り入れている動物病院もあるので、犬に負担がかからないようであれば西洋医学と併用して活用してみるのも良いでしょう。

3、犬のがんにおける痛みの緩和ケア

3-1、痛みの緩和ケア(ペインコントロール)

がんの進行によって全ての犬に痛みが生じるわけでなく、神経が分布している場所にがんが入り込んでいるような場合、またはがんの組織が大きくなることで神経部分に圧迫が生じてしまっている場合などに痛みが生じます。その他、がんの発生部位・種類などにより緩和ケアの必要性、または方法は異なります。

がんが進行している犬の場合、大抵獣医師は犬に痛みがあること前提でペインコントロールを目的とした治療を行いますが、日々の生活で起こっている症状や犬の変化などを獣医師に詳しく説明して、必要に応じて検査でがんの進行状況を確認しながら痛みの緩和ケアを行う必要があります。

3-2、がんの痛みと痛みを生じやすいがんの種類

がんの痛みは、急性痛的な痛みと慢性痛的な痛みの性質の両方を持ち合わせているといわれており、いずれにせよがんの発生部位や種類などによっては、長時間強い痛みが続くことが往々にしてあります。

消炎鎮痛剤や麻薬系の薬が緩和ケアで処方されることがありますが、犬のがんの中でも骨肉腫は痛みの度合いが重度だといわれています。犬の場合は骨原発性腫瘍の中では骨肉腫が一番発生率が高いといわれていますが、中でも大型犬の場合は四肢に発生することが多く、断脚手術によって痛みを緩和させる方法が施されることが多いのが特徴です。

3-3、がんの痛みを緩和するための治療方法

がんの痛みを緩和するためには、先述でお話させていただいた通り鎮痛剤や麻薬性の薬が投与されるのが一般的ですが、放射線治療設備がある動物病院では放射線で痛みを和らげることもあります。薬に関しては、飲み薬や注射、座薬、貼るタイプのものなどがありますが、獣医師の説明をしっかりと聞いて愛犬の痛みの状況に合わせて緩和治療を行う必要があります。

【愛犬のがん闘病生活ブログ】

3-4、麻薬性鎮痛剤について

骨肉腫をはじめとし重度の痛みでモルヒネやフェンタニルが必要な場合は、別途獣医師が「麻薬使用者」として届け出が必要になることから、全ての動物病院で薬を扱っているわけではないので注意が必要です。麻薬性鎮痛剤に関しては、錠剤タイプのものや注射薬、パッチ状の経皮吸収されるタイプの薬があり、副作用の確認はもちろん取り扱いに注意しなければいけないものが多いため、都度獣医師の厳密な指示に従うことが大切です。


WRITER Profile

記事作成者:  望月 紗貴
犬たちの幸せ(=飼い主の意識の向上)を目的とし情報提供サイトを開設。老犬介護士、ペット看護師、犬の管理栄養士を中心に多数ペット資格を保有。他社の記事監修・作成も数多く請け負う。

記事監修者:  (獣医師)西原 克明

動物病院の院長を務めながら、様々なペット関連業界で活躍。腫瘍外科や椎間板ヘルニアを中心に「特殊外科」の執刀を得意とし、腸内細菌や口腔内細菌の研究を行い予防医療にも注力している。


犬のがんの緩和ケア|薬や治療法など〔獣医師解説〕

1、犬のがんの緩和ケアに効果的な薬は?
2、犬のがんの緩和ケアに使用される薬のタイプは?
3、犬のがんの急性痛・慢性痛について
4、ペインコントロールに有効なその他の治療法

がんを発症した犬の場合、痛みを中心に緩和ケアにおける治療がとても大切になるケースがあります。今回は、犬の緩和ケアについて、薬を中心とした専門的内容を獣医師に幅広く解説していただきました。

1、犬のがんの緩和ケアに効果的な薬は?

1-1、がんの緩和ケアに使用される薬の概要

犬のがんの緩和ケア治療に使用される薬には鎮痛薬、抗炎症薬、局所麻酔薬などがあります。鎮痛薬は痛みを減らす効果があり、抗炎症薬は犬の痛みの原因となる炎症を抑えることで間接的に痛みを減らす効果があります。がんのペインコントロールに使用される薬としては鎮痛薬、抗炎症薬などが一般的で、局所麻酔薬は神経を麻酔することで痛みを感じなくさせるブロック麻酔という治療手法で用いられます。

1-2、がんの緩和ケア治療に有効な鎮痛薬

犬の鎮痛薬は麻薬性鎮痛薬、非麻薬性鎮痛薬、解熱鎮痛薬に分けられます。麻薬性鎮痛薬はモルヒネ、フェンタニルなどが代表的です。犬の麻薬性鎮痛薬は習慣性を伴う強力な鎮痛作用を持ち、脳や神経に作用。病巣から脳に向かう痛みの信号を止めます。

非麻薬性鎮痛薬はブトルファノール、トラマドールなどが代表的です。これらは習慣性を持ちませんが、麻薬性鎮痛薬と比較すると軽度の鎮痛効果を持つと報告されています。麻薬性鎮痛薬と同じ方法で痛みを減らす為、犬に投与する際、併用することでお互いの作用を弱くしてしまう場合があります。

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1-3、がんの緩和ケアで使用されるオピオイド

麻薬性鎮痛薬と非麻薬性鎮痛薬は、オピオイドと呼ばれる薬の種類です。オピオイドはがんの緩和治療における重要な薬ですが、人間においてオピオイドは重度の呼吸抑制、薬物耐性(長く使用することで作用が弱まること)があると言われています。

しかしながら、犬の場合はオピオイドに対する呼吸抑制の感受性が人ほど敏感ではなく、使用する期間も短い為、これらの副作用はあまり問題にはならないと報告されています。

1-4、がんの緩和ケアで使用される解熱性鎮痛薬

解熱性鎮痛薬は、NSAIDs(エヌセイド)と呼ばれる非ステロイド系抗炎症薬の中で鎮痛効果を持つものを指します。犬の解熱性鎮痛薬はケトプロフェン、アスピリンなどが代表的で、がんの痛みの原因物質が生成されることを防ぎます。

犬の解熱性鎮痛薬もオピオイドと同様にがんの緩和ケアに有効ですが、種類によっては胃潰瘍、血液凝固阻害(血が固まらない)などの副作用がでる場合があります。低頻度ですが腎臓に対する副作用を持つとする報告があるため、がん以外に腎疾患を持つ犬に投与する際には注意が必要です。

1-5、がんの緩和ケアで使用される抗炎症薬

抗炎症薬は、NSAIDs(非ステロイド系抗炎症薬)とステロイドに分けられます。NSAIDsは炎症の原因物質が生成されることを防ぎます。解熱性鎮痛薬と同様に胃潰瘍、血液凝固阻害、腎障害などの副作用があります。また、NSAIDsには抗腫瘍効果があり、骨肉腫、乳腺癌、口腔内メラノーマなどのcox-2と呼ばれる酵素を多く持つ様々な犬の腫瘍に効果的である可能性があると述べられています。

ステロイドはプレドニゾロン、デキサメタゾンなどが代表的であり、強力な抗炎症作用を持ちます。犬に投与した際、免疫抑制や医原性クッシング症候群などの重大な副作用を引き起こす場合があるので、獣医師に指示されている量を適切に与えることが重要。またNSAIDsとステロイドの併用は重大な副作用を引き起こす可能性が高く、併用は禁忌とされています。

2、犬のがんの緩和ケアに使用される薬のタイプは?

2-1、がんの緩和ケアの治療で使用される薬の投与方法

犬のがんの緩和ケアに用いられる薬にはいくつかの投与方法があります。薬を口から与える「経口投与」、皮ふから吸収させる「経皮投与」、注射などにより体内に投与する治療方法などがあります。

2-2、がんの緩和ケアにおける経口投与とパッチの使用方法

経口投与は薬が比較的早く、犬のがんの痛みに効果を現します。経皮投与には犬の皮膚に直接薬を塗布するほか、パッチと呼ばれるシールを皮膚に貼る方法もあります。

パッチによる経皮投与は薬剤が長期間作用する特徴があり、長期間薬を作用させるためパッチには多くの量の薬が含まれており適切な使用が重要になります。パッチを温めると薬剤の過剰投与につながり危険です。犬がパッチをつけた状態での入浴等も避けて下さい。

2-3、がんの緩和ケアにおける注射の種類

注射による投与には静脈内投与、筋肉内投与などがあります。どちらの投与も薬がすぐに効果を表しますが、注射による治療は動物病院において獣医師による処置として行われます。たとえ同一の薬であっても投与する方法が異なる場合、混同して使用することはできません。

がんの緩和ケアに使われる薬は強力な効果を持つものが多いのが特徴です。犬に投与する場合、必ず獣医師に指示された量を正しい時間に投与するようにして下さい。自己判断で量を増減すると大変危険ですので、獣医師の指示で薬を与えても犬が痛みを感じている、効果が感じられないような場合は再度獣医師に治療の相談をお願いします。

3、犬のがんの急性痛・慢性痛について

3-1、犬のがんの急性痛・慢性痛

がんによる痛みには急性痛と慢性痛の二種類があります。急性痛は腫瘍が急激に発生したとき、膵炎などの劇的な症状が出たとき、手術を行った直後の犬などに発生します。慢性通は術後の経過、がんが長期化したときなどに発生します。

痛みの評価方法として、急性痛ではレベル4を最大の痛みとして評価するペインスケールが、慢性通では痛みの判別のためのチェックポイントが報告されています(動物の痛み研究会)。これらの評価は飼い主さんでも簡単に行うことができ、獣医師に犬の痛みを正しく伝え適切な治療をするために効果的です。

3-2、急性痛のペインスケール(一例)

レベル1:ゲージから出ようとしない、尾が垂れている、患部を舐めたり噛んだりして気にする、などの行動が見られます。
レベル2:耳が垂れている、食欲の低下、自分から動かない、痛いところをかばう、などの行動が見られます。
レベル3:体が震えている、攻撃的になる、横にならない、間欠的に鳴く・唸る、体を触ると怒る、などの行動が見られます。
レベル4:食欲が完全になくなる、ずっと鳴く・唸る、なきわめく、眠らなくなる、全身が硬直するなどの行動が見られます。

3-3、慢性痛のチェックポイント(一例)

・散歩や遊び、ソファーなどの上り下りなどの運動を嫌がるようになった
・立ち上がるときにつらそうになった
・尾を下げている時間が増えた
・寝ている時間が増えた、減った
・足を引きずるようになった

3-4、犬のがんの痛みに関して(がんの痛みの評価)

犬のがんの痛みについては明らかにされていないことが多いのが特徴です。各腫瘍における痛みの程度については未だ十分な研究がなされていません。消化器、泌尿器、口腔・鼻腔、皮膚、乳腺、骨、中枢神経系における腫瘍においては痛みがあると言われており、がんの緩和ケアにおいて重要になるのは、犬が感じている痛みを評価することになります。

【犬のがんに関する記事一覧】

実は動物病院では犬が我慢してしまうことから、痛みを正しく評価できない場合があります。獣医師は手術などの治療を中心に犬にとってひどいことをしますし、飼い主さんとも離ればなれになってしまいます。そんな恐怖心が強まる状況下では、犬は痛みを頑張って隠してしまうのです。犬にとって飼い主さんは信頼できるパートナーですので、家で飼い主さんと一緒にいるとき、犬は自分がどれくらい痛いのかをしぐさや声で表してくれるかもしれません。

犬の痛みを一番正しく評価できるのは飼い主さんですので、急性痛、慢性痛の評価方法で飼い主さんが痛みを評価することが大切。その情報から獣医師が適切な処置を行うことが痛みの緩和ケアに最も有効と言えるでしょう。

4、ペインコントロールに有効なその他の治療法

犬のがんの緩和ケアに有効な補助的な治療法には身体リハビリテーション、サプリメントなどが挙げられます。これらの補助療法は鎮痛薬、抗炎症薬などの治療法と併用することで、より効果的なものになります。また、腫瘍の種類によっては大変危険な状態になる補助療法の組み合わせもあります。
例えば、肥満細胞腫などは腫瘍部を物理的に刺激することで、犬に劇的な症状が発生します。補助療法を行う場合は必ず獣医師に相談の上行ってください。

・身体リハビリテーション|運動療法、物理療法などがあり、運動療法は運動により血流、リンパの流れを改善します。人の場合、NSAIDsと同等の鎮痛作用があると報告されています。物理療法には温熱療法、冷却療法などが含まれます。温熱療法は運動療法と同じく、犬の血流、リンパの流れを良くすることで鎮痛作用をもたらします。冷却療法は急性疼痛の緩和に有効だという報告があります。

・サプリメント|ω-3脂肪酸、グルコサミン・コンドロイチンなどが含まれます。ω-3脂肪酸のうち「エイコサペンタエン酸(EPA)」と「ドコサヘキサエン酸(DHA)」は穏やかな鎮痛作用を持ち、慢性痛の補助的治療に使用できると報告されています。その他のω-3脂肪酸には鎮痛作用はないため注意が必要です。グルコサミン・コンドロイチンも同様に穏やかな鎮痛作用を持ち、慢性痛の補助療法として使用できる可能性があります。しかし、これらの物質の軟骨に対する保護効果については科学的に十分な根拠はありません。


WRITER Profile

獣医師ライター:  若林 薫
子犬や子猫の治療、健康管理を得意分野とする。動物病院の獣医師と飼い主を繋ぐための専門的で分かりやすい記事を執筆。獣医師免許証保有。

サイト運営者:  望月 紗貴
犬たちの幸せ(=飼い主の意識の向上)を目的とし情報提供サイトを開設。犬の看護師や介護士、管理栄養士資格など保有。他社の記事監修・作成も多数請け負う。

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介護の分担と手作りジャーキー day-13

一昨日の夜、見るに見かねたのか、パートナーが「夜は俺がリビングで寝ようか?」と申し出てくれた。というのも、最近はちょこが夜中に起きてリビングやお庭に行きたがることが多いので、私がなかなか眠れず・・。

パートナーも外で働いているので大変だけど、好意に甘えることに・・。ここ数日は夜中のお世話は任せることに。こんな時、彼のどんな場所・どんな状況でもすぐに眠れる性質が役に立つ。起きてお世話して、多分またすぐに眠れるのだと思う。

「アタチのマットレスでしゅ~!パパは床でいいでしゅ」。リビングにちょこのセミシングルマットレスを移動。シングルベッド移動してもいいけど、リビング狭くなるし、お嬢は部屋でも寝るからね。ここは我慢してもらいましょう。

そして、昨日の夜はママの手作りジャーキーを少しだけ食べてくれた・・。本当に少しだけどすっごく嬉しくて、たくさん褒めた。色々なものを試しているけど、長年手作り食べていたので最終的には手作りが良いのか?

ちょこが食べているところにミウたんが・・。「アタシにもくださいだニャー」。昨日つくったジャーキーは、鶏むね肉とサーモン。サーモンは食べなかったけど、鶏むね肉はOKサイン!かといって、次の日にはこれも食べなくなる。

厚さを変えて、肉の内側の固さにバラエティーを。厚切りにすると、外はパリパリ、中は噛み応えがある感じで「弾力がある固さ」になるが、意外に柔らかいものより弾力がある固さが好きみたい。少量だけど、噛み心地が良さそうな部分を自分で選んで、よく噛んで食べる。

そして、今日の朝。昨日パートナーがちょこに買ってきた松坂牛を焼いてみた。大きめサイズをペロッと一瞬で食べた!7切れで1,800円以上。ちなみに私はこんな高級肉を食べさせてもらったことがない。「松坂牛でしゅ~!高そうな香りがするので食べてみるでしゅ」。だけど、1枚食べたら「もういらないでしゅ~」。

松坂牛を食べたら、久々にこのポーズ!バーニーズマウンテンドッグあるあるのパッカーン!少し体に余裕があるのか?とても嬉しい・・。でも、ちょこの生命維持には不十分すぎる量の肉しか口にしない・・。

今日は、午前中に豚ジャーキーを作ったけど食べない・・。「松坂牛をジャーキーにするでしゅ~!」。でも、何も食べない日もあったので、頑張ってくれているんだよね?薬もそろそろ体から抜けてよい頃なんだけど・・。副作用じゃなくて、やっぱり組織球肉腫の進行&増殖か・・?

そして、午後はインターネット工事に来たお兄さんにべったりするちょこ。「アタチを撫でるでしゅ~!アタチは可愛いってよく言われましゅ」。お兄さんも犬と暮らしていて大好きらしく、べったりとしてくれる。良かったね!

玄関にお迎えに行ったり、甘えたり・・。気がつけば長いことまともに食べていないのに、どこからこの元気がでてくるのか・・。好きな人が来ない日orお出かけがない日は、ずっとグッタリしているけどね。やっぱりこの子の「人&お出かけ好きパワー」はものすごい!

ティラとラテと一緒だと、お庭でも本当に数分だけテンション上がることも。「ちょこが決めた寿命を、ちょこらしくまっとうさせてあげたい」という気持ちが強まる。



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食欲を戻すことを優先。薬の調整 day-12

今日は、朝ほんの少しだけアニウェルのハイカロリー缶詰を食べたので、ご褒美にちょこが大好きなバァバの家へ。だけど、やっぱり1/3缶にも満たない量・・。

私的には「あまり体力を消耗させたくない」という気持ちと、「とにかく嬉しい気持ちにさせてあげたい」という気持ちの板挟み。でも結局たどり着くは、命の長さよりQOL。後で後悔するかもしれないけど、笑顔でいて欲しい。

「バァバとお散歩でしゅ~!」。食べていないのに、この元気はどこから来るのだろう。よほどバァバに会うのが嬉しいのか、精神力が相当強いのか。だけど、食欲は戻らない。バァバが色々食べさせようと試みてもダメ・・。

実家でまったりした後に、「お散歩に行くでしゅ!」と玄関前へ。ちょこが実家で玄関前に行くときは、お出かけしたい・お庭でうんち(おしっこ)したい・帰りたいのいずれか。実家のお散歩ルートを歩きだしたので、皆でゆっくりとお散歩することに。

バァバとお話し中のちょこ。ちょこの体調が悪くなってから「ちょこが話してくれたら・・」なんて思うことが多々あるが、要望に関しては意思表示がはっきりしている子なので救われる部分が大きい。

帰宅後に時間をおいて色々な食べ物を試すけど、やっぱりダメ・・。アイスやゼリー、オヤツやウェットフード、人間用の食べ物など色々試したけどダメ・・。香りが違うもの、食感が違うもの、色や形が違うもの、温度が違うもの・・。

昨日は、長年お世話になっている獣医師さんに食欲低下に関して相談しに行き、「今は食欲改善を優先しよう」という結論に。色々相談した結果、12日間飲ませていた『プレビコックス(コキシブ系NSAID)』を中断。

3日前から飲ませている『トラマール(非麻薬性オピオイド鎮痛薬)』も、昨日から一時的に中断することにしました。先生の丁寧な説明と安心できる笑顔で、帰宅してからは何だかホッとして良い意味で気が抜けた。

組織球肉腫によって生じているであろう痛みのケア目的で使用していたけど、副作用の可能性があるので一時的にやめて、食欲が少しでも戻るか数日様子を見ることに。ただし、しっかりとちょこの様子を見ながら。

最近は、2種類の薬を1日1度飲ませていたが、プレビコックスについては胃潰瘍を中心に、食欲低下の原因となりうる副作用が出やすいようなので、一時中断。痛みがあるようなら1日おきにするなど、薬の使い方を変える。

数日前に追加したトラマールについては、呼吸抑制、傾眠、食欲低下などの副作用が考えられるとのことで、これも同じく中断。夜の徘徊行為みたいな落ち着きのなさが急に出たのはこれかな?

この薬は、ちょこが痛みを感じているかの様子を見ながら、必要に応じて頓服として使用することに。ただ、先生とも話していたんだけど痛みがでているかの判断がすごく難しい・・。

言葉を話さないので、本当に些細な変化を見逃さないようにしないと。歩き方が違うだとか、眠っている体制だとか、呼吸の仕方だとか、表情だとか・・。薬をやめたり与える頻度を減らすことで食欲が改善しなければ、次の手段。

補助薬を使用するorステロイド系の『デキサメサゾン』という薬を使用する手もあるそうだけど、依存性があるのでできるだけ最終手段としてとっておきたい・・。でも、もしかすると今が最終手段を使う時なのかもしれない・・。

デキサメサゾンは、炎症の緩和はもちろん、気分を上げたり食欲増進を中心に様々なメリットもあるけど、使用するデメリットについても詳しく教えてもらって帰宅。

ちょこが最後に薬を飲んだのが、月曜日の18:30&21:40。もうすぐプレビコックスをやめて丸2日。夜には全ての薬をやめて丸2日に・・。数日で薬が体から抜けるようだが、明日の昼頃には食欲が戻ると良いな・・。

今日も、心配してメッセンジャーやlineをくれるお友達&信用できる獣医師さんが傍にいることに深く感謝した一日でした。



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抗がん剤断念、食欲と犬の嗜好性 day-7

ちょこの急激な食欲低下や嘔吐など、抗がん剤の副作用の可能性が高いため、獣医師さんと相談して飲むタイプの抗がん剤「エンドキサン」を断念・・。ちょこにとっての大切な1日を副作用でつぶしたくない。

抗がん剤の副作用じゃないかもしれないし、延命に関しても色々考えたが、やはり生き延びる期間の長さを重要視するのでなく、幸せに1日、1時間を生きてほしい・・。たった1度の抗がん剤でしたが、断念することにしました。

そして、今日はちょこが大好きなバァバのお家へ。お嬢の元気の源。案の定テンションが上がって、終始ニコニコ笑顔。途中で身体がだるくなったみたいで横になって休んでいたが、最高に幸せな時間だったね!

昨日の夜、ちょこを山ドライブに連れて行って「夕ご飯少しでも食べれたら、明日バァバのお家に連れて行ってあげる」。なんて話してたら、帰宅後ママのスクランブルエッグを卵1個分ほど食べてくれました。

シュークリーム、パン、チーズ、ウェットフードやドライフード、何種類も試したけど食べなかったのにね。「バァバに会いたいから食べるでしゅ~」。助手席から窓の外に顔を出して風を感じていたちょこ。

しっかりママのお話聞いていたんだね!「アタチの聴覚はすごいでしゅ~」。当日は朝ご飯も拒否して、バァバと一緒でも持参したウェットフードや手作りスクランブルエッグ、チーズなどを口にしない・・。

まさか食べないよね?なんて母と話しながら、実家にあったドライフードを与えたら・・。食べる!1食分には満たなかったけど、久々にガツガツ食べたのを見た。十分十分!少しでも食べてくれればママは嬉しいよ。

これまで、本当に何十種類も色々なご飯を試したが、どれもイマイチ。食べなかった食事の共通点を考えると、匂いが強いということ。ドライフードもウェットフードも、一般的に『嗜好性が高まる』ようなもの。

動物性タンパク質の香りがプンプンするものばかり試していたが、今回ガツガツ食べたのは香りが薄いARTEMISのドライフード。久しぶりにカリカリと音を立てて食べているのを見て、心から感激した。

先入観って本当にダメだね〜。反省・・。香りが強いものが良いとばかり思っていたが、人間が体調悪いときにサッパリしたものが食べたい感覚と同じなのか?理由はなんであれ、本当に良かった!

「アタチは病人じゃないでしゅ!カリカリご飯食べるでしゅ!」。そして、最近入院していた愛犬ボーダーコリーのラテも、昨日の夜退院。色々ありまして・・。いや、一気に色々ありすぎました。

ともあれ、とりあえず家族が揃う夜。皆が笑顔で過ごせた1日に感謝です。3頭のにこにこ笑顔がママの特効薬。色々な不幸が重なるとき、もがいたって良い方向に進まないこともある。どうせなら笑って乗り越えなきゃね!



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抗がん剤の副作用?嘔吐と食欲低下 day-4

昨日の夜、はじめての抗がん剤を飲んだちょこ。朝は、ご飯拒否したと思ったら黄色い液体を大量に吐いてグッタリ・・。抗がん剤の副作用か否かは確実じゃないけど、多分副作用な気が・・。

吐いたので午前中はゆっくりさせて、お昼にダメもとで缶詰と無糖ヨーグルトをあげると、ペロペロ。なんとか小さな缶詰1つとヨーグルトは食べた。良かった!少しずつ太らせて今のうちに体力貯えさせたいと思っていた矢先に、食欲低下・・。

「高山さんでしゅ〜」。午後はお友達の訪問。ちょこが鹿肉で長年お世話になっている「DEER BASE izu しかまる」さん。助かった!組織球肉腫がたくさん肺に転移しているので、肺ジャーキーなどお見舞いを持ってきてくれた!感謝感謝!!

「肺ジャーキーならいただきましゅ」。ちょこ、食べる食べる!こんなに嬉しいことはない。意識が朦朧としていることが多いが、お友達がいるせいかテンションが上がる瞬間が何度も。ちょこのキラキラと輝くオッドアイを見る瞬間が、心から幸せ。

皆でベランダにいたら「アタチもでましゅ」と言って、お庭でおしっこと立派なうんちを。些細なことに喜びが込み上げる。起き上がることもあるが、ほとんどダウンした体勢。「楽しい」とか「嬉しい」とか、+の精神力で何とか動いている感じ。

「頭皮マッサージお願いしましゅ」。気持ち良さそうに少し日向ぼっこ。ちょこは本当にたくさんの人に愛されて、幸せだね〜!本当に恵まれている。

休んでは甘え、休んでは甘える。撫でていないと、テーブルの下から犬パンチをして、もっと撫でろと催促。「こんな可愛いアタチを撫でるでしゅ〜」。パンチする余裕はまだある。

起き上がる元気も時折みせる。ニコニコ笑顔。「嬉しい!楽しい!」のパワーは最強だね!ちょこだけじゃなくママも沈みそうな気持ちを上げてもらい、本当に感謝感謝。今日は少し心細さが出てきたので、心の底から人の温もりを感じた1日でした。

そして高山さんたちが帰ったあとは、なにも受け付けない。食べない・・。副作用で薬が抜ければ改善するのか、はたまた組織球肉腫進行によるものか・・。

今日は、ちょこのマットレスがまた届いた。お嬢は時間帯によって寝場所が変わる。夜長時間寝るときは、この前設置した自分のベッド。

朝方はママのベッドで一緒に寝て、昼間は部屋の角(ままベッドの足元)だから、部屋の角用にセミシングルのマットレス購入。色々調べて、シングルより小さいセミシングルというサイズがあることを初めて知った。子供がいないからこうゆうことは疎い・・。

起きているとき体が辛いなら、せめて寝ているときは快適に眠ってほしい。苦しくて眠れない時間も、少しでも快適に過ごしてほしい。ママも皆もついてるからね!!本当に、お友達の皆さんにはありがとう!がいっぱい。高山さん、遠い中ありがとうございました。



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