ドーベルマンおはぎのパッカーン&光る首輪監修

ドーベルマンおはぎが我が家に来て半年以上が経ち・・。ようやく、本当にようやく、お部屋の至る場所で勝手にパッカーんで寝てくれるようになりました。初めて見たときは感激だった・・。

こちらは、ちょっとパッカーンには程遠いけど。ちなみに、完成形はこちら。愛犬バーニーズマウンテンドッグちょこ。

おはぎがパッカーンをしてくれているときは、熟睡しているとき。起こすのが可哀想で写真がないが・・。ともあれ、室内であれば勝手に好きな場所で寝てくれるようになりました。母的には本当に嬉しい。

昔々、野生で生きていた犬たち・・穴倉を安心できるスペースとして確保していたとかいうけど・・。よくよく考えると、それいつの話?って感じだし(1万5000年以上前だという説もある)。家族の傍にいるときが、一番安心できる。そんな風に感じられる家族でいたい。しかし、この写真はちょっと怖いね(私が)。

さておき、先日長年のお友達の『DEER BASE izu しかまるさん』の所へ遊びに行きました。

おはぎ、お庭では一緒に遊ばないと走ってくれなくなりましたが(恐らく毎日のお庭ランに飽きた)、しかまるさんのランでは大はしゃぎ。勝手に暴走族~。

ニカニカ笑顔たくさんで、私にもニカニカ笑顔伝染。お犬たちの気取らない純粋な笑顔は、プライスレスだねっ。

「試食たくさんもらったでしゅよ~!!また遊びに来るでしゅよ~!!」。

次回は、お犬様用温泉使わせていただきます~。そして、先日監修させていただいた光首輪が販売開始されました~。おはぎ、初デルモ。我が家に来た日の写真を使っていただきました。

実際に夜つけてみると・・。想像以上に明るくてびっくり。点滅にすると可愛い感じになります。破壊王のゴールデンレトリバー(ティラ)も、気にならないらしい。

首輪タイプだから、着けていて違和感がないのかな??そして、おはぎさん・・。イカツイ感じに仕上がりました~。同じものを着けて、こうも変わるのか!!

商品開発をした犬猫工房様とお話をしていて、「夜出くわしたら腰が抜けるかも」と言われて笑ってしまった。確かに、飼い主からしたら可愛い可愛い赤ちゃんだけど・・人様からしたら怖いなぁ!!

これからも、様々な商品開発に携わらせていただけたら幸いです。やっぱりお犬たちと暮らしていると、自分の会社でも色々開発したくなるのだが・・予算がそこまで回らず・・いつかきっと・・。と思って数年が経過。うん、いつかきっと・・。

愛犬たちのブログは【こちら】



記事作成者:  望月 紗貴

『飼い主の意識の向上が愛犬の豊かな生活を導く』を理念とし、BOWWOW Info.情報配信サイトを開設。犬の管理栄養士、救命士、介護士など、ペット関連資格を多数保有。様々な企業のドッグフード開発コンサルタントや原材料・栄養素の配合設計、ペット商品の監修などを行う。

【©BOWWOW Info.】当サイト内のすべての写真と文章の転載は固くお断り致します

犬の手作りご飯|量や配分など〔管理栄養士監修〕

犬を家族の一員として大切にするようになった近年、犬にも「安心・安全で愛情のこもった食事を」と、手作りご飯を作る飼い主さんが増えました。

私もその一人で、愛犬が若くして悪性腫瘍を発症したことから手作りご飯を始め、何年もの間栄養学を勉強しながら、ほぼ毎日手作りご飯を作ってきました。しかし、基本を知らずに犬に手作りご飯を作るのは危険です。

今回は、愛犬に手作りご飯を作りたいと考えている飼い主さんに知っておいてほしい手作りご飯の基本についてご紹介致します。

犬の手作りご飯は危険?

最近ではインターネット上に、犬の手作りご飯初心者の方々のレシピが非常に多く出回っており、偏った栄養バランスを中心に大変危険であると感じております。

おやつ感覚で与える手作りご飯・少量ドライフードにトッピングするための手作りご飯であればそれほど問題ありませんが、愛犬の健康維持・病気の進行制御などを目的として、総合栄養食ドッグフードのように継続して犬に与える目的で作るのであれば、栄養バランスの偏ったレシピを参考にするのは危険です。

せっかく愛犬のために時間をかけて作る手作りご飯ですので、犬の健康に悪影響を及ぼさないよう、手作りご飯の基本について知っておきましょう。

犬の手作りご飯の基本|5大栄養素

犬の体に必要な5大栄養素とは、タンパク質・脂質・炭水化物・ビタミン・ミネラルです。水を含めて6大栄養素と呼ぶこともありますが、ここでは5大栄養素としてご紹介致します。

体の主な構成成分「タンパク質」

タンパク質は犬の体の約20%程度、またはそれ以上の構成成分(人間の場合は約14~19%程度)であるため、犬の体に一番多く必要な栄養素であると考えられます。ご飯で摂取したタンパク質は犬の体内に入って、アミノ酸として消化・吸収されますが、後に体の中で再度動物特有のタンパク質に合成されます。

タンパク質は大きく分けて(※1)動物性タンパク質と(※2)植物性タンパク質の2つに分けられますが、犬の体は動物性タンパク質の消化を得意とするため、消化吸収性の良い動物性タンパク質を主原料として手作りご飯を作るのが基本です。

(※1)動物性タンパク質|肉や魚などに含まれるタンパク質
(※2)植物性タンパク質|米類・トウモロコシ・小麦などの植物に含まれるタンパク質

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犬のエネルギー源となる「脂質」

脂質は、タンパク質や糖質と比較すると、1g換算で2倍以上のエネルギーを補うことのできる栄養素です。

特に、運動量が低下傾向にある老犬や肥満気味の犬などの手作りご飯では食事量の調整が必要ですが、発育中の犬や運動量の多い犬などには積極的に与えたい栄養素です。

また、脂肪は手作りご飯の香りが強まり犬の嗜好性が高まりやすいので、愛犬の食欲低下で悩んでいる飼い主さんは量を調整してみるのも良いでしょう。

犬の体にはそれほど必要ない?「炭水化物」

炭水化物は、糖質と食物繊維で構成されている栄養素で、犬の手作りご飯には不必要だと考える方もいます。専門科によっても炭水化物の必要性に関しては意見が分かれますが、個人的には必要度合いは低いものの、やはり犬の手作りご飯には必要であると考えています。

過剰な炭水化物を与えると犬の消化器官に負担をかけたり太りやすくなるだけでなく、生理学的異常や病気の原因になることがあるため避けなければいけません。しかしながら、アミノ酸(タンパク質)から犬の体に必要なグルコースを作り出すためには最低限の量が必要です。

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欠乏症と過剰症に要注意!「ビタミン」

ビタミンは犬の体の代謝過程や生態機能維持のために必要不可欠な栄養素ですが、種類によって欠乏症・過剰症に十分な注意が必要です。

ビタミンの種類は大きく分けて(※3)水溶性ビタミンと(※4)脂溶性ビタミンの2種類で、水溶性ビタミンは手作りご飯で不足しないよう注意が必要。脂溶性ビタミンに関しては過剰に与えないよう注意が必要です。

(※3)水溶性ビタミン|ビタミンB1・B2・B3・B6・B12・C・パントテン酸・ビオチン・葉酸・コリン 特徴:体に蓄積しにくく多く与えても体外に排出されやすいが、その反面欠乏症に要注意
(※4)脂溶性ビタミン|ビタミンA・D・E・K 特徴:体で蓄積されやすいため、多く与えると過剰症になりやすいので要注意

犬に必要な「主要ミネラル」と「微量ミネラル」

ミネラルは40種類ありますが、犬の体に必要不可欠なミネラルは(※5)主要ミネラル7種類と(※6)微量ミネラル11種類です。ミネラルは種類によって体への働きが異なり、体の組織・体液・器官などの構成要素となるものが数多くあるので、バランスよく手作りご飯に取り入れる必要があります。

なお、犬の手作りご飯においてはビタミンとミネラル類のバランスが崩れやすいので、極力トッピングご飯にすることをおすすめします。

(※5)犬に必要不可欠な主要ミネラル|カルシウム・マグネシウム・リン・カリウム・ナトリウム・イオウ・塩素 
(※6)犬に必要不可欠な微量ミネラル|鉄・亜鉛・銅・ヨウ素・セレン・ホウ素・フッ素・クロム・コバルト・モリブデン・マンガン

手作りご飯の基本|量

計算式を活用して目安量を計算する

犬の手作りご飯を作るとき、ご飯の量に迷うことはありませんか?

初めは大抵の方が迷いますが、量に関しては犬によっての個体差が大きいので計算式によって目安量を計算して、愛犬の様子を定期的に見ながら調整していきます。手作りご飯の目安量を計算する場合は、1日にその犬に必要なエネルギー量を計算します。

面倒な手順ではありますが、1度計算してしまえば運動量や年齢を中心に犬に変化がない限りは再度計算する必要がないので、是非計算してみてください。インターネット上に愛犬の情報(年齢や体重、運動量など)を入力して自動計算できるシステムもあるようですので、活用するのも良いでしょう。

犬の手作りご飯の量の計算方法

手作りご飯の目安量を計算する場合は、①犬の安静時のエネルギー量を計算して、②1日に必要なエネルギー量を計算します。

①犬の安静時のエネルギー量を計算
計算式|愛犬の体重 x 体重 x 体重=√√ x 70

10kgの犬(例)|10 x 10 x 10=√√ x 70 =393.63(安静時のエネルギー量= 394)

②1日に必要なエネルギー要求量を計算
計算式|①の結果 x 係数(下記)

10kgの去勢・避妊手術をしている犬(例)|394 x (係数)1.6 = 630.4(1日に必要なエネルギー要求量= 630.4)

< 係数 >
   子犬|年齢4か月前3.0 
   子犬|5~9か月程度2.0 
   成犬|未去勢・未避妊1.8 
   成犬|去勢・避妊済1.6 
   老犬|運動量が低下傾向1.4 
   老犬|成犬時と比較して運動量が変わらない1.6 
   体重が多い犬|肥満気味1.4 
   体重が多い犬|確実な肥満1.0 
   全年齢|運動量が多い4.0 
   全年齢・スポーツドッグなど|運動量が非常に多い5.0~7.0

手作りご飯を与え始めたら、定期的にBCSを確認

手作りご飯に切り替えたら、愛犬の(※7)BCSを定期的に確認することをおすすめします。

(※7)BCS=Body Condition Score|犬の体を見る・触ることで判断する肥満度の基準。通常は5段階評価

私の場合は、愛犬に手作りご飯を与えているときはBCS確認はもちろんですが、動物病院、または往診で体重測定と定期的な血液検査も行っていました。手作りご飯を与える場合は、獣医師に健康状態を確認してもらいながら食事内容を考えることが大切です。

BCSの確認方法

BCS 1(痩せ)|肋骨や背骨、腰骨が見てすぐ確認でき、犬を横から見たときに前肢から後肢に向かって胸部~腹部が極端に上がっている状態。触ったときに肋骨周辺の皮下脂肪が確認できないくらい痩せている。

BCS 2(やや痩せ)|犬を上から見たときに極端に腰のくびれが目立つが、肋骨や背骨、腰骨は見ただけでは極端に出ていない状態。犬を横から見たときに前肢から後ろ肢に向かって胸部~腹部が明らかに上がっている状態で、肋骨が触ってすぐに確認できる。

BCS 3(理想的)|犬を上から見たとき、やや腰のくびれが確認でき、横から見たときに前肢から後ろ肢に向かって胸部~腹部が少し上がっている状態で、触って肋骨がある程度確認できるが皮下脂肪も確認できる。

BCS 4(やや肥満)|犬を上から見たとき、腰のくびれが目立たず、横から見たときに前肢から後ろ肢に向かって胸部~腹部が微妙に上がっている状態で、しっかりと触れば多少は肋骨が確認できる。

BCS 5(肥満)|犬を上から見たとき、腰のくびれが確認できず、横から見たときに前肢から後ろ肢に向かって胸部~腹部がつりあがっていない(平坦、または胸部より腹部が下がっている)状態で、しっかりと触れても肋骨が確認できない。

手作りご飯の基本|配分

犬の手作りご飯の配分目安は、以下を確認してください。なお、手作りご飯の配分に関しては専門家などによって大きく見解が異なります。配分を考えるときに何より大切なことは、犬の年齢や健康状態に合わせて調整したり、便の状態を見ながら調整することです。

見た目の分量で考える場合|
肉(1):野菜(1):炭水化物(0.3~0.5)

肉に関しては、肉の種類別の脂質の含有量に注意が必要。脂質の多すぎる肉を常用せずに鹿肉や馬肉などを取り入れるなど、様々な食材を使用することをおすすめします。

野菜に関しては、インターネット上のレシピを見ていると人参やトマトをたくさん使用しているものを見かけますが、先述の通り脂溶性ビタミン(A・D・E・K)の過剰摂取に注意し、様々な種類の野菜を取り入れましょう。

基本的には動物性タンパク質を主原料とし、様々な野菜をバランスよく摂取できる配分が理想です。野菜は水分量が多いため、見た目の配分では「肉(1):野菜(1)」となっていますが、犬の手作りご飯は、肉(時々魚類)を主体として、野菜は種類を豊富に使用しましょう。

ちなみに私の場合、1日2食で1食の緑黄色野菜が3種類以上、淡色野菜が2種類前後、キノコ類1種類、その他の野菜を配分目安として作っていました。緑黄色野菜は必ず入れるようにして、淡色野菜やキノコ類なども取り入れると良いでしょう。

AAFCO基準と手作りご飯を比較してみよう!

時間がかかり非常に計算が複雑なため毎食分比較する必要はありませんが、しっかりと愛犬の健康について考えて手作りご飯を作りたい飼い主さんは、一度AAFCO基準と自分が作った手作りご飯の栄養素を比較してみると良いでしょう。

私自身も、実は愛犬の手作りご飯は数える程度(配合設計の仕事を除いて)しか分析したことはありませんが、自分では気づきにくいものの、様々な食材を使用しているつもりであっても人によって頻繁に使用する食材や手作りご飯の特徴などがあり、AAFCO基準と比較すると自分の作った手作りご飯の栄養バランスの乱れがよく分かります。

特にビタミン&ミネラル類に関しては、手作りご飯でバランスを整えるのが非常に難しいため、手作りご飯を犬に与える場合はトッピングご飯がおすすめです。

(※8)AAFCO=米国飼料検査官協会|ペットフードの栄養基準・ラベル表示などについての基準を定めているアメリカの団体で、日本国内の「総合栄養食」表記があるドッグフードに関してもこの基準に従っている

比較する方法は、食材のグラム数を測り、文部科学省の食品成分データベースで食材に含まれる成分をエクセルなどに記録します。

(※9)食品成分データベース(文部科学省)|https://fooddb.mext.go.jp/

その数値をAAFCOの栄養基準と比較する(乾物量基準ではなく、エネルギー当たりの表を参考にすると分かりやすい)ことで、自分の作った手作りご飯を分析します。AAFCOの栄養基準に関しては、以下をご確認ください。

犬の手作りご飯の基本を知ろう!


犬の手作りご飯の基礎について簡単にご紹介致しましたが、手作りご飯の基本を勉強した上で作れば、手作りご飯は愛犬の健康維持に役立ちます。

私の場合、愛犬の悪性腫瘍発症を機に手作りご飯を始め、血管肉腫は抗がん剤なしで完治(摘出手術のみ実施)。悪性度が非常に高いといわれている組織球肉腫が1年9ヶ月抗がん剤なしで転移せずに済みました。

愛犬の生命力や運も関わっていたかとは思いますが、組織球肉腫については摘出手術後に抗がん剤治療を行っても半年以内に転移する確率の高い悪性腫瘍ですので、食が良い方向に影響してくれたのでは?と思っています。

その他、手作りご飯に切り替えてから子犬期から悩んでいた頻繁な下痢体質も改善されるなど、「食」がもつ可能性というものは想像以上だと感じております。ただし、栄養バランスが崩れないよう、「基本的なことを勉強したうえで手作りご飯を作る」ということが大前提ですので、愛犬の健康のために最低限の手作りご飯の基本は知っておきましょう。

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記事作成者:  望月 紗貴

犬たちの幸せ(=飼い主の意識の向上)を目的とし、BOWWOW Info.情報配信サイトを開設。犬の管理栄養士、救命士、介護士など、多数資格を保有。様々な企業のドッグフード開発コンサルティングや配合設計などを行う。

©️犬の情報配信サービス BOWWOW Info.


犬の散歩時の引っ張り癖を直す!6つの方法

目次:
1、引っ張り癖を直す方法は犬によって異なる
2、引っ張り癖を直す方法 ① 色々な場所に連れていく
3、引っ張り癖を直す方法 ② 上下関係を明確にする
4、引っ張り癖を直す方法 ③ 十分な運動をさせる
5、引っ張り癖を直す方法 ④ 飼い主がリラックスする
6、引っ張る犬の基本的なトレーニング方法 ⑤ ~ ⑥
7、トレーニングは、根気よく続けよう!

犬の散歩時の引っ張り癖で悩んでいる飼い主さんは、非常に多いかと思います。特に大型犬は力も強くコントロールが大変で、力のない方だと怪我をする原因にもなり得ます。

私も、これまで愛犬バーニーズマウンテンドッグやゴールデンレトリバーの引っ張り癖トレーニングを行った経験があり、最近家族として迎え入れた子犬(ドーベルマン)と一緒にトレーニングを行っております。

今回は、犬の散歩時の引っ張り癖を直すための様々な方法についてご紹介致します。

1、引っ張り癖を直す方法は犬によって異なる

一言で引っ張る犬といっても、年齢や引っ張る理由などは様々です。好奇心が旺盛で引っ張る犬もいますし、車や自転車を追いかけようとする犬もいる。私の愛犬ドーベルマンのように社会化期(生後1ヶ月~4ヶ月程度)に十分な社会化ができていなかったような犬もいます。

このように引っ張る原因や状況は様々で、その犬に合った対処方法も異なります。そこで今回は、私が実践して成功してきた方法や基本的な引っ張り癖を直す方法など、いくつかの方法をご紹介させていただきます。愛犬に合っていると思う方法でお試しください。


2、引っ張り癖を直す方法 ① 色々な場所で社会化をする

<社会化不足が原因の場合>

この方法は、愛犬ドーベルマンに行っている方法で、まだ完全ではないものの1カ月程度でだいぶ引っ張り癖が改善されています。

彼の場合は、前の飼い主さんに捨てられてしまった経緯から、様子を見ていると社会化が足りなかった様子。

来たばかりの頃は鳥の声にも敏感に反応するし、人が多い場所では興奮状態で少しパニックに陥っているような仕草も見せました。

違う環境に行くと、緊張や興奮で大量のフケがでましたが、色々な場所に連れていき適応させることで引っ張りがだいぶ改善されています。

また、ドーベルマンという犬種上、社会化不足だったことから急な社会化経験で精神的に参ってしまったか、下痢や少量の血便をするときも。そんなときは、無理をさせず2日程度は近所の散歩で様子を見て、再び社会化の機会を設けています。


基本的には人や犬が多い場所に連れていきますが、ストレスを最小限におさえるため、様子を見ながら短時間での外出に調整。短時間であっても、定期的に継続することが何より大切です。

この社会化をさせながら、基本的な引っ張り癖を直す方法(6)を行うことで大抵の場合は改善します。


3、引っ張り癖を直す方法 ② 上下関係を明確にする

<犬が主導権を握っていることが原因の場合>

この方法は、愛犬バーニーズマウンテンドッグが子犬だった頃に実施した方法で、私が初めての愛犬で甘やかしすぎてしまったせいで、引っ張り癖が悪化していた時の対処方法です。

甘やかすことが悪いことではなく、私自身も自分の娘として接していたため、相当甘やかしてしまいました。しかし、「良いこと」と「ダメなこと」の境界線を飼い主自身が明確にすることが、上下関係の構築には大切です。

ドッグトレーナーによっては、同じベッドで寝るなと言う人もいますが、私の経験上しっかりとした上下関係を築けていれば同じベッドで寝ようが寝まいが、そんなことは関係ありません。現に私も愛犬たちと同じベッドで寝ていますが、それによって上下関係が乱れることはありません。

犬の問題行動とは、そもそも人と生活する上で問題となる行動(人間基準で問題となること)であるため、上下関係構築のためには、まず家庭内でルールを明確にして家族全員が同じルールで愛犬に接することが大切です。

<我が家のルールの一例>
・外にでるときは、自宅の扉の前で指示するまで待たなければいけない →事故防止のため
・遊びだとしても、人に歯を当ててはいけない →噛みつき癖防止のため
・人に飛びついてはいけない →転倒・事故防止のため


このように、家庭のルールを守らせることで上下関係を構築して、引っ張り癖を直すのに役立てます。ただ厳しくするのではなく、愛情をかけて甘やかしながらも飼い主自身が「ダメ」なことを明確にして、肝心なときにだけ叱るメリハリのあるしつけ方法が、犬との効率の良い上下関係構築に役立ちます。

飼い主と犬の適切な関係性構築を行った上で、基本的な引っ張り癖を直す方法(6)を行うことで引っ張り癖改善トレーニングを行います。


4、引っ張り癖を直す方法 ③ 十分な運動をさせる

<ストレスが原因の場合>

私がドッグトレーナーとして働いていたとき、引っ張り癖のある犬の多くが、日頃の運動不足によるストレスが原因でした。私の場合、愛犬ドーベルマンに関しては運動量が非常に多いため、庭で十分走らせた後に散歩、またはジョギングに出掛けています。

適度に有り余ったパワーを発散させることも、引っ張り癖改善には大切です。しかし、これは日頃の運動不足によって引っ張り癖が生じている犬、または極端に運動量を多く必要とする犬(または犬種)に限った方法です。

このように犬の身体にかかっているストレス対策を行った上で、基本的な引っ張り癖を直す方法(6)を行うことで、引っ張り癖が改善されるか様子を見ます。なお、犬のストレス要因は運動不足だけでないため、詳しくは【犬のストレス原因は?気をつけてあげたいこと】をご確認ください。


5、引っ張り癖を直す方法 ④ 飼い主がリラックスする

<飼い主が原因の場合>

犬は飼い主の心理状況を読み取り、飼い主がリラックスしていないと犬もリラックスして散歩ができません。例えば、犬が引っ張ろうとしたとき、飼い主は焦りや苛立ちを感じることがありますが、実は犬が引っ張る原因が飼い主の心理的なことが原因になっていることがあります。

ゴールデンレトリバーの引っ張り癖で悩んだ際、過去に一度だけポーランドのトレーナーさんに来てもらい、一日トレーニングを受けた経験がありますが、愛犬のトレーニングというより飼い主である私のトレーニングでした。


「肩の力を抜いてリラックスして散歩を楽しんで」と、散歩中に何度も言われたものです。それに加えて、愛犬が引っ張った際、飼い主がリードを引くタイミングが重要だということで、「歩くの速いよ」と犬に伝えるタイミングを逃さずに瞬時にリードを引く練習を実施。

愛犬に関しては、教わった方法を毎日繰り返し、1ヵ月も経たないうちに引っ張り癖が改善。自らアイコンタクトをして私のペースに合わせて歩くようになりました。犬の引っ張り癖は、飼い主の心理的状況が原因になっていることもあるんですね。

その他、飼い主のペースに合わせて歩いたり、歩きながらアイコンタクトができた場合、褒めてあげることも大切です。


6、引っ張る犬の基本的トレーニング方法 ⑤ ~ ⑥

6-1、犬が引っ張る都度止まる(好奇心が旺盛な犬)

好奇心が旺盛な犬の場合は、何より散歩の途中途中で犬を落ち着かせることが重要です。犬が引っ張ったタイミングで、「リードを引っ張るとこれ以上進めない」ということを犬に認識させます。

具体的には、犬がリードを引っ張ったタイミングでお座りや待て、伏せなどのコマンドを使って、犬が落ち着くまで歩かせません。停止することが多いため、30分程度で終わる散歩でも1時間以上かかることがあるので、時間に余裕をもってトレーニングを行う必要があります。

6-2、方向転換をする(自分に主導権があると認識している犬)

散歩をするときの主導権が自分にあると認識している犬の場合、日頃から「主導権は飼い主にある」ということを認識させる必要があります。

これは単に厳しくするというわけではなく、食事の前に待てをさせたり、外にでるときに飼い主の指示で出るようにさせるなど、日常生活の中で人間の子供に教えるような感覚で指示することで、飼い主がリーダー的な存在になることを意味します。

そのような主従関係の構築を行うと同時に、散歩で引っ張った際、わざと犬が進もうとしている方向とは逆の方向に向きを変えて歩き、散歩の主導権は飼い主にあるということを教えます。


引っ張り癖改善トレーニングには根気が必要!

犬の引っ張り癖を直すためには、何より日頃から犬との適切な関係を構築しておく必要があります。怖がりの犬であれば「飼い主と一緒にいれば安心」と犬が感じるような関係性を構築したり、上下関係が逆になっている犬であれば日頃から人間の子供に注意するような方法で、指示を出すことで主導権を明確にします。


犬の引っ張り癖は、成犬の場合は改善するまでに特に時間がかかりますが、毎日根気よく繰り返すことが一番の近道です。愛犬と適切な関係が築けているか、飼い主の心理的要因で犬が引っ張っていないかなど、今一度見直してみると良いでしょう。



記事作成者:  望月 紗貴

犬たちの幸せ(=飼い主の意識の向上)を目的とし情報提供サイトを開設。犬の管理栄養士や救命士、トレーニングアドバイザー、介護士資格など多数保有。他社の記事監修・作成も請け負う。

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しっかり運動!ドーベルマンおはぎの朝のお出かけ

今日のドーベルマンおはぎの朝散歩は、近場の運動公園。今は亡き愛犬バーニーズマウンテンドッグ「ちょこ」と毎朝のように通った公園。幸せな思い出がたくさん溢れる素敵な場所。ちなみに早々に仕事にいかなければならないパパは、ティラ&ラテとお山散歩へ。

「到着でしゅ~!!素敵な場所でしゅ!!」。色々なものに興味津々だけど、昨日に引き続き、通りすがりの人に吠えずお利口。人含め動くものには反応するけど、「おはようでしゅ~」程度でチラッと見るだけなので、知らない場所で知らない人や犬に会うことには慣れてくれたみたい。安心安心・・。


ママは途中、リアルゴールドでウルトラチャージ。「僕はどうせもらえないでしゅ。お水で我慢しましゅ」。少し水分補給をしてから、再度お散歩。ドーベルマンの運動量、一日1時間 x 2が目安になっているようだが、本当それぞれの犬の個体差が大きいので当てにはならん・・。

おはぎの場合は今のところ↓。がっつり運動する時間だけで換算すると1日3時間程度。3時間程度運動すると、ようやく静かに寝てくれる。ちょこちょこ気分転換でお庭で遊ぶ時間があったり、お出かけする時間があるので、「運動量=何時間」と計算することはできないけど、その他は爆睡しているのでメリハリがある生活になってるかな・・。

  • 朝:庭ランで自由に走らせる&トレーニング(30分程度)+散歩(1時間程度)
    →ジョギングの場合は40分程度(ただし、ママの体力がもたないので途中散歩あり)
  • 昼:(お出かけがなければ)庭ランで自由に走らせる&トレーニング(30分程度)
  • 夜:庭ランで自由に走らせる&トレーニング(30分程度)+散歩(30分程度)

「ゴロゴロする前に・・洋服と首輪外させてください・・」。体は大きいといえど、まだまだ子犬。我が子14日目なので、しっかりと体を休めることを第一に考えて、運動量は、おはぎの様子を見ながら日々調整していこうね!!


【ドーベルマンおはぎブログ】

※犬のしつけ方法や飼い方は、飼い主の考え方や犬の性格、家庭環境、これまで犬が育った環境や、先天的(遺伝子的)なものなど、様々な要因により異なります。ご了承のほどお願い致します。

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ドーベルマンおはぎの社会化。緊張で大量のフケ

我が子2日目のドーベルマンおはぎ。呑気にお庭でボール遊びをしていますが・・、今日はおはぎの社会化の日。体は大きくてもまだまだ子犬。おはぎの過去については詳しく分からないが、朝の近所散歩でも引っ張りが目立ったので、恐らくお散歩はしてもらっていなかったかな?

わーい!ボール遊びでしゅ!まだ我が家2日目なので、朝はゆっくりと庭散策をさせて自由時間をたくさんとる。とりあえず環境に慣れてほしいので、ダメなことはしっかりと叱るけど、基本的には我が家に慣らすこと&しっかり休むことが最優先事項。ゆっくり臭いをかいで、愛犬ゴールデンレトリバーとボーダーコリーの存在も教えたい。

そして、十分休ませた後に公園で短時間の社会化。本当はお犬用カートがあるホームセンターで社会化させたかったけど、「車に乗る=捨てられる」というトラウマがすごいせいか(あくまで推測)、びっくりするほど悲しい声でわめくので急遽近場の公園に変更。

ジョギングしている人や犬が多く、一瞬でバーーーっとフケがでる。私もフケが生じる心理的原因に関しては知っていたが、実際に目にしたのは初めて。本当に一瞬で大量のフケが出たので、さすがに驚いた。おはぎの場合は、極度の緊張と興奮が混ざり合って新陳代謝が乱れているように感じた。ドーベルマンは、基本警戒心が強く神経質だと聞いたことがあるけど、おはぎの場合は経験が少ないせいか?余計にそうなのかもね・・。

だからこそ、たくさん色々な場所を散歩して慣らそう!と考える人もいるが、考え方は人によって様々。昨日我が家に来たばかりなので、今日は10分程度で社会化終了。少しずつ少しずつ慣らそうかと・・。飼い主が焦ったら、おはぎも余計混乱するからね。ゆっくりゆっくり、長期スパンで考えて、毎日少しずつ社会化していこうね!お家では、パパにベッタリなおはぎでした。



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赤い糸で繋がれていたのは・・まさかのドーベルマン

ドーベルマンおはぎとの出会いは、愛犬のバーニーズマウンテンドッグが天使になって7か月弱経過した頃。ペットロスで一気に落ち込んだ時期を少し乗り越え始め、新しくもう一頭家族が欲しいと思ったり、色々な感情が芽生え始めていた矢先のこと。自分から新たに犬を探す気にはなれなかったが、きっとまた赤い糸で繋がれた犬がパッと目の前に現れたりするだろう、気長に待とう・・なんて思っていた矢先のこと。

友人からの相談で、色々な経緯で里親を探しているドーベルマンがいるという話を聞いた。写真を見てすぐにビビっと何かを感じた気もするけど、まさかのドーベルマン・・。正直なところ、ドーベルマンに関する知識なんて全くないし、怖いというイメージが強かった。7ヵ月で子犬と言えど、過去を完全に把握できない彼と過ごすには多少の不安が・・。

なんて思いながらも、相談をいただいた翌日に自宅で面会。結局写真を見て感じたビビっとがとても強くなったので、そのまま里親にならせていただくことに。面会に立ち会ってくれた友人のバーニーズマウンテンドッグたちに追いかけまわされて逃げるものの、遊んでもらって時々すごく嬉しそうな顔をするドーベルマン。

そんな姿を見て、もっとこの子の幸せな顔が見たい!と感じた。というより、お互いに幸せにし合えるのでは?と感じた。そしてこの日、正式に我が子に。パートナーにことごとく「おはぎ」という名前を反対されたものの、結局はおはぎという名前に。まさかの育児再スタート、生涯幸せにするためにはお互いが快適に過ごせるよう、共に勉強しながら愛情を分け合っていくことが何より大切なんだと思う。



【ドーベルマンおはぎブログ】 
【バーニーズマウンテンドッグ、ゴールデンレトリバー、ボーダーコリーブログ】
【バーニーズマウンテンドッグ闘病生活ブログ】
【バーニーズマウンテンドッグペットロスブログ】

※犬のしつけ方法や飼い方は、飼い主の考え方や犬の性格、家庭環境、これまで犬が育った環境や、先天的(遺伝子的)なものなど、様々な要因により異なります。ご了承のほどお願い致します。

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食物アレルギー 低アレルゲンドッグフードの選び方

近年、犬や猫の食物アレルギーが増え、ドッグフードを中心に愛犬の食事に悩む飼い主さんも増えました。今回は、アレルギー体質の犬のドッグフード選びに役立つ内容を紹介致します。

なお、犬がアレルギーになりやすい食べ物(犬のアレルゲンになりやすい食材)やアレルギー検査方法、食事管理の基本に関しては、事前に【犬の食物アレルギーと食事管理】をご確認ください。

低アレルゲンドッグフードの選び方

まずは、低アレルゲンドッグフードの選び方の基本について説明します。食物アレルギーの可能性がある場合は必ず獣医師に相談し、適切な検査を受けさせましょう。

ドッグフードの選び方 ポイント① 

✔ アレルギー検査で反応があった原料が含まれていないドッグフードを選ぶ

抗体(IgE)測定検査とリンパ球測定検査でアレルゲンが特定された場合、対象となるアレルゲンが含まれていないドッグフードを選びましょう。

ドッグフードの選び方 ポイント②

✔ 合成添加物が含まれていないドッグフードを選ぶ

現段階では犬における食品添加物アレルギーに関しては知見が乏しいとされていますが、犬の食物アレルギーがドッグフードに含まれる添加物に関与しているという多くの総説があります。

アレルギーに関わらず、合成添加物は長期継続摂取させることで犬の健康に被害を及ぼす可能性があるため、可能な限り無添加、または天然添加物のみ使用したドッグフードを選ぶと良いでしょう。

ドッグフードの選び方 ポイント③

免疫力強化に役立つドッグフードを選ぶ

食物アレルギーは免疫に大きく関与しているため、犬の免疫力を強化するための食事管理にも配慮した上でドッグフードを選ぶと良いでしょう。

免疫力を高めるためには腸内環境の健康維持に役立つドッグフードを選び、必要に応じてサプリメントを活用。免疫力を高めるための食事管理方法に関しては【軟便や下痢になりやすい犬の食事】で詳しく紹介しています。

ドッグフードの選び方 ポイント④

犬のアレルゲンになりやすい食べ物を避けてドッグフードを選ぶ

犬においては、牛肉、大豆、鶏肉、牛乳などにアレルギー反応を示すことが多いと考えられていますが、アレルギー検査でアレルゲンが特定されなかった場合や症状が緩和されない場合、犬全般においてアレルゲンになりやすいと考えられている食べ物を避けてドッグフードを選ぶと良いでしょう。

※アレルゲンになりやすい食べ物
牛肉、牛乳、鶏肉、豚肉、卵、小麦、米、オートミール、トウモロコシ、大豆、いんげん豆など

ドッグフードの選び方 ポイント⑤

状況に応じて、新奇たんぱく質か加水分解たんぱく質を選択する

アレルゲンが特定されている場合 ⇒ 新奇たんぱく質

過去に「長期間犬の体に摂取されてきたたんぱく質」がアレルゲンとして認識されやすいという考え方を前提に、過去に摂取したことのない(または摂取した回数が少ない)たんぱく質源(=新奇たんぱく質)を使用することで、アレルギー症状が引き起こされにくくなると考えられます。

そのため、アレルゲンが特定されている場合は、対象となるアレルゲン原料を使用していないドッグフードを選ぶことはもちろん、ラム肉やダック肉、サーモンなど今まで犬が食べる機会の少なかったたんぱく質を原料としたドッグフードを選んだ上でアレルギー症状が改善されるか確認すると良いでしょう。

アレルゲンが特定されていない場合 ⇒ 加水分解たんぱく質

アレルギー検査でアレルゲンが特定されなかった場合は、一般的に加水分解たんぱく質を使用したドッグフードを試すと良いとされています。

加水分解たんぱく質とは、たんぱく質を酵素などを利用して分解処理したもので、たんぱく質の分子が小さくされることでアレルギー反応を引き起こしにくくすることが目的です。

例えば、牛肉にアレルギー反応を示す犬であっても、加水分解された牛肉に対してはアレルギー反応を示さないと考えられていますが、加水分解たんぱく質の効果に関しては様々な説があり、専門家によって大きく見解が異なります。

現状、加水分解たんぱく質の安全性についても不明確な点が多いのが問題点として挙げられますので、どうしてもアレルゲンが特定されず症状が緩和されない場合には獣医師に相談して一時的に加水分解たんぱく質を使用したドッグフードを試してみると良いでしょう。

低アレルゲンドッグフード

ここでは、市場に出回っている低アレルゲンドッグフードの特徴や原料を紹介します。犬によってアレルゲンは異なりますので、原材料をしっかりと確認してアレルゲン除去食を選びましょう。

なお、アレルゲン除去食(療法食)に関しては、大抵はアレルギー検査時に動物病院で獣医師が処方してくれます。

プロフェッショナルバランス「アレルゲンケア」


対象:
1才以上の成犬(同じシリーズに「11才以上の犬用」と「ダイエット犬用」あり)
特徴:
多数のたんぱく質源を使用せず、魚(サーモンなど)と米にたんぱく質源を特定したドッグフード。その他、皮膚の健康維持に有効とされるオメガ3脂肪酸を配合。ミネラルやアミノ酸バランスに配慮されているため、尿路結石が発生しやすい犬の健康維持も期待できるドッグフード
原材料:
コーンスターチ、加水分解チキン、植物性油脂、セルロース、動物性油脂、ミネラル類(カルシウム、リン、ナトリウム、カリウム、クロライド、マグネシウム、銅、鉄、マンガン、亜鉛、ヨウ素)、乳酸、ビタミン類(B1、B2、B6、B12、C、D3、E、ベータカロテン、ナイアシン、パントテン酸、葉酸、ビオチン、コリン)、アミノ酸類(タウリン、トリプトファン、メチオニン)、酸化防止剤(ミックストコフェロール、ローズマリー抽出物、緑茶抽出物)

✔ プロフェッショナルバランス「アレルゲンケア」評価:特に有害となりうる化学合成添加物は含まれていないようだが、「~エキス」や「~パウダー」など、原料の不明確性が気になる。原材料の品質の良さは期待できないものの、犬のアレルギーに配慮したドッグフードの中では価格が安いのがメリット。


VetSolution 犬用 「皮膚サポート」


特徴:
加水分解サーモンを主要たんぱく源としたアレルギーが生じにくいドッグフード。グレインフリーのため穀物アレルギーの犬に安心して与えることができ、消化器官に負担がかかりにくいのが特徴。
その他、キシロオリゴ糖が含まれているため、腸内フローラの改善を中心に胃腸ケアが期待でき免疫力強化にも有効であると考えられる。アレルギーによって生じやすい皮膚疾患にも配慮されているのがポイント。

原材料:
タピオカ、加水分解サーモン、動物性油脂、ミネラルソルト(リン酸二カルシウム、炭酸カルシウム、塩化カリウム、塩化ナトリウム)、リグノセルロース、加水分解肉類(豚および家禽)、ビートパルプ、フラクトオリゴ糖、ビール酵母(β-グルカン)、DL-メチオニン、ベントナイト、脂肪酸(モノグリセリド、ジグリセリド、トリグリセリド)、ビタミン類(A、E、D3、B1、B2、B3、B5、B6、B9、B12)、塩化コリン、酸化防止剤(没食子酸プロピル、トコフェロール、ローズマリー抽出液&パルミチン酸アスコルビル)、ミネラル類(Zn、Fe、Cu、I)、L-カルニチン、乳酸菌(ラクトバチルス・アシドフィルス菌)、コンドロイチン硫酸

✔ VetSolution 犬用 「皮膚サポート」評価:総合栄養食基準を満たす療法食で、低炭水化物であるのが個人的に評価が高いが、炭水化物源としてタピオカを主に使用しているのが気になる。アレルギーに関しては、加水分解タンパク質を使用しているだけでなく、免疫力強化が期待できる腸内環境の健康に配慮されている点で評価が高い。


ヒルズ 犬用 z/d ultra 食物アレルギー&皮膚ケアドライ


特徴:
犬が消化しやすくアレルギー症状が引き起こされにくいとされる「加水分解たんぱく質」や単一炭水化物が使用されたドッグフード。
その他、オメガ3脂肪酸・オメガ6脂肪酸が配合されている。療法食のため、獣医師に相談の上与える必要がある。

原材料:
コーンスターチ、加水分解チキン、植物性油脂、セルロース、動物性油脂、ミネラル類(カルシウム、リン、ナトリウム、カリウム、クロライド、マグネシウム、銅、鉄、マンガン、亜鉛、ヨウ素)、乳酸、ビタミン類(B1、B2、B6、B12、C、D3、E、ベータカロテン、ナイアシン、パントテン酸、葉酸、ビオチン、コリン)、アミノ酸類(タウリン、トリプトファン、メチオニン)、酸化防止剤(ミックストコフェロール、ローズマリー抽出物、緑茶抽出物)

✔ ヒルズ 犬用 z/d ultra 食物アレルギー&皮膚ケアドライ 評価:特に有害となりうる化学合成添加物は含まれておらず、多くの獣医師や栄養学専門家が開発に関与している優れたドッグフード。個人的にはたんぱく質量が少なく感じるが、動物病院でも処方されることがあるため、食物アレルギーに配慮したドッグフードの中では非常に安全性が高いと考えられる。


ロイヤルカナン「Vets Plan セレクトスキンケア」


特徴:
胃腸ケアや皮膚の健康維持に配慮された療法食で、七面鳥や米、加水分解動物性たんぱく質を原料としているためアレルギー原因になりにくいドッグフード。療法食のため、獣医師に相談の上与える必要がある。
原材料:
米、七面鳥、加水分解動物性タンパク、動物性油脂、大豆油、ビートパルプ、ミネラル類(K、Cl、Zn、Mn、Fe、Cu、I、Se)、ビタミン類(A、コリン、D3、E、C、パントテン酸カルシウム、ナイアシン、B6、B1、B2、ビオチン、葉酸、B12)、保存料(ソルビン酸カリウム)、酸化防止剤(BHA、没食子酸プロピル)

✔ ロイヤルカナン「Vets Plan セレクトスキンケア」評価:保存料・合成酸化防止剤が使われており、動物性たんぱく質ではなく米が主原料になっているのが個人的には気になる。犬のアレルギーに配慮したドッグフードの中では価格が安いのがメリット。


INUMESHI 「フィースト ラム&ライス」


対象:
1才以上の成犬~老犬(全犬種対象だが、同じシリーズで大型犬用もあり)
特徴:
一般的に犬のアレルゲンになりにくいと考えられているラム肉を豊富に使用しているのが特徴。素材にこだわっており小麦不使用で作られている。
原材料:
ラム肉、米、大麦、オート麦、醸造用イースト、ポールトリーファット、ビートパルプ、ラムダイジェスト、ミネラル、ビタミン、ユッカシジゲラエキス

✔ INUMESHI 「フィースト ラム&ライス」評価:アレルギー療法食ではないが、ラム肉や素材の品質に配慮されているのがポイントが高い。個人的には総合栄養食表記が見当たらないのが気になる。

今回は、食物アレルギーがある犬の低アレルゲンドッグフードの選び方を中心にご紹介致しましたが、食物アレルギーが疑われる場合はまずは獣医師に相談して適切な検査を受けさせましょう。

食物アレルギー検査を中心に、食物アレルギーにおける食事管理に関しては、別途【犬の食物アレルギーと食事管理】をご確認ください。


記事作成者:  望月 紗貴

犬たちの幸せ(=飼い主の意識の向上)を目的とし、BOWWOW Info.情報配信サイトを開設。犬の管理栄養士、救命士、介護士など、多数資格を保有。様々な企業のドッグフード開発コンサルティングや配合設計などを行う。

©️犬の情報配信サービス BOWWOW Info.

犬の食物アレルギーと食事管理〔管理栄養士解説〕

近年、犬や猫の食物アレルギーが増え、ドッグフードを中心に犬の食事に悩む飼い主さんも増えました。今回は、犬の食物アレルギーやドッグフードを選ぶときに欠かせないアレルギー検査について紹介致します。

その他、食物アレルギーにおける低アレルゲンドッグフードの選び方については、【低アレルゲンドッグフードの選び方】で紹介しております。


犬の食物アレルギー

ここでは、犬がアレルギー反応を示しやすい食べ物やアレルギー症状について紹介致します。なお、皮膚に重度の痒みが生じている場合、食物アレルギー以外にも様々な病気が原因として考えられるので、必ず獣医師に相談しましょう。

アレルゲンになりやすい食べ物

ある特定の食べ物に対してアレルギー症状を示すことを「食物アレルギー」と呼び、犬においては「たんぱく質」に対してアレルギー反応を示すケースが多いのが特徴です。

中でも小麦や牛肉、牛乳、大豆やトウモロコシ、魚にアレルギー反応を示すことが多いと考えられていますが、さつまいもなどの野菜や米類などにアレルギー反応を示す犬もいるなど、アレルゲンに関しては犬によって様々です。

ドッグフードに含まれる「(人工)添加物」や消化性の悪いたんぱく質原料が原因になることもあるので注意が必要です。

※アレルゲン: アレルギーの原因となる食べ物(物質)

なお、食物アレルギーは「食物有害反応」の1種であり、犬が口から摂取したものによって有害反応が体に起こるのは、食物アレルギーに限ったものではありません。

犬の食物有害反応(食物アレルギーのみ免疫が関与)
・食物アレルギー ・食物不耐症 ・食中毒 ・先天性代謝障害 ・食物特異体質


犬のアレルギー症状とは?

食物アレルギーは年齢問わず発生しますが、犬の場合は特に1才未満の子犬期から生じることが多く、以下症状が主に現れます。

  • 嘔吐や下痢などの消化器系症状
  • 耳部分の紅斑(皮膚表面に発赤を伴った状態)
  • 口や目の周辺の重度の痒みや炎症
  • 皮膚の慢性的な炎症
  • 脱毛症状や色素沈着
  • 膿皮症や外耳炎の併発
  • アトピー性皮膚炎の併発

犬の食物アレルギーの原因

犬の食物アレルギーだけでなくアレルギー全般が「体の免疫」に大きく関与しており、免疫機能が特定の物質に対して過剰に反応することで、様々な症状が引き起こされます。

その他、食物アレルギーに関しては低品質な消化性の悪いドッグフードや消化しにくい「たんぱく質」が原因になっていることもあります。

アレルギーは免疫に大きく関与しているため、免疫細胞が集中している腸内環境の継続的な乱れによってアレルギー反応が生じやすい体質になることも。ドッグフードは、価格の安さだけで選ぶのではなく原材料や品質にも配慮が必要です。


食物アレルギーになったときの対処法

アレルギー症状が確認された場合は、アレルギー検査で原因となるアレルゲンを特定することが大切です。

まずは動物病院でアレルゲンの検査

まずは、動物病院で犬のアレルゲンを特定するための検査を受けましょう。

昔はIgE検査しかなかったため、犬のアレルゲン物質を特定することが難しかったものの、近年ではリンパ球を測定する検査方法が確立されたので、アレルギー反応を示している物質の特定が昔より簡単になりました。

アレルギーの原因となる食物の判定は血液検査で行われますが、以下2種類の検査を行うことができる動物病院に相談することをおすすめします。

  • 抗体(IgE)を測定する検査
     犬の場合、IgE(免疫グロブリンの一種)によって引き起こされるアレルギーは3割程度
  • 白血球の仲間(リンパ球)を測定する検査
     リンパ球を測定する検査で、IgE検査だけでは分からなかったアレルゲンが発見できるようになった。リンパ球によって引き起こされるアレルギーは7割程度

これら結果をもとにアレルゲンと予測される原料を使用していない除去食を一定期間与えることで、症状が軽減されるか確認します。

痒みや炎症など重度の症状が引き起こされている場合、アレルギー検査だけでなく、必ず獣医師に現状起こっている症状の緩和に有効な治療法があるか確認しましょう。

補足:犬のアレルギー検査測定項目

リンパ球反応検査では、以下項目に対してのアレルギーを測定することができます。

主要食物アレルゲン
牛肉 豚肉 卵(白身・黄身) 鶏肉 牛乳 大豆 小麦 トウモロコシ
除去食アレルゲン
米 馬肉 羊肉 七面鳥肉 アヒル肉 鮭 タラ じゃがいも えんどう豆

参考
・公益社団法人 埼玉県獣医師会HP.「犬の食物アレルギーについて」.(参照 2020-11-9)
・動物アレルギー検査株式会社HP. 「リンパ球反応検査」.(参照 2020-11-9)

ドッグフードを変更する

犬が今までに食べたことがないドッグフードを選び、アレルギー症状が軽減されるか様子をみます。

抗体(IgE)測定検査と白血球(リンパ球)測定検査によってアレルゲンが特定されている場合は、ドッグフードに含まれる原料を確認してアレルゲン物質が含まれていないものを選びましょう。

ドッグフードに含まれる添加物がアレルギー原因になることもあるので、アレルギー体質の犬には念のため無添加ドッグフードを選ぶことをお勧めします。

その他、食物アレルギーにおける低アレルゲンドッグフードの選び方については、【低アレルゲンドッグフードの選び方】で紹介しております。


除去食で症状が改善された場合

除去食で症状が改善された場合は、以降総合栄養食だけでなくおやつにも注意を払って愛犬の食事管理を行いましょう。

ドッグフード選びでは、免疫力を強化するために良質な原料を使用したものを選び、手作りご飯の場合はビタミン類(特にビタミンE・ビタミンC)が不足しないよう気をつけましょう。

その他、免疫力強化には腸内環境の健康維持も重要です。腸内環境の健康維持を行うための食事に関しては【軟便や下痢になりやすい犬の食事】で詳しく紹介しています。



参考文献
・動物臨床医学研究所 山根義久,イヌ+ネコ家庭動物の医学大百科,パイインタ-ナショナル,2012.
・奈良なぎさ,犬と猫の栄養学,緑書房,2016.

記事作成者:  望月 紗貴

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犬に必要なビタミンと食材〔犬の管理栄養士解説〕

愛犬に手作りご飯を作る方が増えてきましたが、作るときは犬に必要な栄養素について配慮して食材選びをする必要があります。今回は、犬の手作りご飯に必要な必須栄養素「ビタミン」とその食材についてご紹介致します。

なお、ここではビタミンの種類や欠乏・過剰によって起こりうる問題、食材を中心に紹介致しますので、犬の手作りご飯の栄養素配分の基本については【犬の手作りご飯|量や配分など】をご確認ください。
その他の5大栄養素に関しては、【犬の食事管理ページ】で解説しています。


犬に必要な栄養素の欠乏症と中毒

犬に必要な栄養素は、「たんぱく質」、「脂肪」、「炭水化物」、「ビタミン」、「ミネラル」の5大栄養素であり、これらに「水」を加えて6大栄養素と呼ぶこともあります。

手作りご飯やドッグフードでは、これら必要栄養素がある程度犬の体に適したバランスで配合されている必要があり、特定の栄養素が極端に不足すると欠乏症として体に何かしらの症状が引き起こされる可能性があります。

また、特定の栄養素が極端に過剰に含まれる食事によって、中毒症状が引き起こされることもあります。そのため、愛犬の健康維持のために作る手作りご飯では、必要栄養素や食材に関する基礎知識が最低限必要になります。

愛犬にも品質の高い食事を、と愛情を込めて作った手作りご飯のせいで愛犬の体調が悪くなるのでは意味がありませんので、基礎知識は身につけておきましょう。


犬の体に必要なビタミン

ビタミンは体内の合成だけでは犬の体における要求量を満たすことができないため、種類によっては食事からの摂取が必要不可欠になります。犬の手作りご飯においては、大幅に量が不足することで欠乏症が引き起こされる可能性が高まります。

その他、脂溶性ビタミン(A、D、E、K)を中心に、与えすぎによって中毒症状を引き起こしやすいビタミンもあるため十分注意が必要です。

脂溶性ビタミンと水溶性ビタミン

犬に必要なビタミンは「脂溶性ビタミン」と「水溶性ビタミン」に分けられ、それぞれ特徴が異なります。

脂溶性ビタミン(4種類)

ビタミンA(レチノール)
ビタミンD(カルシフェロール)
ビタミンE(トコフェロール)
ビタミンK(フィロキノン)

脂溶性ビタミンは犬の体に貯蓄しやすいため、手作りご飯では過剰(中毒)にならないよう注意が必要です。中毒性は、ビタミンAが一番強く、Dがその次、Kがその次になります。ビタミンEに関しては中毒性はほぼないと考えられています。

水溶性ビタミン(10種類)

ビタミンB1(チアミン)
ビタミンB2(リボフラビン)
ビタミンB3(ナイアシン)
ビタミンB6(ピリドキシン)
ビタミンB12(コバラミン)
葉酸
パントテン酸
ビオチン
コリン
ビタミンC

水溶性ビタミンは犬の体に貯蓄しにくいため、手作りご飯では不足しないよう注意が必要です。


犬におけるビタミンの役割

ここでは、犬の体で脂溶性ビタミンと水溶性ビタミンがどのような役割を補っているのか説明します。

脂溶性ビタミンの役割

  • ビタミンA
    ビタミンA(レチノール)は犬の皮膚や粘膜、目の健康維持に必要な栄養素。ビタミンAの前駆体であるβカロテンには、抗酸化作用が期待できます。
  • ビタミンD
    ビタミンD(カルシフェロール)は、骨代謝や甲状腺機能の正常化などに必要とされる栄養素です。
  • ビタミンE
    ビタミンE(トコフェロール)は、抗酸化作用が期待できる栄養素で、犬の毛細血管の血行促進にも必要とされます。
  • ビタミンK
    ビタミンK(フィロキノン)は、骨の健康維持や血液凝固に関わる栄養素で、体に吸収しにくいが欠乏症はごく稀。犬においては、過剰症になりやすいのが特徴です。

水溶性ビタミンの役割

  • ビタミンB1
    ビタミンB1(チアミン)は、犬の神経機能を維持したり、糖質の代謝に関与する栄養素で、熱に弱いという特性を持っています。加工途中でビタミンB1が破壊されやすいため、総合栄養食表記のあるドッグフードであっても合成ビタミンを使用していることがあります。
  • ビタミンB2
    ビタミンB2(リボフラビン)は、アミノ酸や糖質、脂質などの代謝に関与しており、補酵素として働きます。その他、細胞を再生するためにも必要です。
  • ビタミンB3
    ビタミンB3(ナイアシン)は、犬のエネルギーの代謝に携わる補酵素で、安定性の高い栄養素だといわれています。欠乏症や中毒が引き起こされにくいのが特徴です。
  • ビタミンB6
    ビタミンB6(ピリドキシン)は、アミノ酸代謝における副酵素としての働きを補い、たんぱく質や脂質の代謝に関与している栄養素です。
  • ビタミンB9
    ビタミンB9(葉酸)は、「プテロイルグルタミン酸」とも呼ばれ、犬の体内でアミノ酸分解に関与しています。その他、DNAを合成するためにも必要とされます。
  • ビタミンB12
    ビタミンB12(コバラミン)は、赤血球を産生するために必要な栄養素で、犬の神経機能を正常に保つためにも必要とされます。
  • パントテン酸
    パントテン酸は、たんぱく質や脂質、糖質(エネルギー)の代謝を促進するために必要な栄養素です。
  • ビオチン
    ビオチンは、脂肪酸や糖などの代謝に関与する栄養素で、犬においては被毛の健康維持にも役立ちます。
  • コリン
    コリンは、脂質の代謝に関与する栄養素で、神経伝達物質(アセチルコリン)の構成要素としても犬の体には必要とされます。
  • ビタミンC
    ビタミンC(アスコルビン酸)は、抗酸化物質として犬の体内で働き、活性酸素を除去。体の酸化を防ぐために必要な栄養素です。その他、結合組織を強化するために重要な役割を果たします。

欠乏症と中毒、食材について

ここでは、犬に必要なビタミンの欠乏症と中毒についてご紹介致します。犬の手作りご飯では、水溶性ビタミンは不足しないよう注意が必要。脂溶性ビタミンは過剰に与えて中毒症状を引き起こさないよう注意が必要です。

脂溶性ビタミンの欠乏症と中毒

脂溶性ビタミンは体に蓄積しやすいビタミンであり、犬の手作りご飯においては過剰にならないよう特に注意が必要です。

  • ビタミンA(豚や鶏のレバー、卵など)
    犬の手作りご飯においては、ニンジンやカボチャなどのβカロテン(植物に多く含まれているビタミンAの前駆体)に関しても注意が必要。βカロテンに関しては、体内への吸収率が悪いことからビタミンA効果がレチノールより低いと考えられていますが、過剰に継続的に与えないようにしましょう。
  • ビタミンD(魚類や卵など)
    ビタミンD(カルシフェロール)が大幅に犬の体内で欠乏すると、骨軟化症の原因になることがあります。その他、成長途中の犬に関してはくる病発症リスクを高める原因にもなります。中毒症状としては、過カルシウム血症(高カルシウム血症)や腎障害の原因になることがあります。
  • ビタミンE(ナッツや魚介類など)
    ビタミンE(トコフェロール)は、脂溶性ビタミンであっても過剰になりにくいのが特徴。大幅に不足した場合は、皮膚や被毛の劣化、骨格筋変性などの原因になることがあります。
  • ビタミンK(パセリやほうれん草、紫蘇など)
    ビタミンK(フィロキノン)が過剰になると、犬においては中毒症状によって貧血症状や高ビリルビン血症などを引き起こすことがあります。また、健康体の犬でビタミンKが不足するケースは殆どないものの、何かしらの事情で大幅に不足した場合は血液の凝固時間が延びる危険性があります。

水溶性ビタミンの欠乏症

水溶性ビタミンに関しては、コリン以外は全てにおいて中毒症状(過剰症)は引き起こされにくいと考えられています。犬の手作りご飯をつくるときは、これらビタミンの欠乏症に特に注意しましょう。

  • ビタミンB1(豚肉やレバー肉、豆類など)
    ビタミンB1(チアミン)は、犬の手作りご飯を中心に食事からの摂取不足によって欠乏症が生じやすいのが特徴。不足した場合、成長時の発達障害や神経障害が引き起こされる可能性があります。
  • ビタミンB2(魚介類や肉類、卵など)
    ビタミンB2(リボフラビン)は、犬において欠乏症が引き起こされにくいとされていますが、不足した場合には欠乏症として食欲低下や体重減少、皮膚炎などがみられることがあります。また、過剰に与えて中毒症状を引き起こすことは考えにくいといわれています。
  • ビタミンB3(舞茸や椎茸などのキノコ類)
    ビタミンB3(ナイアシン)は、ビタミンの中では安定性が高く、欠乏症や中毒症状が引き起こされにくいのが特徴。しかし、継続的に大幅に不足した場合は下痢や皮膚炎などが生じる可能性があります。
  • ビタミンB6(マグロやカツオなど)
    ビタミンB6(ピリドキシン)は、犬において中毒となる可能性は殆どないといわれています。体内で大幅に不足した場合は、貧血や成長不良、食欲不振などが生じるケースがあります。
  • ビタミンB9(緑黄色野菜やレバーなど)
    犬の体内でビタミンB9(葉酸)が大幅に不足した場合、貧血や成長不良の原因になることがあります。中毒症状に関しては、非常に起こりにくいと考えられています。
  • ビタミンB12(魚介類や肉類、卵など)
    ビタミンB12(コバラミン)が不足した場合、神経障害や食欲不振、貧血などの症状を引き起こすことがあります。犬の食事で中毒になるケースは非常に少ないといわれています。
  • パントテン酸(レバーや納豆など)
    犬の体内でパントテン酸が大幅に不足すると、成長遅延や脂肪肝(脂肪が肝臓部に蓄積する病気)を生じる危険性があります。
  • ビオチン(レバーや卵など)
    ビオチンが不足すると、食欲低下や過尿症(過度な尿意を主症状とする病気)、角化症や脱毛症状を引き起こす危険性があります。
  • コリン(卵や豚レバー、納豆など)
    コリンが犬の体内で過剰になると、下痢症状を引き起こすことがあります。また、大幅に不足した場合は脂肪肝(脂肪が肝臓部分に蓄積する病気)や嘔吐、成長遅延などの原因になります。
  • ビタミンC(ブロッコリーやピーマン、キウイフルーツなど)
    ビタミンC(アスコルビン酸)に関しては、中毒(過剰症)と不足(欠乏症)は犬において引き起こされにくいといわれています。

実は危険な犬の手作りご飯

今回は、犬の手作りご飯に役立つ栄養学、ビタミンについてご紹介致しました。愛犬に手作りご飯をつくる上で全ての栄養素において欠乏症や中毒の内容を暗記する必要はありませんが、1つ1つの栄養素全てに意味があるのだということを理解しておかなければいけません。

犬の手作りご飯レシピをインターネット上で多く見かけますが、栄養バランスを考慮すると大変危険なレシピも数多くあります。手作りご飯がしっかりとバランスの良い食事になっているか都度見直すことが大切です。

なお、犬の食事に関しての基礎知識については事前に【犬の手作りご飯|量や配分など】をご確認ください。その他、5大栄養素については【犬の管理栄養学】で紹介しています。



参考文献:
・(獣医師)藤本愛彦,犬の管理栄養士,一般社団法人全日本動物専門教育協会,2018.
・奈良なぎさ,犬と猫の栄養学,緑書房,2016.
・阿部又信,動物看護のための小動物栄養学,株式会社ファームプレス,2008.

記事作成者:  望月 紗貴

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犬に必要な微量ミネラルと食材〔犬の管理栄養士解説〕

目次:
1、犬に必要な栄養素の欠乏症と中毒
2、犬に必要なミネラルとは?
3、微量ミネラルの体内での働き
4、微量ミネラルの欠乏症&中毒や食材
5、実は危険な犬の手作りご飯

愛犬に手作りご飯を作る方が増えてきましたが、作るときは犬に必要な栄養素について配慮して食材選びをする必要があります。今回は、犬の手作りご飯に必要な必須栄養素「ミネラル」とその食材についてご紹介致します。

なお、ここではミネラルの種類や脂肪の欠乏・過剰によって起こりうる問題、食材を中心に紹介致しますので、犬の手作りご飯の栄養素配分の基本については【犬の手作りご飯|量や配分など】をご確認ください。
その他の5大栄養素に関しては、【犬の食事管理ページ】で解説しています。


1、犬に必要な栄養素の欠乏症と中毒

犬に必要な栄養素は、「たんぱく質」、「脂肪」、「炭水化物」、「ビタミン」、「ミネラル」の5大栄養素であり、これらに「水」を加えて6大栄養素と呼ぶこともあります。

手作りご飯やドッグフードでは、これら必要栄養素がある程度犬の体に適したバランスで配合されている必要があり、特定の栄養素が極端に不足すると欠乏症として体に何かしらの症状が引き起こされる可能性があります。

また、特定の栄養素が極端に過剰に含まれる食事によって、中毒症状が引き起こされることもあります。そのため、愛犬の健康維持のために作る手作りご飯では、必要栄養素や食材に関する基礎知識が最低限必要になります。

愛犬にも品質の高い食事を、と愛情を込めて作った手作りご飯のせいで愛犬の体調が悪くなるのでは意味がありませんので、基礎知識はしっかりと身につけておきましょう。


2、犬に必要なミネラルとは?

ミネラルは、食物内に存在する無機質(酸素や炭素、水素、窒素以外の物質)であり、犬の体の約4~5%がミネラルです。ミネラルの種類に関しては、全体で40種類程度あるものの、犬の場合はそのうちの18種類以上が必須栄養素とされています。

※必須栄養素=食物(食事)から摂取する必要がある栄養素

2-1、犬が食事から摂取する必要があるミネラル

犬が食事から摂取する必要があるミネラルは大きく分けて、「主要ミネラル」と「微量ミネラル」に分類され、18種類以上が食事からの摂取で必要とされます。特に微量ミネラルは犬にとって必要不可欠な栄養素となるので、手作りご飯やトッピングご飯を作るときは念頭に置いておきましょう。

  • 主要ミネラル(7種類)
    ナトリウム、カリウム、カルシウム、リン、マグネシウム、イオウ、塩素
  • 微量ミネラル(11種類)
    鉄、亜鉛、ヨウ素、銅、セレン、マンガン、コバルト、モリブデン、クロム、ホウ素、フッ素

3、微量ミネラルの体内での働き

ここでは、微量ミネラル(ホウ素とフッ素は除く)の働きについて一例をご紹介致します。主要ミネラルについては、【犬の手作りご飯|主要ミネラルと食材】をご確認ください。


  • 鉄(Fe)は、ヘモグロビンやミオグロビンを構成するための成分となっており、酸素を輸送するためにも必要不可欠です。
  • 亜鉛
    亜鉛(Zn)は、皮膚や被毛の健康維持に重要な栄養素で、様々な酸素の構成成分でもあります。その他、たんぱく質代謝機能に関与するなどの働きをもちます。
  • ヨウ素
    ヨウ素(I)は、主に甲状腺ホルモン(犬の体の代謝を活性化するためのホルモン)を合成するために必要な栄養素です。

  • 銅(Cu)は、ヘモグロビンの合成や鉄の代謝に必要な栄養素で、コラーゲンやATP(アデノシン三リン酸)の合成にも必要となります。
  • セレン
    セレン(Se)は、活性酸素の1種(過酸化水素)を解毒するための酵素に含まれており、抗酸化作用に関与している栄養素です。
  • マンガン
    マンガン(Mn)は、犬の体内でコンドロイチン硫酸(主に軟骨形成成分)を合成するために必要な酵素成分として働きます。
  • コバルト
    コバルト(Co)は、ビタミンB12(コバラミン)の構成成分として働きます。なお、ビタミンB12に関しては、犬の赤血球の産生などに関与する栄養素です。
  • モリブデン
    モリブデン(Mo)は、新しい細胞の生まれ変わりに必要な「核酸」の代謝に関与する酵素を作り出す成分です。
  • クロム
    クロム(Cr)は、血糖を下げる働きのあるホルモンである「インスリン」機能や糖の代謝に関与する栄養素です。

4、微量ミネラルの欠乏症&中毒や食材

ここでは、犬に必要な微量ミネラルの欠乏症と中毒についてご紹介致しますが、微量ミネラルのうち、セレン、モリブデン、クロム、ホウ素、フッ素は、中毒症状に注意が必要なため、犬の手作りご飯においては要求量を大幅に超えないよう食材選びに配慮しましょう。

  • (ほうれん草、木綿豆腐、卵など)
    市販のドッグフードには、一般的に必要量を大幅に超える鉄が含まれていますが、過剰な鉄の摂取は食欲不振を生じさせたりリンの利用性を低下させる原因になるといわれています。犬の手作りご飯などで不足した場合、貧血や呼吸の障害、組織上の低酸素状態などが起こることがあります。
  • 亜鉛(豚レバーや牛肉、卵など)
    亜鉛を過剰に与えると、中毒症状として犬の体内のカルシウムや銅の不足を招く危険性があります。不足した場合は、皮膚障害によって角化症や脱毛が引き起こされたり発育障害、食欲不振などが生じることがあります。
  • ヨウ素(ワカメやヒジキなど)
    甲状腺ホルモンの構成要素としての要素が犬の体内で不足すると、甲状腺機能障害を引き起こす危険性が増します。また、過剰に与えた場合は、中毒症状として食欲不振などの原因になります。
  • (牛レバー、豚レバー、ひきわり納豆など)
    銅が犬の体内で長期的に不足すると、貧血症状や成長障害、骨格異常などの原因になります。また、過剰に与えて中毒となった場合、肝炎や肝壊死を招くことがあります。
  • セレン(マグロや干しエビ、タラなど)
    犬の場合、自然発生としてのセレン不足は起こりにくいものの、不足した場合は食欲低下などの原因になります。また、過剰に体内に存在したときの中毒症状としては、嘔吐や痙攣、呼吸困難などが引き起こされやすいので、要求量を大幅に超えないよう配慮が必要です。
  • マンガン(シソやモロヘイヤ、パセリなど)
    軟骨形成に必要な酵素成分であるマンガンが犬の体内で不足すると、繁殖障害や成長不良の原因になります。また、過剰になり中毒症状が引き起こされることはごく稀です。
  • コバルト(魚介類やレバーを中心とした肉類など)
    コバルトは犬においての要求量がごく微量なため、過剰に与えすぎないよう注意が必要。万が一不足した場合は貧血症状を引き起こすことがありますが、何より犬の手作りご飯においては要求量を大幅に超えないよう注意が必要です。
  • モリブデン(穀類や木綿豆類、豚レバーなど)
    モリブデンが犬の体内で大幅に不足すると、成長障害を引き起こす危険性がありますが、欠乏症より中毒症状の方が生じやすいといわれているため、犬の手作りご飯においては多く与えすぎないよう注意が必要です。
  • クロム(ジャガイモやヒジキなど)
    犬の体内で大幅に不足すると、繁殖障害や成長障害を引き起こす危険性があり、その他、耐糖能低下(血糖値が高くなったときに正常値まで下げる能力が低下した状態)を引き起こす原因になります。

5、実は危険な犬の手作りご飯

今回は、犬の手作りご飯に役立つ栄養学、微量ミネラルについてご紹介致しました。愛犬に手作りご飯をつくる上で全ての栄養素において欠乏症や中毒の内容を暗記する必要はありませんが、1つ1つの栄養素全てに意味があるのだということを理解しておかなければいけません。

犬の手作りご飯レシピをインターネット上で多く見かけますが、栄養バランスを考慮すると大変危険なレシピも数多くあります。手作りご飯がしっかりとバランスの良い食事になっているか都度見直すことが大切です。

なお、5大栄養素の基礎知識については事前に【犬の手作りご飯|量や配分など】をご確認ください。その他、5大栄養素については【犬の管理栄養学】で紹介しています。


参考文献:
・(獣医師)藤本愛彦,犬の管理栄養士,一般社団法人全日本動物専門教育協会,2018.
・奈良なぎさ,犬と猫の栄養学,緑書房,2016.
・阿部又信,動物看護のための小動物栄養学,株式会社ファームプレス,2008.
・左向敏紀,獣医師教育モデル・コアカリキュラム準拠,株式会社インターズー,2015

記事作成者:  望月 紗貴

犬たちの幸せ(=飼い主の意識の向上)を目的とし情報提供サイトを開設。犬の管理栄養士や救命士、介護士資格など保有。他社の記事監修・作成も多数請け負う。

©️犬の情報配信サービス BOWWOW Info.

犬に必要な主要ミネラルと食材〔犬の管理栄養士解説〕

目次:
1、犬に必要な栄養素の欠乏症と過剰症
2、犬に必要なミネラルとは?
3、主要ミネラルの欠乏症&中毒、食材
4、犬の手作りご飯|主要ミネラルのポイント

愛犬に手作りご飯を作る方が増えてきましたが、作るときは犬に必要な栄養素を考えながら食材選びをする必要があります。今回は、犬の手作りご飯に必要な必須栄養素「ミネラル」についてご紹介致します。

なお、ここではミネラルのうち「主要ミネラル」の種類や欠乏・過剰によって起こりうる問題を中心に解説しますので、犬の手作りご飯の栄養素配分の基礎知識については【犬の手作りご飯|量や配分など】をご確認ください。個々の5大栄養素詳細に関しては、【犬の食事管理ページ】で解説しています。


1、犬に必要な栄養素の欠乏症と中毒

犬に必要な栄養素は、「たんぱく質」、「脂肪」、「炭水化物」、「ビタミン」、「ミネラル」の5つ(5大栄養素)であり、これらに「水」を加えて6大栄養素と呼ぶこともあります。

手作りご飯やドッグフードでは、これら栄養素がある程度犬の体に適したバランスで配合されている必要があり、特定の栄養素が極端に不足すると欠乏症として体に何かしらの症状が引き起こされることがあります。

また、特定の栄養素が極端に過剰に含まれる食事によって、中毒として何かしらの症状が生じることがあります。そのため、愛犬の健康維持のために作る手作りご飯では、必要栄養素や食材に関する基礎知識が最低限必要になります。

愛犬にも質の高い食事を、と愛情を込めて作った手作りご飯のせいで愛犬の体調が悪くなるのでは意味がありませんので、基礎知識は身につけておきましょう。


2、犬に必要なミネラルとは?

ミネラルは、野菜などの食物内に存在する無機質(酸素や炭素、水素、窒素以外の物質)であり、犬の体の約4~5%がミネラルです。ミネラルの種類に関しては、全体で40種類程度あるものの、犬の場合はそのうちの18種類以上が必須栄養素とされています。

※必須栄養素=食物(食事)から摂取する必要がある栄養素

2-1、犬が食事から摂取する必要があるミネラル

犬が食事から摂取する必要があるミネラルは大きく分けて、「主要ミネラル」と「微量ミネラル」に分類され、18種類以上が食事からの摂取で必要とされます。特に、微量ミネラルは犬にとって必要不可欠な栄養素となるので、手作りご飯やトッピングご飯を作るときは念頭に置いておきましょう。

  • 主要ミネラル(7種類)
    ナトリウム、カリウム、カルシウム、リン、マグネシウム、イオウ、塩素
  • 微量ミネラル(11種類)
    鉄、亜鉛、ヨウ素、銅、セレン、マンガン、コバルト、モリブデン、クロム、ホウ素、フッ素

2-2、主要ミネラル(7種類)犬の体内での働き一例

  • ナトリウム
    ナトリウムとクロール(塩素)は、犬の体内に存在する水分バランスや細胞外液の浸透圧維持、神経伝達や胃酸を再生するために必要不可欠な栄養素です。
  • カリウム
    カリウムは、犬の細胞内部に最も多く存在する「陽イオン」で、ナトリウム同様に体内に存在する水分バランスの維持や神経伝達に関与する栄養素です。その他、筋肉の収縮活動促進を行う上でも重要です。
  • カルシウム
    骨や歯を構成するための成分として働き、犬の体内の筋肉部分や血液、細胞に分布することで、筋肉の収縮や血液の凝固(血液を固める働き)に必要です。
  • リン
    リンは、犬の体の体液のpH(水溶液の性質を表す単位)の調節をするなど様々な役割を補う生理活性物質(ごく僅かな量で何らかの特有な作用を示す物質)です。骨や歯の構成成分、エネルギーの源ともなる栄養素ですので、不足しないよう注意しましょう。
  • マグネシウム
    マグネシウムは、300種類程度の酸素を活性化する働きを持ち、酸素反応に関与する栄養素です。その他、エネルギーの代謝や神経機能を維持するために必要とされ、骨の構成成分としても必要不可欠です。
  • イオウ
    イオウは、犬の被毛や爪などの構成に必要なたんぱく質(ケラチン)の成分として働きます。
  • 塩素
    ナトリウムとクロール(塩素)は、犬の体内に存在する水分バランスや細胞外液の浸透圧維持、神経伝達や胃酸を再生するために必要不可欠な栄養素です。

3、ミネラルの欠乏症&中毒、食材

3-1、主要ミネラル(7種類)の欠乏症と中毒(一例)

  • ナトリウム(味噌や素干しワカメなど)
    ナトリウムが不足すると、疲れやすくなったり食欲不振が引き起こされることがあります。反対に過剰になった場合は、便秘やのどの渇きを示すことがありますが、健康体の犬で新鮮な水を適切に摂取できていれば、これら症状を示すケースは少ないのが特徴です。
  • カリウム(バナナ、イモ類、肉類など)
    カリウムが極端に不足すると、食欲不振や心臓・腎臓の障害などの原因になります。その他、成長期の子犬においては成長抑制が生じる危険性があります。過剰に与えた場合は、不全麻痺などが生じることがありますが、犬においてカリウムの過剰症は引き起こされにくく、腎不全など腎臓に何かしらの問題がない場合に限り多少多めに与えても問題ないといわれています。
  • カルシウム(チーズ、ヨーグルトなど)
    極端に不足すると食欲低下や成長障害、骨折や骨の結石化抑制を招く危険性があるため、成長期の犬の場合は不足しないよう特に注意が必要。過剰に与えると他のミネラルの吸収を阻害する原因になり、食欲低下、ネフローゼ、シュウ酸カルシウム尿結石などを引き起こす危険性が高まります。
  • リン(肉や魚など、たんぱく質が多い食材)
    リンは、不足すると食欲低下や被毛の健康阻害、骨折などの原因になるとされ、過剰に与えすぎた場合は腎機能低下やストルバイト尿結石などを引き起こしやすくなります。
  • マグネシウム(魚介、藻類、穀類など)
    マグネシウムが大幅に不足すると、骨の石灰化(軟部組織にカルシウム塩が沈着すること)の現象や筋肉を弱めるなどの健康被害を及ぼす原因になります。過剰症においては、ストルバイト尿結石を引き起こすことがあります。
  • イオウ(肉や魚など、たんぱく質が多い食材)
    イオウに関しては、犬の手作りご飯において不足や過剰には特に注意しなくても良いでしょう。基本的には動物性たんぱく質をしっかりと食事で摂取していれば不足しない栄養素ですが、万が一不足した場合には被毛伸長や成長において支障をきたす可能性があります。
  • 塩素(食塩や味噌など)
    ナトリウムと塩素が不足すると、成長遅延を引き起こす危険性が高まり、逆に過剰に与えた場合は食欲不振などを引き起こすことがあります。

4、犬の手作りご飯|主要ミネラルのポイント

4-1、リンとマグネシウムの比率

総合栄養食ドッグフードであれば、リンとマグネシウムの比率は配慮されていますが、犬の手作りご飯を作る場合はリンとマグネシウムの比率を頭に入れておくと良いでしょう。

一般的にリンとマグネシウムの比率は、【1:1~1:2】程度の比率を保つことが理想とされていますが、様々な要因で犬の体内ではこの比率が乱れます。

例えば、体内のビタミンD濃度が高まると、リンとマグネシウムの比率が逆になるなどの現象が起こります。

犬の手作りご飯ではそこまでの配慮がなかなか難しいのがデメリットですが、食事で摂取させるリンとマグネシウムの比率バランスが極端に崩れないよう配慮することが大切です。

4-2、カリウムは毎日与える

カリウムに関しては多くの食材に含まれているので、犬の手作りご飯を作るときにそれほど気にしなくても良いでしょう。しかし、他のミネラルと比較すると体に蓄えづらいため毎日の食事で必ず取り入れるよう工夫することが大切。

カリウムはある程度多めに与えても、腎臓機能に障害がでていない犬であれば過剰症が引き起こされにくいので、犬の手作りご飯では不足しないよう調整しましょう。

ただし、腎不全を中心に腎臓機能に問題が生じている犬の場合、与える量に関して獣医師に相談する必要があります。腎臓に問題がある犬の場合、参考までに【犬の腎不全における食事管理】をご確認ください。


まとめ

今回は、ミネラルのうち「主要ミネラル」の働き、欠乏症や中毒について紹介させていただきました。5大栄養素の基礎知識については事前に【犬の手作りご飯|量や配分など】をご確認ください。

食事管理 記事一覧はこちら


参考文献:
・(獣医師)藤本愛彦,犬の管理栄養士,一般社団法人全日本動物専門教育協会,2018.
・奈良なぎさ,犬と猫の栄養学,緑書房,2016.
・阿部又信,動物看護のための小動物栄養学,株式会社ファームプレス,2008.

記事作成者:  望月 紗貴

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思い入れの強いハロウィンフェスティバル、無事終了

2020 わんわんハロウィンフェスティバルにお越しのお客様、関係者様、楽しい時間を本当にありがとうございました。今回は初のイベント出店ということで、朝からてんやわんや。出店時刻も大幅に過ぎてしまいましたが、多くのお客様との出会いに大変感謝しております。

姉や甥姪が手伝ってくれたおかげで、なんとか形になったショップ。テントを広げたりテーブルを広げたりするのに一苦労。インドア派でキャンプ慣れしていない私には大仕事ではありましたが・・。

愛犬のバーニーズマウンテンドッグちょこも参加。さすがに骨壺持っていくとドン引きされてしまいそうなので、お気に入りのバニぐるみを連れてきました。いらっしゃいませでしゅ~。たくさん買ってくださいでしゅ~。

姿は見えないけど、きっとニカニカ笑顔で接客。不思議なことに、どこにいても愛犬ちょこと一緒だと人がたくさん集まってくるんだよね・・。親バカかもしれないが、お犬の中でも特別な幸せオーラや人を癒すような魅力が多い子だったように思う。

こちらは、BOWWOW Info.で今回販売させていただいた無添加おやつ、こむたまキッチンさんの愛犬。2日前におやつの仕入れや出店グッズを借りに行ったときの写真。今回、初のイベント参加で全面的にサポートしてくれました。本当にありがとうございます。

そして、甥姪を引き連れ一日中出店をサポートしてくれた姉。初の出店、一人で心細く感じていたが、姉が付き合ってくれたおかげで本当に心強かった。ちなみに姉の黒ラブレツ、今回は初の競技会に参加したのだが、競技中に逃走したらしく(すぐに捕獲された)出店前から笑わせてくれました。

前日には初出展応援団も到着。大好きなバーニーズマウンテンドッグ友達さんが、私一人では心細いだろうと前日の夜必着で送ってくれた手作りバニ応援団。そして、先日オフ会でちょこにいただいた可愛いお花の置物も飾らせていただきました。本当に、お友達たちには言葉では伝えきれないほどの感謝が溢れます。

そんなこんなで多くの思い入れがある初出展、無事終了しました。本当にありがとうございました。まだまだ動物保護団体を大きくサポートするほどの成果はでておりませんが、コツコツと日々多方面で活動を広げていきたいと思っています。重ねまして本当にありがとうございました。

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犬に必要な脂肪と食材〔犬の管理栄養士解説〕

目次:
1、犬に必要な栄養素の欠乏症と中毒
2、犬の体内での脂肪の働き
3、栄養素である脂肪の種類
4、脂肪の欠乏症と中毒
5、脂肪源となる食材の選び方

愛犬に手作りご飯を作る方が増えてきましたが、作る際は犬に必要な栄養素について配慮して食材選びをする必要があります。今回は、犬の手作りご飯に必要な必須栄養素「脂肪」とその食材についてご紹介致します。

なお、ここでは脂肪の種類や脂肪の欠乏・過剰によって起こりうる問題、選び方を中心に紹介致しますので、犬の手作りご飯の栄養素配分の基本については【犬の手作りご飯|量や配分など】をご確認ください。


1、犬に必要な栄養素の欠乏症と中毒

犬に必要な栄養素は、「たんぱく質」、「脂肪」、「炭水化物」、「ビタミン」、「ミネラル」の5大栄養素であり、これらに「水」を加えて6大栄養素と呼ぶこともあります。

手作りご飯やドッグフードでは、これら必要栄養素がある程度犬の体に適したバランスで配合されている必要があり、特定の栄養素が極端に不足すると欠乏症として体に何かしらの症状が引き起こされる可能性があります。

また、特定の栄養素が極端に過剰に含まれる食事によって、中毒としての症状が引き起こされることがあります。そのため、愛犬の健康維持のために作る手作りご飯では、必要栄養素や食材に関する基礎知識が必要になります。

愛犬にも品質の高い食事を、と愛情を込めて作った手作りご飯のせいで愛犬の体調が悪くなるのでは元も子もありませんので、基礎知識はしっかりと身につけておく必要があります。

2、犬の体内での脂肪の働き

脂肪は脂質の一種である犬に必要な栄養素で、主に食材の中に含まれている脂質を脂肪と呼びます。なお、犬の体には、脂肪が10%~40%程度含まれているといわれています。

脂肪は犬のエネルギーに必要な栄養素であり、エネルギー源として考える上では、驚くことにたんぱく質や糖質の2倍以上(/1g)ものエネルギーを補うことができる栄養素です。

その他、ビタミンA、D、E、Kの脂溶性ビタミンの吸収に重要な役割を補い、犬の合成できない脂肪酸である必須脂肪酸を体に補うため、体温調整を行うため、様々な生理機能維持のためなど、多様な用途で必要とされます。

ちなみに、脂肪と脂質は厳密には異なり、脂肪が犬のエネルギー源になるのに対し、脂肪以外の脂質に関してはエネルギー源としてはそれ程効果が期待できないのが特徴です。


① 犬が肉や魚などの脂肪を食事で摂取
② これらが消化酵素リパーゼによって脂肪酸とグリセロールに分解される
③ 犬の体内の小腸部分から吸収されることで中性脂肪となる
④ 中性脂肪がリンパ管を通じて血液に運び込まれる
⑤ 犬の全身に送られて、様々な機能を果たす

3、栄養素である脂肪の種類

ここでは、犬に必要な栄養素「脂肪」に関して、動物性油脂と植物性油脂の分類、及び飽和脂肪酸と不飽和脂肪酸の分類についてご紹介致します。

3-1、動物性油脂と植物性油脂

手作りご飯などの犬の食事内の脂肪は「動物性油脂」と「植物性油脂」に分類されます。犬の手作りご飯でよく使用される動物性油脂肪は、鹿や馬、牛などの肉類や魚などの動物に含まれている食材の脂肪です。

植物性油脂は名前の通り植物性の食材に含まれる脂肪で、食材例としてはナッツ類など。しかし、ナッツ類などを犬の手作りご飯で使用することは殆どないので、消化吸収性を配慮して主に動物性油脂肪が使用されることになります。


3-2、飽和脂肪酸と不飽和脂肪酸

脂肪酸には、飽和脂肪酸と不飽和脂肪酸の2種類があります。これらは、炭素の二重結合があるか否かによって種類が分かれます。

被毛の健康維持や四肢・関節の炎症や痛み緩和などに役立つ栄養素として知られている「オメガ3脂肪酸」をご存じの方は多いかと思いますが、これは、不飽和脂肪酸の炭素の二重結合の中の2つ以上の結合があるEPAやDHAなど(多価不飽和脂肪酸)を指します。

犬の場合は、オメガ脂肪酸(3系と6系)のような2つ以上の二重結合がある脂肪酸を体内で合成することができないため、サプリメントのみならず最近では成長期の犬だけでなく成犬用・老犬用ドッグフードに添加することも多くなりました。

オメガ脂肪酸のみならず、不飽和脂肪酸全般は犬の体内で合成できないため、手作りご飯などの食事で取り入れる必要があります。

3-3、脂肪のAAFCO基準

全米飼料検査官協会(AAFCO)のドッグフード基準(乾物量)で考えた場合、最低値として成長期で粗脂肪8.5%、維持期で5.5%。

リノール酸に関しては成長期で1.3%、維持期で1.1%になっています。なお、αリノレン酸は成長期のみ基準が設けられ0.08%、EPA+DHAも同様に成長期のみ基準が設けられており0.05%となっています。

4、脂肪の欠乏症と中毒

犬に必要な栄養素である脂肪が犬の体内で急激に欠乏した場合は、脂漏症や外耳炎、成長阻害がみられるようになり、脱毛や湿潤性皮膚炎を中心に皮膚や被毛にも悪影響を及ぼします。

犬の嗜好性を高める上で脂肪は重要な役割を補うものの、過剰になった場合は様々な病気の予備軍である肥満はもちろん、下痢を引き起こしたり肝臓や膵臓の疾患原因になりえるので注意が必要です。


5、脂肪源となる食材の選び方

犬の手作りご飯で脂肪を使用する際、主に肉や魚を使用します。ここでは、脂肪源となる食材選びに役立つ情報を紹介致します。

5-1、脂肪源食材を選ぶ時の注意点

先述で紹介した通り、エネルギー源として考えたとき、脂肪はたんぱく質や糖質の2倍以上(/1g)ものエネルギーを補うことができます。そのため、運動量の少ない犬に関しては手作りご飯での脂肪分の調整には十分注意が必要。

近年、肥満を中心に犬の生活習慣病も問題視されているので、運動量が少ない犬や老犬、肥満気味の犬などの手作りご飯では肉や魚などの食材選定に気をつけなければいけません。

日本国内で飼育されている犬に関しては、実は半数以上が肥満気味であるともいわれており、様々な病気の原因になる肥満には細心の注意が必要です。愛犬に手作りご飯をつくっている方は、是非【肥満が及ぼす病気】記事をチェックしてみてください。

しかしながら、脂肪は犬の嗜好性を高める効果があるので、痩せ気味の犬や病気や老衰によって食欲が極端に低下している犬には、少量でエネルギー源を確保できる万能栄養素となります。

5-2、脂肪で考えるおすすめ食材

比較的脂肪の少ない食材の一例
・鹿肉:脂肪が少なく低カロリー・高たんぱく。鉄分も豊富なのが特徴。
・鶏ささみや鶏胸肉:鶏肉の中では脂肪が少なめだが、タンパク質が多いのが特徴。
・猪肉:豚の原種であるものの、低カロリー・低脂肪であることが特徴。中性脂肪になりにくい特性をもっている。
・馬肉:比較的脂肪分が少なく、低カロリー・低コレステロール。部位によっても多少異なるが、牛肉と比較して約5分の1程度。馬肉にはカルニチンが含まれており、犬の体内の脂肪燃焼効果が期待できる。


まとめ

今回は、犬の手作りご飯で必要となる栄養素である「脂肪」についてご紹介致しました。犬の手作りご飯を作るときは、肉や魚のアミノ酸スコアとアルギニンの含有量、脂肪分やエネルギー量に配慮して、様々な肉や魚食材を取り入れることをおすすめします。

次回は、愛犬の栄養管理に必要な5大栄養素のうち「ビタミン」の種類や食材の選び方などご紹介させていただきますが、5大栄養素の基礎知識については事前に【犬の手作りご飯|量や配分など】をご確認ください。腎臓病や悪性腫瘍など、疾患別の食事管理についても【食事管理】ページで紹介しております。


参考文献:
・(獣医師)藤本愛彦,犬の管理栄養士,一般社団法人全日本動物専門教育協会,2018.
・奈良なぎさ,犬と猫の栄養学,緑書房,2016.
・岡本羽加,手作り犬ごはんの食材帖,日東書院,2011.


記事作成者:  望月 紗貴

犬たちの幸せ(=飼い主の意識の向上)を目的とし情報提供サイトを開設。犬の管理栄養士や救命士、介護士資格など保有。他社の記事監修・作成も多数請け負う。

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犬に必要なたんぱく質と食材〔犬の管理栄養士解説〕

目次:
1、犬に必要な栄養素の欠乏症と中毒
2、必要栄養素 、たんぱく質とは?
3、たんぱく質の欠乏症と中毒
4、たんぱく質食材の選び方

愛犬に手作りご飯を作る方が増えてきましたが、作る際は犬に必要な栄養素について配慮して食材選びをする必要があります。今回は、犬の手作りご飯に必要な必須栄養素(たんぱく質)とその食材についてご紹介致します。

なお、ここではたんぱく質(アミノ酸)の種類やたんぱく質の欠乏・過剰によって起こりうる問題を中心に紹介致しますので、犬の手作りご飯の栄養素配分の基本については【犬の手作りご飯|量や配分など】をご確認ください。


1、犬に必要な栄養素の欠乏症と中毒

犬に必要な栄養素は、「たんぱく質」、「脂肪」、「炭水化物」、「ビタミン」、「ミネラル」の5大栄養素であり、これらに「水」を加えて6大栄養素と呼ぶこともあります。

手作りご飯やドッグフードでは、これら必要栄養素がある程度犬の体に適したバランスで配合されている必要があり、特定の栄養素が極端に不足すると欠乏症として体に何かしらの症状が引き起こされる可能性があります。

また、特定の栄養素が極端に過剰に含まれる食事によって、中毒としての症状が引き起こされることがあります。そのため、愛犬の健康維持のために作る手作りご飯では、必要栄養素や食材に関する基礎知識が必要になります。

愛犬にも品質の高い食事を、と愛情を込めて作った手作りご飯のせいで愛犬の体調が悪くなるのでは元も子もありませんので、基礎知識はしっかりと身につけておく必要があります。

2、必要栄養素 、たんぱく質とは

犬の体の構成成分であるたんぱく質は、主に活動に必要なエネルギーを供給したりホルモンや免疫抗体、酵素などの素になる必要栄養素です。ここでは、たんぱく質(アミノ酸)の種類や特徴、必要性などをご紹介致します。

2-1、アミノ酸の働き

たんぱく質は、20種類のアミノ酸が結合してできた化学結合で結びついた純物質です。犬の体内でたんぱく質はアミノ酸として消化吸収されたのち、動物特有のたんぱく質に再度合成されて犬の体にとって重要な栄養素として働きます。

① 犬が肉や魚、卵などのたんぱく質を食事で摂取
② 犬の消化器官を通過するとき、消化酵素の働きでアミノ酸に分解される
③ アミノ酸が犬の腸管を通過する
④ 犬の体内の様々な部位で必要なたんぱく質に再度合成される


2-2、犬の必須アミノ酸

20種類のアミノ酸のうち、犬が体内で十分な必要量を合成できず食事で摂取しなければいけないもの(=必須アミノ酸)が、以下の10種類。種類によって体内での働きが異なります。

  • アルギニン:肉などの大抵のたんぱく質食材に含まれているため、肉や魚などを手作りご飯で十分使用していれば不足することはないが、手作りご飯自体のたんぱく質割合自体が極端に少ないと、急速に欠乏症が起こりやすいので注意が必要。
    全米飼料検査官協会(AAFCO)のドッグフードで考えると乾物量として、成長期でアルギニン1%以上、維持期で0.51%以上が推奨とされる。
  • ヒスチジン:ヒスチジンは代謝によってヒスタミンが生じ、様々な臓器の動きに必要な平滑筋の収縮機能や毛細血管の拡張などに必要とされる。全米飼料検査官協会(AAFCO)のドッグフードで考えると乾物量として、成長期で0.44%以上、維持期で0.19%以上が推奨とされる。
  • イソロイシン:イソロイシン、ロイシン、バリンの3つ(分岐鎖アミノ酸)は、犬の筋肉のたんぱく質合成に必要不可欠な栄養素。イソロイシンに関しては、全米飼料検査官協会(AAFCO)のドッグフードで考えると乾物量として、成長期で0.71%以上、維持期で0.38以上が推奨とされる。
  • ロイシン:イソロイシン、ロイシン、バリンの3つ(分岐鎖アミノ酸)は、犬の筋肉のたんぱく質合成に必要不可欠な栄養素。ロイシンに関しては、全米飼料検査官協会(AAFCO)のドッグフードで考えると乾物量として、成長期1.29%以上、維持期で0.68以上が推奨とされる。
  • バリン:イソロイシン、ロイシン、バリンの3つ(分岐鎖アミノ酸)は、犬の筋肉のたんぱく質合成に必要不可欠な栄養素。バリンに関しては、全米飼料検査官協会(AAFCO)のドッグフードで考えると乾物量として、成長期0.68%以上、維持期で0.49以上が推奨とされる。
  • リジン:リジンは、犬の体内のたんぱく質合成に必要不可欠なアミノ酸で、全米飼料検査官協会(AAFCO)のドッグフードで考えると乾物量として、成長期0.9%以上、維持期で0.63以上が推奨される。
  • メチオニン:メチオニンは含硫アミノ酸と呼ばれる栄養素で、硫酸によって尿を酸性にする働きがある。全米飼料検査官協会(AAFCO)のドッグフードで考えると乾物量として、成長期0.35%%以上、維持期で0.33以上が推奨される。
  • フェニルアラニン:フェニルアラニンは、体内で代謝された際にチラミンやドーパミンなど様々な神経伝達物質が生じる栄養素。全米飼料検査官協会(AAFCO)のドッグフードで考えると乾物量として、成長期で0.83%以上、維持期で0.45%以上が推奨とされる。
  • スレオニン(トレオニン):犬が食事で摂取したたんぱく質を体内でエネルギーに変換するために必要な栄養素。その他にも新しい細胞を作ためにも必要となる。全米飼料検査官協会(AAFCO)のドッグフードで考えると乾物量として、成長期で1.04%以上、維持期で0.48%以上が推奨とされる。
  • トリプトファン:トリプトファンは、犬の肝臓で代謝されることでナイアシン(ビタミンB群)を生じるなど様々な働きがあり、全米飼料検査官協会(AAFCO)のドッグフードで考えると乾物量として、成長期で0.2%以上、維持期で0.16%以上が推奨とされる。

3、たんぱく質の欠乏症と中毒

たんぱく質が犬の体内で急激に欠乏した場合、成長不良や不妊、貧血、食欲低下や体重減少がみられるようになり、脱毛を中心に被毛にも悪影響を及ぼします。

犬においてはたんぱく質が過剰になるケースは少ないものの、過剰になった場合は肥満はもちろん、腎臓や肝臓疾患の原因になりえます。既に腎臓や肝臓、ストルバイト結石などの疾患がある犬に関しては、食事中のたんぱく質が過剰にならないよう特に注意が必要です。


4、たんぱく質食材の選び方

犬の手作りご飯で使用するたんぱく質源となる食材に関しては、アミノ酸スコアを確認してから選ぶと良いでしょう。

アミノ酸スコアとは、人における必須アミノ酸バランスを配慮して100を上限として示すたんぱく質の評価基準で、質の良いたんぱく質に配慮したい場合にこの数値を基準に食材を選ぶことができます。

例えば、卵や肉で考えると以下がアミノ酸スコア100のたんぱく質材料の一例となります。アミノ酸スコアは、人の必須アミノ酸9種類を基準としているので、犬の場合はこのアミノ酸スコアに加えて、アルギニンの含有量に関しても配慮すると良いでしょう。

  • 鶏卵 アミノ酸スコア100 + アルギニン含む 
  • 鶏肉 アミノ酸スコア100 + アルギニン含む
  • 牛肉 アミノ酸スコア100 + アルギニン含む
  • 馬肉 アミノ酸スコア100 + アルギニン含む

アミノ酸スコアが高いたんぱく質源は、消化吸収率も高いといわれています。なお先述でも説明しましたが、犬において必要となるアルギニンに関しては、大抵のたんぱく質食材に含まれています。


まとめ

今回は、犬の手作りご飯で必要となる栄養素である「たんぱく質」についてご紹介致しました。犬の手作りご飯を作るときは、アミノ酸スコアとアルギニンの含有量に配慮して様々な動物性たんぱく質食材を取り入れることをおすすめします。

次回は、5大栄養素のうち「脂肪」の種類や食材の選び方などご紹介させていただきますが、5大栄養素の基礎知識については事前に【犬の手作りご飯|量や配分など】をご確認ください。腎臓病や悪性腫瘍など、疾患別の食事管理についても【食事管理】ページで紹介しております。


参考文献:
・(獣医師)藤本愛彦,犬の管理栄養士,一般社団法人全日本動物専門教育協会,2018.
・奈良なぎさ,犬と猫の栄養学,緑書房,2016.
・阿部又信,動物看護のための小動物栄養学,株式会社ファームプレス,2008.


記事作成者:  望月 紗貴

犬たちの幸せ(=飼い主の意識の向上)を目的とし情報提供サイトを開設。犬の管理栄養士や救命士、介護士資格など保有。他社の記事監修・作成も多数請け負う。

©️犬の情報配信サービス BOWWOW Info.

犬の問題行動と叱らないしつけ方法〔訓練士解説〕

目次:
1、無駄に叱らないしつけとは?
2、叱らないしつけが大切な理由
3、犬の年齢別、しつけ方法のポイント
4、効率的なしつけの基本
5、犬の問題行動におけるしつけ
6、重度の犬の問題行動

近年、愛犬と一緒に楽しむ観光スポットも増え、様々な場所で犬連れの家族を見かけます。そんな中、犬を叱っている場面に遭遇することもありますが、言葉を話さない犬にダラダラと無駄に叱るようなしつけをしている方を見かけます。今回は、効率的な犬のしつけについて簡単にご紹介致します。

1、無駄に叱らないしつけとは?

しつけでは、常に〇と×を犬が理解しやすいよう行うことが大切です。犬の「叱らないしつけ」とは、叱ることを禁止する手法ではなく「無暗に叱らない」、「長い言葉で何度も叱らない」、「体罰などの方法で叱らない」、「犬に理解できない言葉で叱らない」というのが本来の意味です。正しく理解し、しつけに取り組みましょう。

2、叱らないしつけが大切な理由

犬のしつけには様々な手法があります。犬のしつけも子育て同様、時代に合わせて見直しや改善がされているため、以前の常識が必ずしも正解だとは言いきれません。近年、犬の問題行動などのしつけで一般的に行われるのが「褒めて育てる」手法です。

犬を家族の一員と考える現代において、無駄に犬を叱らないしつけ手法が主流となっている理由の1つには、犬の知能が関わっています。基本的に犬は人間の3~7歳児相当の知能発達、言語の理解力が身に付くことが様々な研究で明らかになっていますが、3歳児であれば親はもちろん、周囲の大人の言葉をほぼ理解することができます。

犬は言葉を話すことでコミュニケーションをとる動物ではないので、人と全く同等の言語能力を身につけることができるわけではありません。しかし、ある程度の言葉は理解でき、成長に伴い状況判断ができるようになったり、友達を作ることや個々の拘りが出てくるというような成長過程は同じです。

このような状況下で体罰を与えることは人と犬の信頼関係を壊し、犬を委縮させて恐怖心などのネガティブな感情を引き出すことで「服従」させるという歪んだ関係性になりかねません。

犬も無駄に叱ることのない手法でも十分にしつけを行うことができ、何より犬は大切な家族の一員です。怒鳴ること、叩くことをしなくても、飼い主との理想的な関係性さえ築けていれば、大抵の場合は生活に必要なルールを身に着けることができます。


3、犬の年齢別、しつけ方法のポイント

ここでは、犬の年齢に配慮したしつけのポイントを簡単にご紹介致します。

3-1、年齢別犬のしつけ

「犬は1年で人間の7歳程度の歳をとる」。このような話を耳にされた方は多いかと思いますが、この換算方法は犬の身体的(肉体的)成長や加齢を意味するための昔の換算方法で、精神的な成長を意味するものではありません。

しつけに取り組む時は、犬の精神年齢を理解するとお互いが相手を思いやりながら、効率的に成果を出すことができます。犬の精神的成長には個体差はあるものの、一般的には生後1年で人間の18歳程度にまで成長すると考えられています。

つまり、子犬はわずか1年の間に人間でいう赤ちゃんの時期から幼児期、反抗期を経て成人になるのです。しつけは、この成長のペースに合わせて都度手法や難易度を考えて取り組むのが効果的です。

3-2、生後3か月前後~

この時期の子犬は、身体的にも精神的にも「赤ちゃん」のままです。お腹がすいた時、寂しい時、甘えたい時など、自分の要求が先立つ傾向にあります。半面、家族の存在や他犬の存在にも目が向く時期で、人を含む他動物と共に暮らすことや遊ぶこと、相手との上下関係などにも関心がでてきている年齢です。

この時期のしつけはまさに「褒めること」、「叱らないこと」を重視し取り組みましょう。排泄場所、お座り、マテ、コイ、ハウス、無駄吠え防止、噛み癖防止など、生活の基本となるしつけを時間をかけてしっかりと教えます。

教えたこと、正しいことができた時に思い切り褒めて、オヤツなどご褒美を与えることで「犬が行った行動=正解」であることを理解させましょう。ただし、この時期は甘噛みや無駄吠えなどの犬の問題行動やイタズラも目立つ時期です。

このような問題行動が起こったときには「No!」、「ダメ!」など短く低い音域で、タイミング良く叱ることも大切です。長時間に渡って無駄に叱るような叱り方は禁物。子犬は、まだまだ言葉の理解度や学習能力が低く、何度も同じ失敗を繰り返したり、激しく無駄吠えをしてしまいがちです。

しつけは、子犬期の脳の発達度合いも理解した上で、時間をかけて長期スパンで何度も教えてあげましょう。特にトイレのしつけに関しては注意が必要。子犬が場所を覚えていても、消化器官が未発達なことが原因(身体的原因)で排尿・排便コントロールができないこともあるので配慮してあげましょう。

身体的都合上致し方がないことに対して叱ってしまうと、子犬は委縮して混乱してしまい、噛み癖などの反抗的な態度が併発してしまうことがあります。さらなる問題行動が生じる危険性がありますので、叱らずに褒め伸ばしで繰り返し教えてあげることが大切です。


3-3、生後半年~

個体差はありますが、目安として犬は生後半年で中学生、生後1年で高校生と精神的な成長を遂げます。この時期は、人間であれば反抗期に該当し、自立を意識しはじめる年齢です。

犬にも人と同じよう反発しやすい年齢があります(年齢に関しては個体差あり)ので、頭ごなしに叱ることで反発心も芽生えやすく、飼い主と犬の関係性も悪化しかねません。無駄に叱らないこと、言葉や態度で理解させること、褒め伸ばしで繰り返し教えることを心掛けてしつけを行うと良いでしょう。

生後半年を過ぎると、それぞれの犬の性格、自我が完全に確立されていますので、しつけを行う場合はまずは個々の犬がどんな性格かを見極め、飼い主が受け入れることが大切です。個々の犬の得意なこと、苦手なことを家族が理解し、お互いが歩み寄る形でしつけを行うと良いでしょう。

生後半年以降のしつけの内容としては、ハウス、お座り、飛びつき防止、リードの引っ張り防止、無駄吠え防止、甘噛み防止など、生活の中で守るべきルールをしっかりと犬に習得させます。「叱らない=甘やかす、無駄吠えを放置する、噛み癖を許す」という解釈ではありませんので注意が必要です。

しつけを行う際に何より大切なことが、犬が飼い主を敬愛している関係性であるか否かです。群れで生活してきた犬の習性で例えると、如何なる時も飼い主が頼もしいパックリーダーであることが重要です。

このように、まずは犬に敬愛されるような関係性を築くことに焦点を置き、危険な行為、無駄吠え、噛み癖などの迷惑や危険になる行為を行わないようメリハリをつけてしつけを行いましょう。

4、効率的なしつけの基本

犬のしつけには様々な手法があります。短期間で基本的なしつけを犬に習得させるためには、家族全員が「同じルール」で愛犬に指示できるよう心がけましょう。

テーブルの上にある食べ物を分け与える場合

・母→ 犬には食べ物は与えない
・父→ 犬が催促すれば食べ物を与える
・娘→ 食べ物を与えることもあれば与えないこともある

このような環境では、犬はテーブルの上の食べ物が食べてはいけないものかどうか判断がつきにくい状況に陥ります。結果、食べ物をもらえなかった際、要求吠えの原因になるなど、新たな問題行動が生じる原因に成りかねません。

しつけのコマンド(指示)に関しても同様、家族によって「お座り」、「sit」、「座って」などと単語が異なると、犬は1つのしつけに対して3つの単語を覚えなければいけないため、非常に効率が悪くなります。

しつけを始める前に家族で生活のルールやコマンドを決め、一度決めたルールは安易に変更したり、人によってルールが変わるということの無いよう注意しましょう。


5、犬の問題行動におけるしつけ

ここでは、よく犬にみられる無駄吠え、破壊行為、噛み癖の問題行動についてご紹介致します。

5-1、無駄吠えのしつけで大切なこと

多くの場合、先天的な原因でない限りは犬の無駄吠えは警戒や緊張、恐怖が引き金で起こります。日頃から愛犬に様々な種類の生活音を聞かせ(不必要な騒音は禁止)、無駄吠えをしてはいけないこと、音によって犬に危害が加わらないということを理解させてあげましょう。

玄関チャイムなどに無駄吠えをする場合は、「No!」などのコマンドだけだけでなく、「ハウス」や「お座り」などの愛犬がとるべき行動を具体的に指示すると、愛犬もスムーズに行動に移すことができ効果的です。

無駄吠えに関しては、犬の本能的要素が大きくかかわっているため、改善するのには限度がある、または時間がかかることが殆どですが、チャイムが鳴った際に犬が集中できるもの(噛むおやつや玩具など)で気をそらすなどの対策も効果を示すことがあります。

また、無駄吠えをする犬の場合、飼い主と犬の上下関係が逆になっていることが多いので、無駄吠えのしつけ以前に愛犬と自身の関係性についても見直すことが大切です。

5-2、破壊行為のしつけで大切なこと

子犬は歯の生え変わりのむずがゆさから、大抵は甘噛みをします。破壊行為は悪気がある行動でなく、「噛む」という犬の本能や習性、歯の痒さなどが原因となる場合もあるので無暗に叱ってはいけません。

また、犬の破壊行為に関してはストレスが原因で引き起こされることが多いのが特徴です。運動不足、過度な運動、飼い主と犬の不適切な関係性、コミュニケーション不足、環境の変化、睡眠不足、病気や老衰などの身体的な問題など、犬にストレスがないかを再度考えてあげることも大切です。

なお、犬のストレス原因詳細に関しては、【犬のストレス原因は?気をつけてあげたいこと】をご確認ください。ストレス原因に関しては、飼い主さんが気づきにくいものがあるので注意が必要ですが、ストレスを抱えた状態では犬の破壊行為は改善しません。

5-3、噛み癖のしつけで大切なこと

甘噛みや噛み癖は、子犬の成長過程で起こる生理現象の1つです。噛む動作をすることで歯茎のむずがゆさを解消したり、自身の成長を実感するなど様々な効果があります。

大抵甘噛みや噛み癖は叱るしつけ方法では効果はないため、子犬が噛んでもいいものを与える、飼い主の手や足でじゃれ合い遊ばせないなどの対策で乗り切ることも大切です。

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犬の年齢に関わらず、全般的に「噛む」という習性や本能が強い犬に全てのものを噛むな、といっても現実的に無理が生じます。噛んではいけないというのではなく、「噛んで良いもの」と「絶対に噛んではいけないもの」を判別する能力をつけさせるようしつけを行うことが大切です。

噛むという行動は、犬のストレス発散にも役立つため、あらかじめ噛んで良いおやつや玩具を準備しておくと良いでしょう。

6、重度の犬の問題行動

犬によっては肉体的ストレスや過度な精神的ストレス、トラウマが原因で問題行動を起こすことがあります。常同障害(犬の強迫性障害)や分離不安症などが問題行動の原因になっていたり、愛犬の問題行動が明らかに重度な場合は獣医師免許保有の専門家に相談することが大切です。

最近では犬の精神面に重点を置いて治療を施す心療内科のような動物病院も増え、行動療法だけでなく、犬の状況によっては薬物療法(抗不安薬など)や去勢手術を中心とした外科手術の併用が勧められることがあります。

犬が明らかな問題を抱えているようであれば、早めに精神分野を得意とする獣医師に相談しましょう。

まとめ

犬のしつけについて簡単にご紹介致しましたが、そもそも犬の問題行動とは「本来確認される犬の先天的性質行動が極端に見られたり見られなかったりする場合」、「本来確認されない犬の先天的性質行動が確認される場合」、「発達変化や習得変化によって生じうる行動変化が確認されない場合」の3つに該当するものです。

人と犬が共に快適に暮らすためには必ず犬のしつけは必要になりますが、そもそも「犬の問題行動」の概念自体、人が造り出したものであることを理解することも大切です。犬として生物学的特性(性質)上当たり前のことであっても、人間社会で問題とされる行動が「問題行動」と呼ばれます。

人と犬が共に豊かな暮らしを実現するためには、異なる生き物としての習性を理解して、互いが歩み寄ることのできるような関係性構築が何より大切なのではないでしょうか。



WRITER Profile

記事作成者:  大谷 幸代

訓練士や愛玩動物飼養管理士、トリマーなど多数のペット資格を保有。国内最大手のペット関連企業にてプロジェクトリーダーとして活躍。


記事監修・編集者:  望月 紗貴

犬たちの幸せ(=飼い主の意識の向上)を目的とし情報提供サイトを開設。犬の管理栄養士や介護士資格、トレーニングアドバイザーなどの資格を保有。他社の記事監修・作成も多数請け負う。

©️犬の情報配信サービス BOWWOW Info.

犬のストレス原因は?気をつけてあげたいこと

目次:
1、ストレスとは?
2、ストレスの原因
3、見逃したくないストレスサイン

ストレスは人においても体にマイナスに働きますが、言葉で自身の感情を説明できない犬の場合は特に注意してあげなければいけません。今回は、犬のストレスに関して身体的な変化や原因、ストレスサインについてご紹介致します。  

1、ストレスとは?

ストレスには精神的なものと肉体的なものがありますが、精神的ストレスが肉体的ストレスを併発させたり肉体的ストレスが精神的ストレスを併発させることがあるので、いずれの場合も連続的(継続的)に犬にストレスがかからないよう注意が必要です。

1-1、ストレスの種類

犬の精神的ストレスの原因は、一例として環境の変化や飼い主との関係性、運動不足などが挙げられます。それに対して肉体的ストレスは、病気や老衰、過度な運動や睡眠不足などが原因で引き起こされやすいのが特徴です。

1-2、体のメカニズム

犬がストレスを感じたとき、体の内部ではアドレナリンやコルチゾールを中心に自身を守るためのホルモンが分泌されます。

このようなホルモンに関しては犬の生命維持に必要不可欠(有効に働く場合がある)であっても、過度に分泌されると犬の健康に被害を及ぼす要因になりやすいのが特徴です。

1-3、アドレナリン

アドレナリンとは、犬の体や脳を緊張、または興奮させたりする働きのあるホルモンの一種で、血圧上昇を引き起こします。

通常健康体の犬であれば、それ程重度の身体的症状を引き起こすとは考えにくいものの、心臓発作要素がある老犬や心臓病の犬(心臓が衰弱している犬)に関しては特に注意が必要です。


1-4、コルチゾール

コルチゾールに関しては、犬がストレスを受けたときにストレスに対抗するためのエネルギー源となるホルモンとして知られています。

コルチゾールには、血糖値を上昇させるなどの働きがありますが、血糖値上昇のみならず免疫系の機能も制御させるため、継続的なストレスには細心の注意が必要です。免疫力が低下すると、体が様々な病気を引き起こしやすい(様々な病気と闘いにくい)状態になります。

1-5、免疫力と犬のがん

特に悪性腫瘍に関しては内的要因として免疫力の低下が挙げられるので、継続的なストレスによるコルチゾールの過度なホルモン分泌には十分注意が必要です。

悪性腫瘍について考える上では体にがん細胞が現れたとき、このがん細胞と闘う(がん細胞を発見したり処理する)ために免疫担当細胞が機能しますが、ストレスによってこの細胞が適切に機能しないことががんの発症リスクを高める要因にもなり得ます。

2、ストレス原因

人の場合は自分の社会的な地位や恥、プライドなどがストレス要因になりやすいのに対して、犬の場合は毎日の食事を中心に「自身の生命維持のために必要不可欠なもの」に対してリスクが生じるときにストレスを感じやすいのが特徴です。

2-1、環境の変化によるストレス

飼い主や家族構成が変わったり引っ越しによって住処が変わる、同居犬が亡くなったり新たな同居犬が増えるなどの変化はもちろん、犬によっては飼い主が気付かないような些細な環境の変化にもストレスを感じることがあります。

多少のストレスや環境の変化に関しては犬にとっても重要であり、全くストレスのない環境というのは逆に現実的ではありませんが、注意したいのは継続的なストレスと短期間であってもトラウマに発展するような重度のストレスです。

家族が変わった場合や引っ越しをした場合など、大きな変化が生じた際は愛犬の様子を普段以上によく観察。ストレス緩和のために、優しい声かけや犬との適切なコミュニケーションの構築などに注意を払う必要があります。


2-2、飼い主との関係性によるストレス

歴史的に群れで生活してきた背景から、群れの一員(特にパックリーダー的存在)との関係性に対して犬がストレスを感じやすいのが特徴です。

愛犬との十分なコミュニケーションが取れているか、叱るしつけをしていないか、犬との関係性が適切であるか、日々飼い主自身が見直す努力をすることが大切です。

2-3、運動量によって生じるストレス

運動不足は犬にとってのストレス要因になることは有名ですが、過度な運動も身体的ストレスだけでなく精神的ストレスにつながります。

一般的には散歩については小型犬30分~、中型犬30~1時間、大型犬1時間~というような認識が広まっていますが、犬種や個体差、生活環境によって適切な運動量には大きな差が生じます。

一般的な目安はあくまで目安として考え、愛犬の疲れ度合いや問題行動の現れなどを細かく観察しながら、その犬に適した運動量を見極めることが何より大切です。

運動量を考える上で一緒に考えたいのが犬の睡眠の質と人の睡眠の質の違いです。犬においては人とは異なり、浅い眠りであるレム睡眠(寝ていても脳が活動している状態)が約80%程度だと考えられています。

睡眠の質に関しても、犬の年齢や生活環境、個体によって差が生じますが、いずれにせよ人と比較して、犬は遥かに長い睡眠時間を確保する必要があることには変わりありませんので、適度な運動と十分な睡眠がストレス緩和には欠かせません。


2-4、病気や老衰によるストレス

病気や老衰によって体に痛みや違和感、炎症など生じている場合は、何より獣医師に早期段階で相談することが大切です。

病気の治療に合わせて、犬が生活しやすい環境(身体的ストレスがかかりにくい環境)を整えてあげましょう。

3、見逃したくないストレスサイン

犬は言葉で感情を表現することができません。その上、人と比較するとストレス発散方法の範囲が非常に狭く、問題行動や身体の不調に表れやすいのが特徴です。

人であれば、友人に話したり趣味を見つけるなど様々なストレス発散方法がありますが、犬においては発散方法が飼い主の管理下におかれるものに限定されやすいので、しっかりと愛犬の立場で対策を練ってあげることが大切です。

よく犬にみられるストレスサインとしては、食欲の低下や脱毛、下痢、極端な睡眠時間の低下、運動量の低下などを中心とした身体や行動の変化。それに加えて唸る、吠える、噛む、阻喪するなどの問題行動が生じることが多くあります。

問題行動が見られる場合、犬においてはストレスの発散方法が極端に限られてしまうことをしっかりと理解した上で、まずは些細な行動変化に気づいてあげることが大切。その上で、ストレス緩和対策を行い、犬に重度の精神的問題がある場合は、人でいう心療内科のような精神医学を得意とする獣医師に相談することも大切です。

まとめ

今回は、犬のストレスに関してご紹介致しましたが、ストレスによって発生するホルモン分泌に関しては通常適切な量(または頻度)であれば、犬の健康維持においても有効に働きます。

例えば、散歩ルートを変更してみる、普段とは違う場所に外出するなど、その犬にとっての楽しみに関係するストレス(重圧)が適度に生活に加わるような場合は、ストレスはポジティブな要素として働きますが、たとえ犬にとっての楽しみであったとしても、そのような重圧が継続的に加わることは好ましくありません。

犬にとっては、安心できる生活環境(自宅)での十分な精神的・身体的休憩場所や時間が確保された上で、適度な良いストレスが加わるような生活を心がけることが健康維持において大切なのではないでしょうか。



参考文献:
・動物臨床医学研究所 山根義久,イヌ+ネコ家庭動物の医学大百科,パイインタ-ナショナル,2012.
・鷲巣月美,ペットのがん百科―診断・治療からターミナルケアまで,三省堂,2011.


記事作成者:  望月 紗貴

犬たちの幸せ(=飼い主の意識の向上)を目的とし情報提供サイトを開設。犬の管理栄養士や看護師、介護士資格など保有。他社の記事監修・作成も多数請け負う。

犬の抗がん剤による副作用や対処法など

目次:
1、腫瘍の発生と抗がん剤
2、抗がん剤の種類別副作用
3、抗がん剤の副作用に対する対処法
4、抗がん剤による副作用を減らすための治療法

愛犬の悪性腫瘍が発覚したとき抗がん剤治療も選択肢の一つになりますが、副作用リスクに関しても頭に入れておくことが大切です。私自身、愛犬の組織球肉腫の抗がん剤治療で胃腸障害や食欲不振などの副作用が引き起こされ、愛犬はもちろんですが見ている私もとても辛い経験をしました。

実際に副作用軽減のための対処を行うことができるのは獣医師ですが、日々の愛犬の様子を詳しく確認して獣医師に伝えることができるのは飼い主さん自身です。今回は、抗がん剤によって起こりやすい副作用や動物病院での一般的な対処法について獣医師に詳しく解説していただきました。

1、腫瘍の発生と抗がん剤

ここでは、腫瘍細胞の発生や抗がん剤による副作用の基本的内容を解説します。

1-1、腫瘍はどこから来るのか

多段階発癌説という仮説があり、これは正常な細胞が腫瘍細胞に変化するまでの3つの段階について述べたものになります。はじめの変化である「イニシエーション」では、正常細胞のDNAが変異し、次の変化である「プロモーション」では、DNAの変異を持つ細胞が新たな変異を蓄積させながら増殖。

最後の変化である「プログレッション」では、細胞は増殖能と転移能を獲得し、腫瘍細胞に変化します。このことから、腫瘍細胞というものは、そもそも犬の正常な細胞であったとも言えるのです。

1-2、薬の種類別副作用

一例として抗生物質は、動物細胞と細菌の生理学的な違いを利用して細菌を特異的に攻撃し、抗真菌薬は抗生物質と比較すると副作用が大きいのが特徴です。真菌は細菌より動物細胞に近い、つまりは進化的に近縁とも言える特徴を持つためです。

犬で使用される抗がん剤も、抗真菌薬よりさらに強い副作用を持ちます。腫瘍細胞と正常な細胞は同じ動物細胞であり、基本的な生理学的構造は共通しているからです。

2、抗がん剤の種類副作用

ここでは、犬に使用される抗がん剤の種類別で、一般的に引き起こされやすいといわれている副作用について紹介していきます。

2-1、種類と副作用

アルキル化剤|
アルキル化剤に関しては、シクロフォスファミド、ロムスチン、クロラムブシルなどが代表的です。DNAの複製を阻害し、副作用としては骨髄抑制(ロムスチンで重度)、出血性膀胱炎(シクロフォスファミド)などの副作用が生じる犬がいます。

代謝拮抗剤|
代謝拮抗剤に関しては、メトトレキサートや5FUなどが代表的です。DNAの合成に必須である物質に置き換わり合成を阻害しますが、骨髄抑制などの副作用が生じる犬がいます。

ビンカアルカロイド|
ビンカアルカロイドに関しては、ビンクリスチンやビンブラスチンなどが代表的です。細胞分裂や染色体分裂をつかさどる微小管と呼ばれる糸を機能不全にさせます。ビンカアルカロイドの副作用としては骨髄抑制と神経毒性(ビンクリスチン:末梢性の神経毒性で便秘が起こる)などの副作用が生じる犬がいます。

抗腫瘍抗生物質|
抗腫瘍抗生物質に関しては、ドキソルビシンなどが代表的です。DNAやRNAの合成を阻害します。ドキソルビシンの副作用としては、心毒性(心臓に悪影響な毒性)などが知られています。

白金製剤|
白金製剤に関しては、カルボプラチンやシスプラチンなどが代表的です。DNAの複製を阻害し、犬に起こりやすい副作用としてシスプラチンの場合は腎毒性、重度嘔吐、聴覚器毒性、骨髄抑制。カルボプラチンの場合は、骨髄抑制などが引き起こされる可能性があります。

抗腫瘍酵素製剤|
抗腫瘍酵素製剤に関しては、L-アスパラギナーゼなどが代表的です。特定の腫瘍が主な栄養素として利用するアスパラギン酸を分解します。L-アスパラギナーゼに関しては、急性膵炎などの副作用が知られています。

3、抗がん剤の副作用に対する対処法

ここでは、抗がん剤によってよく犬に起こる副作用や、動物病院で一般的に行われる対症療法についてご紹介致します。

3-1抗がん剤でよく起こる副作用

抗がん剤にはよく確認される副作用があり、吐き気や下痢、好中球(代表的な白血球)減少症がこれにあたります。癌細胞は正常な細胞より分裂速度が速く、その違いを標的にする薬が多く存在しますが、分裂速度が速い腸の上皮細胞や骨髄の血球系幹細胞(白血球の元になる細胞)は影響を強く受けます。

この結果として、下痢や好中球減少症などの抗がん剤副作用が引き起こされやすくなります。また、抗がん剤は毒性の高い異物なので、吐き気が副作用として現れることが多くあります。

3-2、副作用の症状に応じた対処法

動物病院で行われる下痢の対処法としては、メトロニダゾールやタイロシンなどの抗生物質やその他の下痢止めが使用されています。

好中球減少症への対処法としては、抗がん剤投与前に抗生物質を投与する方法と、「G-CSF(顆粒球コロニー形成刺激因子)」の投与によって好中球そのものを増やす方法があります。

吐き気に対処するためには、マロピタント、オンダンセトロン、メトクロプラミドなどの制吐剤が使用されるなど、副作用の症状に応じて獣医師が犬の状況に応じた薬を使用します。

その他、抗がん剤は腎臓から排出されるものと肝臓で代謝を受け胆汁を通して腸管に排出されるものがありますが、腎臓から排出されるものの場合、腎障害や泌尿器障害を引き起こすことがあります(シクロフォスファミドの出血性膀胱炎等)。

このようなケースでは、利尿剤の投与により腎・泌尿器を尿で洗い流し、抗がん剤代謝物の毒性を弱め対処するなどの方法があります。いずれの場合も、対症療法を行うためには愛犬の状況を飼い主さん自身が細かく確認して、獣医師に的確に犬の症状を伝えることが大切です。

3-3、モニタリングによる対処

抗がん剤の持つ副作用が犬が許容できる範囲内に収まるように、個々の犬のバイタルサインや血球数、血液生化学測定値をモニタリングしながら、抗がん剤の投与量を調節していく方法も一般的です。前述した薬剤による対症療法と組み合わせて行います。

4、抗がん剤による副作用を減らすための治療

現在に至るまでに、獣医療でも抗がん剤の持つ副作用を回避するために様々な方法が生み出されてきました。ここでは、いくつかご紹介していきますが、犬に発生している腫瘍の種類によっては使用できない方法や、本当に効果的か否かが不明瞭(現状実験段階)の方法もあります。

4-1、多剤併用療法

多剤併用療法とは、犬に複数の抗がん剤を組み合わせて投与することで単剤の投与量を低くして副作用を抑え、それに加えて異なる作用機序を組み合わせることで効果的に腫瘍を攻撃します。

多剤併用療法はリンパ腫の一般的な治療法として使用されており、科学的な根拠のあるいくつものプロトコールが存在します。なお、犬のリンパ腫の抗がん剤プロトコールに関しては【犬のリンパ腫|抗がん剤の種類や効果など】をご確認ください。

4-2、分子標的薬における副作用軽減

トセラニブ|
皮膚肥満細胞腫の治療に用いられるトセラニブという抗がん剤があり、これは分子標的薬と呼ばれる、腫瘍細胞が正常な細胞より多く持つ物質(トセラニブではKIT分子等)を標的にした薬剤です。

一般的な犬の抗がん剤よりさらにピンポイントで腫瘍細胞のみを攻撃でき、副作用の発現を抑えることができます。しかしながら、完全に副作用がないわけではありません。日本におけるトセラニブの副作用は、投与された犬のうち約60%で食欲不振、約20%で嘔吐、約40%で下痢、約10%で白血球減少症(免疫力低下)が起きたという報告があります。

これらの副作用は、多くは対症療法(根治を目的としない症状を抑えるための治療)で改善したとも述べられています。トセラニブは、皮膚肥満細胞腫のみに認可が下りている薬剤ですが、いくつかの腫瘍に対しても効果があると示唆されており、今後の研究によって新たに認可が下りる可能性があります。

ニボルマブ|
人の悪性メラノーマの治療に用いられる、ニボルマブという抗がん剤があります。メラノーマで多く発現するPD-1分子に対する分子標的薬ですが、ニボルマブは犬には効果がないといわれています。

しかしながら、犬に対してある程度の効果が報告された同じ作用機序を持つ分子標的薬が現在研究されているので、今後の獣医療においても使用される見込みがあります。

4-3、DNAワクチンにおける副作用軽減

DNAワクチンとは、癌細胞の遺伝子の欠片をワクチンとして注射することで、健康な細胞がその遺伝子を取りこみ、癌細胞の蛋白質等を分泌。それに対して免疫応答が起き、抗体が産生され癌細胞そのものを攻撃する、という複雑な作用機序を持つ薬剤です。

抗体は特異的に癌細胞に結合する為、DNAワクチンにおいては一般的な抗がん剤より副作用が少ないことが予想されます。犬の悪性メラノーマに対するDNAワクチン、特定のリンパ腫に対するDNAワクチンなどが知られており、悪性メラノーマに対するDNAワクチンの場合はアメリカでは認可が下りていますが、効果が疑問視されているため日本での認可はまだ下りていません。

ちなみに、特定の犬のリンパ腫に対するDNAワクチンに関しては、現在効果を確かめるための研究が行われています。

まとめ

今回は、犬の抗がん剤で引き起こされやすい副作用や動物病院で行われている対処法を中心に獣医師に解説していただきました。

抗がん剤副作用に対する対症療法は副作用の症状だけでなく、それぞれの犬の状況に合わせて行う必要がありますので、抗がん剤を使用している場合は、一層愛犬の日々の様子を細かく確認。

愛犬の状況や些細な変化などを詳しく説明して、副作用を減らしてあげられるよう獣医師と二人三脚で愛犬をサポートすることが大切です。

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獣医師ライター:  若林 薫

子犬や子猫の治療、健康管理を得意分野とする。動物病院の獣医師と飼い主を繋ぐための専門的で分かりやすい記事を執筆。獣医師免許証保有。


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犬たちの幸せ(=飼い主の意識の向上)を目的とし情報提供サイトを開設。犬の管理栄養士や看護師、介護士資格など保有。他社の記事監修・作成も多数請け負う。

ゴールデンレトリバーの夏が来た!プール開き

ようやく、我が家もプール開き!今日こそ、今日こそ、と思いながら、私の精神状態が安定せずになかなかプール開きができず、今頃になってしまった・・。「俺の季節が来た!」。大はしゃぎの愛犬ゴールデンレトリバーティラ。

「俺のマイプールだよ!!」。愛犬3頭のために去年パートナーと一緒に購入したが、結局飽きずに入るのはティラだけ・・。バーニーズマウンテンドッグちょこは熱しやすく冷めやすいので、結局自ら積極的に入ったのは最初の一回。後は濡れるのが嫌で、半強制的に入れないと入らなかった。

ボーダーコリーのラテも泳げるけど、ちょこと同じく水に濡れるのが嫌いで自分からは入らない。股関節形成不全が判明したときに獣医師さんに相談したが、やっぱり今からプールに入れても意味がないし、本人がストレスになるのならば泳がせるメリットがないという結果に・・。

ティラは濡れるのも泳ぐのも大好きだけど、ずぶ濡れになってママにドライしてもらう時間がとても好きらしい。今日の朝は、パパに買ってもらったボールをプールに持っていくということ聞かず・・。部屋から自分で持ってきてプールにドボン。お気に入りのボールと一緒に泳いでます。

暑くなってから散歩も庭ランも拒否するようになり、部屋でママとまったり時間を過ごすことを趣味にしていたティラ。プール出すまでは、みんなでお庭でまったりしていても10分程度で一人部屋の前で待機。「涼しいお部屋入りましょうよぉ~」と言っていたが・・。

プールをだしたら、今度は「部屋には入りたくないでしゅ!俺はもっと泳ぐでしゅ!!」と言って、いうことを聞かなくなり・・。う~ん・・これはこれで困った。夏の運動不足解消には良いけど、過度な運動は身体に負担がかかるので適度に泳ぎましょう。

そして、二足歩行も夏の運動不足解消。昨日プール開きで甥と姪が遊びに来てくれましたが、甥であっても容赦しない大人げない私・・。恐らく子供たちより楽しんでしまったであろうことは、ここだけの秘密。


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犬と人の消化吸収能力の違いなど〔獣医師解説〕

目次:
1、犬の食事はどのように消化される?
2、犬の消化器官の特徴と栄養素
3、犬の消化器官と免疫組織
4、ドッグフードについて

犬にとって体を構成したりエネルギーを供給するために大切な食事ですが、食事は犬の体の中でどのような過程を経て消化されるのでしょうか?今回は、犬の消化吸収について獣医師に詳しく解説していただきました。なお、手作りご飯やドッグフードなど食事管理の基本については【食事管理ページ】をご確認ください。

1、犬の食事はどのように消化される?

犬が口にした食事は、唾液と一緒に咀嚼されて便として排泄されます。 ここでは、犬の消化吸収の過程を詳しくご紹介致します。

① 食物が細かくなるのと同時に、唾液の中の酵素により食物が分解される
② 食道を通り、胃に送られた食物は胃酸と酵素である「ペプシノーゲン」によって次の分解を受ける
③ 胃の後ろに位置する十二指腸に膵臓から伸びる「膵管」と、肝臓に付属する胆嚢から伸びる「胆管」が開口しており、膵液と胆汁が十二指腸の中に運ばれてきた食物と混ざって分解される

※膵液には「トリプシン」や「リパーゼ」などの酵素が含まれており、胆汁には胆汁酸が含まれています。これらの酵素や物質が消化に役立ちます。

④ 食物は栄養素の吸収をつかさどる小腸に運ばれ、小腸は粘液の分泌と共に蠕動(ぜんどう)運動という波が伝わるような動きをすることで、食物はさらに消化液と混ざり合って粘液によって潤滑になった小腸内を進んでいく

⑤ 小腸には腸絨毛という細かい毛のような組織がびっしり生えており、腸内面の表面積を拡大。食物は小腸内面とより多く接触し、効率の良い栄養素の吸収を行うことが可能になる
⑥  最終的に蠕動運動によって大腸で水分が吸収され、直腸へと送られます。直腸を経て、食物は糞便として肛門から排出される

2、犬の消化器官の特徴と栄養素

人と犬では特定の栄養素における消化能力に差が生じますが、どのような違いがあるのでしょうか。ここでは、犬の消化吸収の特性についてご紹介致します。

2-1、犬と人の消化吸収の違い

人と犬の消化器官の違いとしては、「消化器官の構成」と「栄養素の消化・吸収」に関係するものがあります。消化器官の構成に関しては、人と犬を比較する学術的な情報は乏しいのが現状です。そのため、一般論的な話になってしまいますが、人と犬はどちらも雑食性であり基本的な構造には大差はありません。

しかしながら、犬の方が人より肉食性に近いと言われており、腸の長さなどの消化器官の構造の差としてその性質が表れている可能性はあります。人と犬の消化器官の構造より、生理学的な構造の方が利用できる食物に影響しており、犬では玉ねぎやチョコレートなどで中毒を起こしますが、これは肝臓や腎臓などの代謝機構の違いによるものです。

2-3、炭水化物の消化について

栄養素の消化・吸収に関しては人と犬では明らかな差が生じます。炭水化物の消化・吸収において、人では唾液に含まれるアミラーゼが第一の消化を行うのに対し、犬では唾液にαアミラーゼがなく、炭水化物の科学的な分解は十二指腸において膵液に含まれている「αアミラーゼ」が行います。

咀嚼による物理的な細断と、酵素による分解を同時に行える人と比較すると、犬では炭水化物の分解が苦手であると言えるでしょう。

2-3、タンパク質の消化について

タンパク質の消化・吸収についても人と犬では異なる点があります。タンパク質は消化の過程でアミノ酸まで分解されます。人と犬では必須アミノ酸(体の中で合成することが出来ず、食物から摂取する必要があるアミノ酸)が異なります。

人で考えると「アルギニン」は必須アミノ酸でないので体内で合成することができますが、犬においては必須アミノ酸であるため、小腸で吸収する必要があるのが大きな違いです。

3、犬の消化器官と免疫組織

ここでは、犬の消化器官と免疫組織の関係性に重点を置いてご説明致します。

3-1、消化器官と免疫組織

犬の小腸や大腸には「腸管付属リンパ節」と呼ばれる器官があります。これには腸絨毛があまり発達していない部位に存在する「パイエル板」などが含まれ、腸管付属リンパ節では免疫細胞の一種である形質細胞が多く存在。「IgA」と呼ばれる抗体を産生しています。

抗体にはいくつかの種類がありますが、そのほとんどは体内に侵入した病原体を排除する役割を持っています。その中でこの「IgA」は粘膜分泌型と呼ばれる亜型を持ち、呼吸器や消化器のように粘膜を通じて外界と接している、また外界から何かしらの物質(食物、病源体)が持ち込まれる組織において、体内に侵入する直前の病源体を排除する重要な役割を担っています。

3-2、犬の腸の免疫組織が発達している理由

犬において小腸や大腸で特別な免疫組織が発達している理由は、栄養吸収のために物理的な防御をとることが難しい、といったことが考えられます。腸壁から栄養を吸収することは、異物を身体の内部に通すことです。

たとえば、皮膚は病源体から身を守る為に角質化した細胞が何層にも積み重なった構造を持ちます。しかし、そのような構造は栄養吸収に適していません。小腸では単層細胞による薄い壁と、その直下にある粘膜固有層、粘膜固有層によって保持されている毛細血管と「中心リンパ管」と呼ばれる栄養を運搬する管で腸壁を構成しています。

これらの組織は栄養を腸壁から吸収することに適していますが、容易に体内に病源体を侵入させてしまいます。腸管の持つ物理的な防御の脆弱性を補うために、腸管付属リンパ節などの免疫組織が存在しているのですね。

3-3、消化器官の健康維持の重要性

犬の体調不良を引き起こす病源体は、ウイルスや一般的な病気の原因となる細菌だけではありません。小腸や大腸には常在細菌叢と呼ばれるさまざまな細菌が含まれています。これらの細菌は普段は悪さをしませんが、腸内環境の変化により特定の細菌が増加することがあります。

常在細菌叢の乱れは、細菌が発生する毒素、また細菌自体が体内に侵入することによる感染症により下痢を引き起こす場合があり、腸管の物理的防御の脆弱さも下痢を引き起こす要因になります。

何かしらの刺激物により腸壁が痛むことによって、病源体は感染を引き起こし易くなってしまうのです。また、腸の細胞はライフスパンが短いという特徴を持ちます。

糞便は食物の残渣でできていると思われがちですが、実は死滅して脱落した細胞などの組織も糞便の多くを占めます。腸の細胞が、外的・内的な要因によって分裂速度が落ちてしまった場合、ただでさえ薄く弱い腸壁をもろくしてしまうと考えることができます。

3-4、消化器官の健康維持

犬の消化器官の健康が乱れることで、犬は下痢などの病気を引き起こしやすくなります。① ドックフードや水は新鮮なものを与える、② 刺激の強い人間の食事は与えない、③ お腹を冷やさない食事を心がけるなど、飼い主さんが少し気をつけてあげることで、消化器官の健康リスクを下げることができます。

4、ドッグフードについて

ここでは、ドッグフードに含まれる炭水化物の特徴や療法食の注意点について紹介致します。

4-1、ドッグフードにおける炭水化物の消化

犬が消化しやすいドックフードとはどのようなものでしょうか?一般的に炭水化物が多く含まれているドックフードは、消化によくないという意見があります。これは犬の唾液で「αアミラーゼ分泌がない」ことから言われていると思われます。

しかしながら、大抵のドックフードでは炭水化物(でんぷん)のα化と呼ばれる工程を経ていますので、α化された炭水化物であれば消化に関してはあまり問題がないと考えられます。ただし、愛犬に手作りご飯を与えている場合は十分気をつけましょう。

4-2、総合栄養食と療法食ドッグフード

ドックフードには、AAFCO(米国飼料検査官協会)のガイドラインに沿って「総合栄養食」という区分があり、日本国内の総合栄養食表記があるドッグフードに関しては「そのドッグフードと水だけで犬の基本的な生命維持が可能」とされています。

一方、獣医師の処方により使用できる食事療法食というものがありますが、このドックフードは、病気の治療を行うために必要なサポートをする目的で製造されており、療法食が総合栄養食の基準を満たしているとは限りません

一例として食事療法食の中には、持病により消化機能が弱まっている犬のためにつくられたものがありますが、この種類の食事療法食は消化しやすいドックフードということになりますが、決して独断で使用してはいけません。

食事療法食は犬の治療目的に特化した栄養バランスを持ち、健康な犬や特定の病気を持つ犬の体調を悪化させる危険性があるからです。もし、愛犬の食事として食事療法食を使用したい場合は、かかりつけの獣医師に相談するようにしましょう。

手作りご飯やドッグフードなど食事管理の基本については【食事管理ページ】をご確認ください。


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犬の肥満の見分け方や肥満のリスク〔獣医師解説〕

目次:
1、犬の肥満の見分け方(判断基準)
2、肥満がもたらす犬への影響
3、食事管理で適正体重を維持しよう!

日本国内で飼われている犬に関して半数以上が肥満傾向にあり、犬の生活習慣病も増えていますが、病気を中心に肥満は犬の体にどのような影響を及ぼすのでしょう?今回は、病気の予備軍ともいわれる犬の肥満について、肥満の見分け方や病気リスク、対策などを中心に獣医師に解説していただきました。

1、犬の肥満の見分け方

ここでは、犬の肥満が及ぼすリスクや肥満度の見分け方についてご紹介致します。自宅で簡単に行える見分け方ですので、しっかりと愛犬が肥満、または肥満気味でないか確認しましょう。

1-1、肥満の見分け方

犬の肥満の見分け方の代表的なものは、① 犬種による適正体重を用いるもの ② ボディ・コンディション・スコア(BCS)を用いるものなどがあります。

前者は犬種による適正体重の15%を超えた場合に肥満と判断し、後者は外観や触診などによる痩せ~肥満の(一般的には)五段階で肥満を判断します。BCSの判定方法についてこれから説明しますが、BCSで見分ける方法は慣れれば家庭で簡単に行えるので、日々愛犬の肥満度を確認。肥満傾向にある場合は、病気予防のために食事管理方法の見直しを行ってください。

1-2、BCSの判定方法

BCSの見分け方では、以下の3点を基準にして判定を行います。

① 胸部を触ったときに肋骨がどの程度触れられるか?
②  犬を上からみたときに腰のくびれがどの程度あるか?
③ 犬を横からみたときお腹がどの程度へこんでいるか?

◇ BCSの判定フローチャート(簡易版) ◇

1)胸部を触ったとき脂肪の下に肋骨を感じる
YES→BCS4以下   NO→BCS5(肥満)

2)犬を上から見たとき腰のくびれが明らかにわかる。
犬を横から見たときお腹のへこみが明らかにわかる。
YES→BCS3以下   NO→BCS4(体重過多)

3)胸部を触ったとき肋骨の上の脂肪がほとんど感じられない。
YES→BCS2以下   NO→BCS3(適正体重)

4)胸部の肋骨と臀部の骨盤が外見からみてわかる(皮膚に骨が浮き出ている)。
YES→BCS1(痩せ)  NO→BCS2(やや痩せ)

1-3、犬の肥満状況

参照データによって多少異なるものの、日本では肥満の犬(BCS 5)が15.8%程度、体重過多の犬(BCS 4)が39.8%程度だという報告があります。恐ろしいことに、この結果をみると飼育されている犬の半数以上が肥満傾向であるということになります。

肥満は病気だけでなく犬の寿命にも関わっており、あるアメリカの研究では肥満の犬は、健康な犬と比較して2.5年程度寿命が短くなったと報告されています。ミニチュア・ダックスフンド、チワワ、ポメラニアンなどの犬種では肥満傾向になる犬が特に多く、驚くべきことに犬種によっては最大で90%近くの犬が肥満傾向にあると報告されています。

2、肥満がもたらす犬への影響

ここでは、肥満によって発症しうる病気リスクや犬の体への負担について説明致します。ついつい間食を与えてしまいがちですが、愛犬の病気リスクをしっかりと把握して体重管理に努めましょう。

2-1、肥満がもたらす病気リスク

犬の肥満によって引き起こされる病気は数多くあり、糖尿病や高脂血症、膵炎などの内分泌・代謝性疾患を思い浮かべる方が多いかと思いますが、内分泌・代謝性疾患に留まらず、血栓症や動脈硬化症、肺高血圧症などの循環器系疾患を引き起こすリスクがあります。

体重増によって四肢の負担が増え、骨関節性疾患のリスクも高めます。その他、腫瘍性疾患に関しては乳腺腫瘍、膀胱の移行上皮癌では肥満との関係性があるといわれています。皮膚疾患や泌尿器疾患リスクに関しても肥満が原因で引き起こされることがあり、肥満は数多くの犬の病気発症リスクを高める危険性があるので早めの対策が必要です。

2-2、体にかかる負荷リスク

肥満は病気を引き起こすだけではなく、犬の既存の病気の悪化リスクも高めます。例えば気管虚脱の犬では、肥満により気管周囲に脂肪が蓄積することで物理的に呼吸を阻害。病気を悪化させるリスクが高まると考えられています。

また、膝蓋骨脱臼などの骨関節性疾患では先天的に病気のリスクを持っている場合がありますが、脂肪による体重増が病気を悪化させることで病気を発症させてしまうこともあります。肥満により発症した病気が、ドミノ倒しのように既存の病気を悪化させるようなこともあるので犬の体重増加には注意が必要です。

先述で説明したように、肥満は犬の糖尿病などの内分泌・代謝性疾患を引き起こし、これらの疾患は高血糖や高脂血症、高血圧などの症状を引き起こし、さらに心臓や血管にダメージを与えるようなリスクを引き起こします。

2-3、肥満がもたらすその他の病気リスク

犬で多い循環器疾患として僧帽弁閉鎖不全症という病気があります。この病気は、心臓から全身へ血液を循環させるときに大きな負荷が発生する部位である「僧帽弁」の機能不全が原因で引き起こされるため、高血圧は心臓から全身へ血液を送る負荷の増加と言えます。僧帽弁閉鎖不全症は肥満による高血圧で、さらに病状が悪化するリスクを高めます。


3、食事管理で適正体重を維持しよう!

ここでは、犬の適正体重を維持するための食事管理や炭水化物についてご紹介致します。

3-1、食事管理におけるリスク低減

先述の通り、肥満は犬の寿命を2.5年程度短くします。肥満によって病気のリスクが上がるということからも、肥満が犬の健康を害するのは間違いないでしょう。そこで、最も肥満対策に効果的な方法は食事管理といわれています。

肥満と食事制限の関係を調べた研究では、ドックフードの量を2/3にした場合に16週間で体重は約18%、体脂肪は約43%減少したという報告があります。この体重の減少(約3.7kg)は、体脂肪量の減少(約3.1kg)とほぼ一致しており、筋肉量の減少などの食事療法の副作用は少ない可能性が高いといわれています。

素人の場合は極端な犬の食事量調整は危険ですので、獣医師に都度相談しながら食事量を調整することが大切ですが、いずれにせよ食事管理が肥満による様々なリスクを減少させる可能性は高いといえるでしょう。

3-2、食事管理と炭水化物

人においては一般的なダイエットとして、炭水化物の摂取量を減らす糖質オフダイエットなどの方法がありますが、犬の食事管理と炭水化物は関係があるのでしょうか?

肉食の犬には炭水化物は不要である、炭水化物によって犬が太る、犬は炭水化物を分解できないなどの様々な意見が散見されますが、食事管理に関して言えば炭水化物をはじめとした個々の栄養素の摂取量を考えることは、栄養学的な専門知識を駆使しないといけないので少し難しいことかもしれません。

ちなみに、犬は狩りをしていた時代から動物の胃などの消化器官に含まれる草や穀物を栄養源としていたといわれています。そのため、全食事量と比較して肉の摂取量が多いものの雑食性だと考えることができます。

このような背景から、犬の体に完全に炭水化物が不必要だというのは考えにくいといえるでしょう。また、犬の体の構造から考えると、唾液中には炭水化物を分解する酵素がほとんど含まれていないのが特徴ですが、犬の膵臓から分泌されている消化液にはその能力があります。そのため、犬は炭水化物の消化が苦手だとしても、少量であれば炭水化物を分解することはできます。

3-3、食事管理の方法

犬の食事管理における肥満対策では、一日に総合栄養食とおやつをどの程度与えているのか正確に把握することが大事です。また、犬は与えられた食事を一気に食べてしまうことが多い動物であり、一度にたくさんの食事を消化するためには必要以上の血糖値の上昇を招き、肥満の原因になることがあります。

そのため肥満気味の犬であれば1日の食事量を減らして、ごはんの回数を増やし、1週間後に体重を測定。体重に変化がない、または体重が増えてしまった場合は1回の食事量をさらに減らして再び1週間後に体重を測定をしながら、少しずつ減量対策を行うと良いでしょう。

気を付けておきたい点としては、お腹が空いて可哀想だからと間食としてのおやつを与えないということです。家族の方がこっそり与えるようなことがないよう、事前に家族全員が犬の肥満状況やそのリスク、食事量に関して把握しておかなければいけません。

まとめ

今回は、一獣医師としての観点から犬の肥満リスクや食事管理の重要性などをご紹介させていただきましたが、犬の肥満は様々な病気リスクを高めるだけでなく現状犬が発症している病気を悪化させ、ときに寿命にさえ影響することが分かりました。

私も個人的に一愛犬家として甘やかしてしまいがちですので、飼い主さんの気持ちはとても良く理解できます。最近では、種類は少ないものの総合栄養食基準を満たしたおやつもあるので、このようなおやつを活用したり、普段与えていないドッグフードをおやつとして与え、1回の食事量をその分減らすような工夫も必要です。

いずれにせよ、病気になったり体に負担がかかったりする方が犬にとってはデメリットが大きいので、おやつの量は1日の総合栄養食の2割以内(理想としては1割程度)で、犬の健康を第一に考えて調整してあげましょう。なお、犬の食事管理についての記事一覧は【犬の食事管理(リンク)】をご確認ください。




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